鬼怒川第一ホテル
鬼怒川第一ホテル | |
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外観(2022年6月) | |
ホテル概要 | |
正式名称 | 日光国立公園 鬼怒川温泉 国際観光旅館 鬼怒川第一ホテル |
施工 | 1980年5月(現存している中間の建物) |
運営 | 第一商事[1] |
階数 | 地下5階 - 地上4階 |
部屋数 | 70室 |
駐車場 | 50台 |
開業 | 1956年(鬼怒川第一ホテルとしては1980年) |
改装 | 1990年に新館を増築 |
閉業 | 2008年11月30日[2] |
最寄駅 | 鬼怒川公園駅 |
最寄IC | 土沢インターチェンジ |
所在地 |
〒321-2521 栃木県日光市藤原2 |
位置 | 北緯36度50分9.85秒 東経139度43分16.38秒 / 北緯36.8360694度 東経139.7212167度座標: 北緯36度50分9.85秒 東経139度43分16.38秒 / 北緯36.8360694度 東経139.7212167度 |
公式サイト | 公式サイト |
補足 | 公式サイトは2008年10月1日のアーカイブ |
鬼怒川第一ホテル(きぬがわだいいちほてる)は、栃木県日光市藤原に存在したホテル。1956年(昭和31年)にあさやホテルの支店として開業した後、1980年に「鬼怒川第一ホテル」と改名。2008年(平成20年)11月30日をもって閉館した[2]。2022年現在建物は廃墟となっている。専用駐車場は鬼怒川温泉駅方向に約800m南下した線路の反対側にあった。駐車場は現在、鬼怒川プラザホテルの第3駐車場となっている。
歴史
[編集]あさやホテルの支店として1956年に開業した。当時は、「鬼怒の八湯」と呼ばれる八つの温泉が人気であった。また、食事にはグリーンヒルホテル神戸のビーフシチューの提供等も行っていた[3][注 1]。
2006年11月には、鬼怒川第一ホテルと奥日光高原ホテルで、ノロウイルスが原因と見られる集団食中毒が発生し、栃木県生活衛生課は、11月21日に両ホテルに営業禁止を命じた。11月13~16日に宿泊した群馬県内の団体30人のうち、18人が嘔吐や下痢の症状を訴えた。栃木県西健康福祉センターが調べたところ、13~17日の全宿泊客613人のうち63人が発症していた[4]。
あさやホテル自体が2004年に産業再生機構を受けなければならないほど経営が厳しく、2008年12月1日に鬼怒川グリーンパレスは伊東園ホテルズに運営譲渡[注 2]、鬼怒川第一ホテルは2008年11月30日をもって閉館[2]。パートを含む従業員約30人は全員解雇となった[6]。第一ホテルの閉館時の社長は八木澤文仁であった[2]。2009年1月26日に運営していた第一商事株式会社は宇都宮地裁へ自己破産を申請。負債額は約3億9000万円であった[7]。第一商事社は2018年11月30日付で清算されている[8]。
鬼怒の八湯・清流風呂
[編集]使用していた源泉は「湯の滝源泉」であった。星のや旅館(2010年頃から閉館)の「宝の湯」源泉と湧出地の住所が同一で酷似していた。鬼怒の八湯と清流風呂は、朝と夜で男女入替え制になっていた[9]。鬼怒の八湯は昼間は女性専用で、男性は清流風呂であった。
【鬼怒の八湯】
- 温泉大浴場
- オリーブの湯
- 季節のかわり湯
- 打たせ湯
- ラジュームの湯
- 歩行湯
- サウナ
- 鉄鉱泉
廃業後
[編集]ホテル廃業後、2012年1月に放送されたテレビアニメ『未来日記』第13話で、廃墟となった当ホテルの外観が忠実に描写された[10]。2019年5月には、隣接するきぬ川館本店と合わせて、「巨大廃墟群」として「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系列)と「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系列)で相次いで取り上げられた[11]。2019年時点では既に閉館から10年以上が経過していたが入口には「歓迎」の看板が掲げられた状態のままであった[12]。閉館した近隣の2つのホテル(鬼怒川観光ホテル東館、きぬ川館本店)とともに、地域では大きな問題となっていたが、日光市によれば解体には最低でも1棟2億円以上かかり、施設の下に位置する源泉や国道への影響も考えられるため慎重に調査が必要という状況であった[12]。
2021年度より、日光市と宇都宮大学地域デザイン科学部建築都市デザイン学科が連携して、建物の解体等に関する共同研究を開始することとなった[13]。しかしながら、複雑な権利関係や所有者の所在不明などから解体は困難な状況であるため、施設への不法侵入防止策を主眼に検討することとなり[14]、2021年12月24日には日光市などにより、一帯の廃ホテル3軒に対して初めて立ち入り調査が実施され、危険箇所の確認がおこなわれた[15]。内部は落書きや備品の破壊などの不法侵入跡やカビの大量発生、剥がれた壁などからアスベストが飛散し危険な状態だという。
2022年3月には、調査対象となっていた3棟のホテルに対し、不法侵入を防止するための開口部の封鎖等の応急対策が行われた[16]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 「西伊豆にリゾートホテル オカベ・エンタープライジズ 建設コスト低下 着工に踏み切る 来年12月開業」日本経済新聞1994年3月18日付朝刊、地方経済面 北関東 4ページ
- ^ a b c d “鬼怒川第一ホテル 閉館のご案内”. 鬼怒川第一ホテル. 2008年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月7日閲覧。
- ^ “お料理”. 2006年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月23日閲覧。
- ^ 読売新聞2006年11月22日付朝刊
- ^ “伊東園ホテル鬼怒川グリーンパレスからのお知らせ”. 伊藤園ホテル. 2016年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月19日閲覧。
- ^ "鬼怒川グリーンパレス 「伊東園」に運営譲渡 第一ホテル閉館"日本経済新聞2008年12月2日付朝刊、地方経済面 栃木 42ページ
- ^ “旅館業(栃木)/(有)あさやグリーンパレス 他1社” (2009年2月17日). 2021年10月8日閲覧。
- ^ 第一商事株式会社の情報|国税庁法人番号公表サイト
- ^ “お風呂”. 鬼怒川第一ホテル. 2008年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月7日閲覧。
- ^ “鬼怒川温泉のハンパない廃墟描写が作品に与えたリアリティ 「未来日記」舞台探訪”. さざなみ壊変 (2014年11月13日). 2021年11月9日閲覧。
- ^ “「鬼怒川第一ホテル」に関連する情報”. テレビ紹介情報. カカクコム. 2021年11月9日閲覧。
- ^ a b 国分瑠衣子. “鬼怒川温泉に10年以上残り続ける「廃墟ホテル」、解体は「1棟2億円超」で身動き取れず”. 税理士ドットコム. 2022年8月7日閲覧。
- ^ “放置された廃ホテル 解体の費用、影響を調査へ 日光市、宇大と研究”. 下野新聞. (2020年3月15日) 2022年8月7日閲覧。
- ^ “鬼怒川温泉の廃ホテル解体“困難” 日光市が不法侵入対策を検討へ”. 下野新聞. (2021年12月23日) 2022年8月7日閲覧。
- ^ “鬼怒川温泉の廃ホテル調査始まる 不法侵入の形跡など確認”. 下野新聞. (2021年12月25日) 2022年6月4日閲覧。
- ^ “侵入防止へ封鎖工事 日光・鬼怒川温泉の廃ホテル”. 下野新聞. (2022年3月24日) 2022年8月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- 【鬼怒川温泉】鬼怒川第一ホテル - ウェイバックマシン(2008年10月1日アーカイブ分)