Vコード
Vコード V-cord | |
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メディアの種類 | 磁気テープ |
記録容量 |
V-60(STD:30分、LP:60分) V-120(STD:60分、LP:120分) |
フォーマット | アナログ |
読み込み速度 |
134.0 mm/s(Vコード) 73.87 mm/s(VコードII) |
読み取り方法 | ヘリカルスキャン方式 |
策定 | 東京芝浦電気・三洋電機 |
主な用途 | 映像等 |
大きさ |
156×108×25 mm (テープ幅:12.65 mm(1/2インチ) |
上位規格 | VコードII |
関連規格 | VHS、ベータマックス(競合規格) |
Vコード(Vcord、ブイコード)は、1974年に東京芝浦電気(以下、および、現・東芝)と三洋電機が共同開発した家庭向けVTR(ビデオテープレコーダ)規格である。1976年には長時間記録に対応したVコードII規格も発表された。
概要
[編集]家庭用VTRとして1970年3月に発表され、1971年10月にソニー(現・ソニーグループ)・松下電器産業(以下松下電器、現・パナソニックホールディングス)・日本ビクター(現・JVCケンウッド)から発売されたU規格は、発売当時のカラーテレビの普及率が低く、商品価格が30万円から50万円と高価格だったため商業的に失敗した。そのため、ソニーはベータマックス方式、日本ビクターはVHS方式、松下電器はオートビジョン方式、松下寿電子(現・PHC)はVX方式を独自に開発していたが、これらとは別に東芝と三洋電機は共同で「Vコード方式」を開発していた。
Vコード方式は、三洋電機の開発した白黒ポータブル型VTRをベースに東芝の技術でカラー化したもので、1974年6月に共同開発を発表、同年9月17日に製品が発売された。標準モード(STDモード)の録画再生時間は30分だったが、映像信号を間引きして記録する「フィールドスキップ方式」を採用した長時間モード(LPモード)では1時間の録画再生が可能だった。
その後、1976年6月には標準モードで1時間、長時間モードで2時間記録が可能なVコードII方式を発表したが、Vコード方式よりも優れたベータマックスやVHSの発売に伴い、東芝・三洋電機はベータ陣営に参画した。その後もしばらくVコード方式VTRが併売されたが、ベータ陣営への本格参入に伴い、1979年辺りで販売を終了した。
Vコード方式概要
[編集]- 記録方式:ヘリカルスキャン方式
- 回転2ヘッド・フルフィールド記録/再生(Vコード:標準)
- 回転1ヘッド・スキップフィールド記録/2ヘッド・繰返しフィールド再生(Vコード:長時間)
- 回転3ヘッド(VコードII)
- ヘッドドラム径:81.3mm
- カセットテープサイズ: 156×108×25mm(幅×奥行き×高さ)
- テープ幅:12.65mm(1/2インチ)
- テープ送り速度:134.0 mm/s(Vコード:標準)、73.87 mm/s(VコードII:標準)
- テープヘッド相対速度:7.791m/s(Vコード:標準)、7.73 m/s(VコードII:標準)
- 映像SN比:標準45db、長時間44db
- 音声SN比:48db以上
- 録画時間:30分/1時間(Vコード:標準/長時間)、1時間/2時間(VコードII:標準/長時間)
テープ形状
[編集]磁気テープは幅12.65mm、いわゆる1/2インチで、カセットの形状は8トラックに近い縦長サイズである。なお、8トラックと異なり、カセットの左側面から磁気テープを引き出してローディングする。
参考資料
[編集]- 「VTR産業技術史の考察と現存資料の状況」『国立科学博物館 技術の系統化調査報告』第1集、国立科学博物館 産業技術史資料情報センター、2001年3月28日
- Model VTC-8400 Video Cassette Recorder 、SANYO ELECTRIC INC.
- 『ホームビデオ』(ホビーエレクトロニクスシリーズ) 原正和著 日本放送出版協会 1978年9月 2355-075001-6023