79式対空レーダ装置 JTPS-P9
種別 | 2次元レーダー |
---|---|
目的 | 捜索 |
開発・運用史 | |
開発国 | 日本 |
就役年 | 1979年 |
別名 | P-9 |
送信機 | |
形式 | 進行波管(TWT) |
周波数 | Lバンド |
パルス幅 | 6.7マイクロ秒 |
パルス繰返数 | 3,125 / 2,500 pps |
送信尖頭電力 | 5 kW |
アンテナ | |
形式 | パラボラアンテナ |
アンテナ利得 | 23 dB |
ビーム幅 | 水平6.5°×垂直30° |
走査速度 | 30 rpm |
方位角 | 旋回:全周無制限 |
探知性能 | |
探知距離 | 30 nmi (56 km) (RCS 1m²) |
探知高度 | 3,000 m (9,800 ft)以下 |
その他諸元 | |
重量 | 1,700 kg |
電源 |
220V, 60Hz, 10kVA (消費電力8.5 kVA) |
79式対空レーダ装置 JTPS-P9(ななきゅうしきたいくうレーダそうち ジェイティーピーエスピーきゅう)は、三菱電機製の2次元レーダー。対空警戒用のレーダー装置として、主として陸上自衛隊の高射特科部隊に配備される。
特徴
[編集]主たる構成品は下記の通りである[1]。
- 空中線部 JAS-P8
- 送受信機部 JRT-P10
- 信号処理部 JSP-P4
- データ処理部 JDP-P1
- 電源部 JPU-P1
- 指示器 JIP-P11
- 制御器 JC-P11
- 伝送部 JT-P3
- 味方識別器 JTPX-P5
- 電源車 JK-2(220V, 60Hz, 10kVA)
空中線部は油圧機構により昇降でき、伸長時には地上高7,185mmとなる。また指示器にはPPIスコープが採用されており、目標位置を直交座標系で数字表示できる。なお、このブラウン管と進行波管を除く構成部品はすべて半導体化されている。これら、空中線部を含む主要電子機器はシェルタJS-P5に収容・固定されている。このシェルタは幅2,050mm×奥行き2,950mm×高さ2,850mmであり、機器を収容しての最大質量は1,650 kgである(電源車2,500kg、電源ケーブル55kgを除く)。73式中型トラックに搭載(電源車は牽引)して移動できるほか、大型ヘリコプターによる空輸も可能である[1]。
主として師団・旅団隷下の高射特科大隊・中隊に配備されており[1]、大隊本部には79式情報受信機1号JTRR-S1が、射撃単位部隊には79式情報受信機2号JTRR-S2がそれぞれ配置されて、本機からの目標情報などの受信に使用された[2][3]。現在では、新型の低空レーダ装置 JTPS-P18への更新が進められているが、こちらはXバンドを使用することでシステム全体を小型化しており、高機動車1台で完結する機動性に優れたシステムとなっている。なお、これらのレーダーは低高度から中高度に対するセンサーであり、高高度・遠距離目標の探知には不向きであるため、当初は71式対空レーダ装置 JTPS-P5、後には対空レーダ装置 JTPS-P14のように、より大型で強力なレーダーと組み合わされて配備されている。
-
走行状態
-
アンテナを伸長させた状態
-
アンテナを伸長させ、シェルタの扉を開いた状態
-
JK-2電源車を牽引した状態
参考文献
[編集]- ^ a b c 防衛庁 (1979年12月19日). “制式要綱 79式対空レーダ装置 JTPS-P9 XF 2008”. 2003年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月29日閲覧。
- ^ 防衛庁 (1979年12月19日). “制式要綱 79式情報受信機1号 JTRR-S1 G 3001”. 2003年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月29日閲覧。
- ^ 防衛庁 (1979年12月19日). “制式要綱 79式情報受信機2号 JTRR-S2 G 3002”. 2003年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月29日閲覧。
- 朝雲新聞社編集局『自衛隊装備年鑑』朝雲新聞社、1996年。ISBN 978-4750910178。
関連項目
[編集]- 陸上自衛隊の装備品一覧#通信器材・電子機材
- 低空レーダ装置 JTPS-P18 - 後継機。
- AN/MPQ-49 - アメリカ陸軍の同級機。