コンテンツにスキップ

Vコード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Vコード
V-cord
メディアの種類 磁気テープ
記録容量 V-60(STD:30分、LP:60分)
V-120(STD:60分、LP:120分)
フォーマット アナログ
読み込み速度 134.0 mm/s(Vコード)
73.87 mm/s(VコードII)
読み取り方法 ヘリカルスキャン方式
策定 東京芝浦電気三洋電機
主な用途 映像等
大きさ 156×108×25 mm
(テープ幅:12.65 mm(1/2インチ
上位規格 VコードII
関連規格 VHSベータマックス(競合規格)
テンプレートを表示

Vコード(Vcord、ブイコード)は、1974年に東京芝浦電気(以下、および、現・東芝)と三洋電機が共同開発した家庭向けVTR(ビデオテープレコーダ)規格である。1976年には長時間記録に対応したVコードII規格も発表された。

概要

[編集]

家庭用VTRとして1970年3月に発表され、1971年10月にソニー(現・ソニーグループ)・松下電器産業(以下松下電器、現・パナソニックホールディングス)・日本ビクター(現・JVCケンウッド)から発売されたU規格は、発売当時のカラーテレビの普及率が低く、商品価格が30万円から50万円と高価格だったため商業的に失敗した。そのため、ソニーはベータマックス方式、日本ビクターはVHS方式、松下電器はオートビジョン方式、松下寿電子(現・PHC)はVX方式を独自に開発していたが、これらとは別に東芝と三洋電機は共同で「Vコード方式」を開発していた。

Vコード方式は、三洋電機の開発した白黒ポータブル型VTRをベースに東芝の技術でカラー化したもので、1974年6月に共同開発を発表、同年9月17日に製品が発売された。標準モード(STDモード)の録画再生時間は30分だったが、映像信号を間引きして記録する「フィールドスキップ方式」を採用した長時間モード(LPモード)では1時間の録画再生が可能だった。

その後、1976年6月には標準モードで1時間、長時間モードで2時間記録が可能なVコードII方式を発表したが、Vコード方式よりも優れたベータマックスやVHSの発売に伴い、東芝・三洋電機はベータ陣営に参画した。その後もしばらくVコード方式VTRが併売されたが、ベータ陣営への本格参入に伴い、1979年辺りで販売を終了した。

Vコード方式概要

[編集]
  • 記録方式:ヘリカルスキャン方式
    • 回転2ヘッド・フルフィールド記録/再生(Vコード:標準)
    • 回転1ヘッド・スキップフィールド記録/2ヘッド・繰返しフィールド再生(Vコード:長時間)
    • 回転3ヘッド(VコードII)
  • ヘッドドラム径:81.3mm
  • カセットテープサイズ: 156×108×25mm(幅×奥行き×高さ)
  • テープ幅:12.65mm(1/2インチ
  • テープ送り速度:134.0 mm/s(Vコード:標準)、73.87 mm/s(VコードII:標準)
  • テープヘッド相対速度:7.791m/s(Vコード:標準)、7.73 m/s(VコードII:標準)
  • 映像SN比:標準45db、長時間44db
  • 音声SN比:48db以上
  • 録画時間:30分/1時間(Vコード:標準/長時間)、1時間/2時間(VコードII:標準/長時間)

テープ形状

[編集]

磁気テープは幅12.65mm、いわゆる1/2インチで、カセットの形状は8トラックに近い縦長サイズである。なお、8トラックと異なり、カセットの左側面から磁気テープを引き出してローディングする。

参考資料

[編集]
  • 『ホームビデオ』(ホビーエレクトロニクスシリーズ) 原正和著 日本放送出版協会 1978年9月 2355-075001-6023

脚注

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]