TRS-3D
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ヘメンメア級機雷敷設艦搭載のTRS-3D 16-ES | |
種別 | 3次元レーダー |
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開発・運用史 | |
開発国 | ドイツ |
就役年 | 1999年 |
送信機 | |
周波数 | Cバンド |
アンテナ | |
形式 |
パッシヴ・フェイズド・アレイ(PESA)式 幅2.5m×高さ0.4m |
走査速度 | 10rpm |
探知性能 | |
探知距離 |
180 km (97 nmi) (最大) 110 km (59 nmi)(戦闘機に対して) |
探知高度 | 110 km (360,000 ft) |
その他諸元 | |
重量 |
862kg システム全体:1,990kg |
TRS-3Dは、ドイツのEADS社(現在のエアバス・グループ)が開発した3次元レーダー。従来の3次元レーダーと比して小型軽量であり、その特徴から、各国で採用されている。アメリカ軍ではAN/SPS-75として制式化されている[1]。
概要
[編集]TRS-3Dは、Cバンドを使用するパッシブ・フェーズド・アレイ(PESA)レーダーであり、対空捜索のほか、その高精度により、射撃指揮にも使用することができる。アンテナの安定化を機械的に行なうTRS-3D/16-MS、電子的に安定化するようにして軽量化したTRS-3D/16-ES、逆にアンテナを大型化して探知距離を増大させたTRS-3D/32の3種が運用されており、また、イギリス海軍の新中距離レーダー(MRR)計画向けとして中間的なTRS-3D/24も開発された[2][3]。
TRS-3D/16は、その名のとおり16列の放射素子を有しており、各列には46の素子が配置されている。IFFを含めてのアンテナの大きさは、TRS-3D/16-MSが幅2.5m×高さ2.92m(アンテナ単体では0.4m)、重量862kg。TRS-3D/16-ESが幅2.5m×高さ2.48m、重量575kgである。ES型ではシステム全体も軽量化されており、MS型で2,179kgであったシステム全体重量は1,990kgとなっている。なお、より大型のTRS-3D/32は32列の放射素子を有し、アンテナ重量は1,350kgである[4]。
TRS-3D/16は、下記の4つの捜索モードを有する[4]。
- 自衛防空モード - 毎分30回転となり、頻繁なデータ更新を行なう。シースキマーに対し、10度の仰角で42kmの位置での探知が可能である。
- 自衛防空/クラッター・モード - 回転数は毎分17回に落ちる。
- 捜索モード - 毎分10回転となり、探知距離は92 km (50 nmi)、17 km (56,000 ft)までの高度をカバーできる。
- 長距離モード - 探知距離180 km (97 nmi)、探知高度110 km (360,000 ft)である。戦闘機大の目標に対しては110 km (59 nmi)の探知距離を発揮できる。
なお、自動目標検出・追尾処理(Automatic target Detection and Tracking: ADT)能力により300個の空中・海上目標を管理できる[4]。
搭載艦船
[編集]- ノールカップ級哨戒艦
- 砕氷哨戒艦「スヴァールバル」
参考文献
[編集]- ^ エアバス・グループ. “TRS-3D (AN/SPS-75) MULTI-MODE NAVAL RADAR” (英語). 2014年6月22日閲覧。
- ^ 多田智彦「世界の最新艦載レーダー (特集 最近の艦載レーダー)」『世界の艦船』第607号、海人社、2003年2月、84-89頁、NAID 40005630582。
- ^ EADS N.V. (10 April 2008). “TRS-3D Multi-Mode Suveillance and Target Acquisition Radar” (PDF) (英語). 2009年2月25日閲覧。
- ^ a b c Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. p. 294. ISBN 9781557502681