鎖樋
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鎖樋(くさりとい、くさりどい[1]、英: rain chain)は、日本家屋の軒先につるして利用する鎖状の雨樋[2]。
日本で広く使用されているが、主に装飾を目的とし、雨水が下向きに排水溝または貯蔵容器に運ばれることで水景物を作るために設けられる(雨水は家庭用に収集されることもある)。また、寺院でもよく見かける[3]。
屋根に降った雨水は、樋に伝わせて下方へ落とし排出するが、樋の流れ先にかめを用意してあったり、設けられた水がめに龍が彫られていたり、 雨水を落とすために考えられた形状でありながら、デザイン性に優れたものも多い[4]。また、その流れは流体力学の研究にも活用されている[5][6]。
鎖樋は通常、それぞれ底に穴が開いた金属カップを鎖状に連ねた形か、または垂直に鎖をつなげ下げる形のいずれかをとる[3]。
鎖樋は西洋でも使用されている。北欧特有の建築では、同様の方法で単純な棒を雨水ガイドとして使用することがよくある。また、コンクリートやポートランド石で造られたファサードに金属の鎖を並べたように、モダニズム建築の時代にも使用されてきた。
2015年5月に竣工した「コープ共済プラザビル」は、鎖樋を利用した壁面緑化が評価され、第15回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクールで「壁面・特殊緑化部門」国土交通大臣賞を受賞している[7]。
ギャラリー
[編集]-
ホノルルの庭園の鎖樋
脚注
[編集]- ^ Breen: “鎖樋”. WWWJDIC. 2017年7月15日閲覧。
- ^ なくてはならない雨とい 雨といは建築の顔の印象を決める (PDF)
- ^ a b Dunnett, Nigel; Clayden, Andy (2007). Rain Gardens. Portland, Or.: Timber Press. pp. 85–87. ISBN 9780881928266. OCLC 269310925
- ^ 雨の流れを楽しく魅せる:雨樋アート (PDF)
- ^ 気液混相流れと移動する物体の数値シミュレーション (PDF)
- ^ 学位論文概要:環境情報からのメッセージ (PDF)
- ^ コープ共済プラザビル壁面緑化が第15回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクールで「壁面・特殊緑化部門」国土交通大臣賞を受賞しました - 日本生活協同組合連合会
参考文献
[編集]- Pleasant, Barbara (2006). “Make a Rain Chain”. Easy Garden Projects to Make, Build, and Grow: 200 Do-It-Yourself Ideas to Help You Grow Your Best Garden Ever. Emmaus, Pa.: Rodale. pp. 147. ISBN 9780899093994. OCLC 62782168