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Portal:気象と気候/特集

宇宙から見た熱帯低気圧の眺め
国際宇宙ステーションから見たハリケーン・フローレンス(2018年):と目の壁雲、および周囲の降雨帯英語版は熱帯低気圧の特徴である。

熱帯低気圧(ねったいていきあつ)とは、温度が比較的一様な熱帯地方や亜熱帯地方の海洋上に発生・発達する低気圧である。熱帯性低気圧ともいう。温帯地方における温帯低気圧(熱帯外低気圧、中緯度低気圧)と対比される。

日本語の「熱帯低気圧」には、次の2つの意味合いがある。

  1. 熱帯性低気圧に特徴的な構造を持つ低気圧の総称としての(広義の)「熱帯低気圧」(: tropical cyclone, 略号: TC):それぞれ発生海域によって呼称の異なる発達した熱帯低気圧(台風/タイフーンハリケーンサイクロン)を総称したり、それらの呼称や階級区分の基準となる勢力の強さにかかわらず包括的に言及したりする際に用いられる名称。2. との区別を明確にするため、明示的にトロピカル・サイクロンと表現する場合もある。中国語では、熱帯気旋という。
  2. 日本の気象庁気象情報等で用いる予報用語としての(狭義の)「熱帯低気圧」(: tropical depression, 略号: TD):上記 1. のうち、勢力の強さが日本国内の台風の基準に満たない、低気圧域内の最大風速が17 m/s(34ノット風力8)未満の熱帯低気圧を指す名称。2000年6月1日以前の旧予報用語では「弱い熱帯低気圧」といった。天気図上では熱低と略記する。国際的には、トロピカル・デプレッションという。

熱帯低気圧は、低気圧中心、閉じた下層部の大気循環、強風、および大雨やスコールをもたらす渦巻き状の雷雨を伴う、急速に回転する激しい暴風雨系である。発達したものは、その発生域と強さに応じて、北西太平洋では台風/タイフーン、大西洋および北東太平洋ではハリケーンインド洋および南太平洋ではサイクロンと、それぞれ異なる呼称でよばれるが、これらは発生域が異なるだけで、本質的には同じ気象現象である。世界中で平均して年間80個から85個ほど、名前の付いた熱帯低気圧が発生しており、そのうちの過半数はハリケーン級の風力(32.7 m/s、64ノット、風力12)にまで発達する。発達した熱帯低気圧が最も多く存在するのは9月の北西太平洋域で、常に1つ以上の熱帯低気圧が存在している。

典型的には比較的水温が高く広い域で発生し、海水面から蒸発したを通してエネルギーを得て、最終的に再び凝結してとなり、湿った空気が上昇して冷却され、飽和状態になるとを降らせる。このエネルギー源は、北米のノーイースターや欧州のウィンドストーム英語版のような、中緯度の温帯低気圧のそれ(水平方向の温度差を主なエネルギー源とするの)とは異なる。典型的な熱帯低気圧は直径が100 kmから2000 kmにもなる。……もっと読む

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