Apache Mynewt
開発者 | Apacheソフトウェア財団、コミュニティー |
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プログラミング言語 |
C (Mynewt OS) Go (Newt Tool) |
開発状況 | 安定版 |
ソースモデル | オープンソース |
最新安定版 | 1.5.0 / 2018年11月5日 |
プラットフォーム | Cortex-M0、Cortex-M3、Cortex-M4、Cortex-M7、MIPS32、Microchip PIC32、RISC-V |
ライセンス | Apache 2.0 |
ウェブサイト |
mynewt |
Apache MyNewtは、消費電力とメモリー、ストレージの制限された環境で長期間使用されるネットワークに接続されたモノのインターネット(IoT)デバイス用のモジュール化されたリアルタイムオペレーティングシステムである。 [1] Apache MyNewtは、FLOSSのApacheソフトウェア財団のインキュベータープロジェクトであり、[2]ソースコードはオープンソースソフトウェアの商用利用を許容するApache License 2.0で配布されている。[3]
概要
[編集]Apache MyNewtは、豊富なライブラリーを持ち、32ビットマイクロコントローラーベースのIoTデバイスのプロトタイピングやデプロイ、管理を容易にするリアルタイムオペレーティングシステムである。 [4] Apache MyNewtは高度に組み合わせ可能であり、組み込みシステムアプリケーション(例えば、鍵や医療機器、工業用IoTなど)を複数のタイプのマイクロコントローラーで利用できるように構成することが可能である。 MyNewtという名称は、カーネルのサイズが6KBしかないということと、非常に小さいことを意味する英語の単語であるminuteの言葉遊びである。
Apache MyNewtは、Bluetooth Low Energy 4.2スタックを完全に実装し、それにより接続できるように設計されている。 Nordic nRF51822 SoCでBLEの追加機能(プライバシー関係を除いた全てのBluetooth 4.2に準拠したセキュリティー機能)とデフォルトのファイルシステム、コンソール、シェル、ログ、統計などを利用した場合のイメージサイズは約96KBである。 [5] このサイズにはブートローダーを含まない。
中核機能
[編集]中核となる機能として以下をサポートする。
- プリエンプティブなマルチスレッディング
- チックレスな優先度ベースのスケジューリング
- プログラマブルタイマー
- システムタイマー
- セマフォ
- ミューテックス
- イベントキュー
- メモリー管理(割り当て): 動的(ヒープ)とプール
- 多段階のソフトウェアウォッチドッグタイマー
- ネットワークプロトコルスタックの再起動をさせる際にパケットデータを保持するメモリーまたはデータバッファー
その他の機能やユーティリティーは以下の通りである。
- ハードウェア抽象化レイヤー: CPUタイムやアナログデジタル変換器(ADC)、デジタルアナログ変換器(DAC)、GPIO、I2C、パルス幅変調(PWM)、シリアルポート、SPI、UARTをサポートする。
- Newtonフラッシュファイルシステム(ntfs): RAMの使用量が少なく、信頼性が高い。
- ファイルシステム抽象化レイヤー: 他のファイルシステムの利用を可能にする。
- コンソールアクセスとシェルパッケージ
- セキュアなブートローダーとイメージオーガナイザー(マネージャー): SHA-256と必要であればデジタル署名により、イメージの実行前に検証が可能。
- 退行テストをビルドするためのテストユーティリティー
- 全ての主要なパッケージで統計データとログの取得が可能
- JSONエンコーダーとデコーダーライブラリー
- Luaインタープリター
Bluetooth Low Energy
[編集]Apache MyNewtで最初に利用可能になったネットワークスタックはBluetooth Low Energy[6]であり、NimBLEと呼ばれた。 NimBLEはBluetooth Core Specification 4.2に準拠している。[7]
NimBLEは、ホストとコントローラーの両方を含んでいる。 コントローラーのソースコードにアクセスすることで、BLEのパフォーマンスは高度に調整可能である。 例えば、接続時間間隔やデータパケットサイズ、パケットキューサイズなどを調整することで、BLEのスループットを調整できる。 同時接続数が多数である場合も同様に調整可能である、十分な量のRAMの割り当てが必要である。 利用可能なサービスの使い方を示す例としてパッケージにアプリケーションが含まれている。
サポートするボード
[編集]Apache MyNewtは、複数の組み込みシステム(デバイス)とマイクロコントローラーで使えるようにクロスプラットフォームに設計されている。 2017年3月現在、以下のボードサポートパッケージが含まれている。
- nRF52832 ノルディック・セミコンダクター製Bluetooth SoC
- nRF51822/nRF51422 ノルディック・セミコンダクター製Bluetooth SoC
- STM32F3DISCOVERY ST社製STM32F3xxシリーズCortex-M4を搭載している
- STM32-E407 STM32F407ZGT6用ST社製Cortex M4
- Arduino ZeroとZero Pro
- Arduino M0 Pro ATSAMD21G18 Cortex M0を搭載している
- Arduino 101, Bluetoothコントローラーのみ
- Arduino Primo, Bluetoothコントローラーとホスト
パッケージ管理
[編集]コマンドラインインターフェイスベースの便利なソースパッケージ管理ツールであるNewtが存在する。 Newtにより、利用するパッケージを選択したり、コンパイラーオプションを設定したり、イメージを生成したり、デジタル署名をしたり、異なるターゲットにファームウェアを書き込んでデバッグしたりすることができる。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]脚注
[編集]- ^ “Arduino and Runtime Collaborate to Introduce Apache Mynewt (incubating) to Arduino Ecosystem”. globenewswire.com. 2016年5月24日閲覧。
- ^ “Mynewt Incubation Status – Apache Incubator”. incubator.apache.org. 2016年5月24日閲覧。
- ^ “Apache Mynewt RTOS Addresses IoT Power, Memory, Storage Constraints”. www.infoq.com. 2016年6月28日閲覧。
- ^ “Open RTOS Targets Net of Things”. www.eetimes.com. 2016年5月24日閲覧。
- ^ nRF51822
- ^ “Apache Mynewt finds a home on Arduino Srl's latest SBCs”. www.linuxtoday.com. 2016年5月24日閲覧。
- ^ Bluetooth Core Specification 4.2