TRS-4D
表示
種別 | 3次元レーダー |
---|---|
開発・運用史 | |
開発国 | ドイツ |
就役年 | 2019年 |
送信機 | |
形式 | 窒化ガリウム(GaN)半導体素子 |
周波数 | Cバンド |
アンテナ | |
形式 | アクティブ・フェーズドアレイ(AESA) |
方位角 | 全周360度 |
仰俯角 | -2° - +70° |
探知性能 | |
探知距離 | 最大250 km |
TRS-4Dは、ドイツのヘンゾルト社[注 1]の艦載用3次元レーダー。アメリカ海軍ではAN/SPS-80として制式化している[1]。
設計
[編集]本機の動作周波数はCバンドで、窒化ガリウム(GaN)半導体素子を用いたアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(AESAアンテナ)を用いている[1]。
アンテナの実装方式としては、4面を固定式に設置する方式(Fixed Panel)と、1面を回転式に設置する方式(Rotator)とがある[1]。どちらも、最大探知距離は250 km、また小型水上目標に対する追尾距離は14 kmで変わらないが、戦闘機大の空中目標に対する追尾距離は、固定式では110 kmなのに対して回転式では100 kmとされている[2][3]。また追尾可能目標数も、固定式では1,500個なのに対して回転式では1,000個とされている[2][3]。外洋ばかりでなく、目標が輻輳する沿海域でも威力を発揮し、無人航空機やミサイル、潜望鏡のような小型目標にも対処可能である[1]。2013年末には北海やバルト海で数週間にわたる試験が実施され、高性能を発揮したと伝えられる[1]。
採用国と搭載艦
[編集]- フリーダム級沿海域戦闘艦 - 初期建造艦のTRS-3Dにかえて、9番艦以降で回転式を搭載。
- アルミランテ・コクレーン級フリゲート(旧英23型) - 改修により回転式を後日装備。
- 125型フリゲート(バーデン・ヴュルテンベルク級) - 固定式
- 126型フリゲート(ニーダーザクセン級) - 固定式
- 130型コルベット(ブラウンシュヴァイク級) - 6番艦以降で回転式を搭載。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 当初はEADSディフェンス・アンド・セキュリティ、2010年にカシディアン、2014年にエアバス・ディフェンス・アンド・スペースと変遷したのち、2017年に投資会社であるコールバーグ・クラビス・ロバーツに売却されて、ドイツ連邦政府やレオナルド S.p.Aなども出資したヘンゾルト社となった。
出典
[編集]参考文献
[編集]- 多田智彦「現代の艦載兵器(第23回)レーダー(その3)」『世界の艦船』第959号、海人社、148-155頁、2021年11月。 NAID 40022709075。
関連項目
[編集]- FCS-3A - 日本製の多機能レーダー。本機と同様、GaN素子によるAESAアンテナを用いたCバンドのレーダーである。