コンテンツにスキップ

過マンガン酸ナトリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
過マンガン酸ナトリウム
{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 79048-36-5
10101-50-5(三水和物)
特性
化学式 NaMnO4
モル質量 141.9254 g mol−1
外観 濃赤紫色結晶
密度 1.39 g cm−3(三水和物)
融点

170℃(分解、三水和物)

への溶解度 61.6 g / 100g水溶液 (25℃)
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −1079.14 kJ mol−1(一水和物)[1]
危険性
Rフレーズ R8, R34
Sフレーズ S17, S26, S36/37/39, S45
引火点 不燃性
関連する物質
関連物質 過マンガン酸カリウム マンガン酸ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

過マンガン酸ナトリウム(かマンガンさんナトリウム)は、ナトリウム過マンガン酸塩で、強い酸化力を有する物質である。

生成

[編集]

二酸化マンガン水酸化ナトリウムを酸化剤である硝酸ナトリウムと共に融解して粗製マンガン酸ナトリウムを得る。

このマンガン酸ナトリウムは中性および酸性水溶液中では不均化して過マンガン酸ナトリウムに変化し二酸化マンガンを沈殿する。

またはマンガン酸ナトリウム水溶液を塩素で酸化しても過マンガン酸ナトリウムが得られる[2]

過マンガン酸銀および塩化ナトリウム水溶液の複分解でも水溶液が得られる。

性質

[編集]

黒紫色(光の当り方によっては黒緑色)の結晶であり、水に易溶で潮解性をもつ。

水溶液からは33.7℃以下では三水和物 、それ以上では一水和物 を析出し[3]、水和物を脱水して無水物をつくることは困難であり、加熱によって170℃で酸素を発生して分解する[2]

その他化学的性質は、水に対する溶解度が大きいことを除いては過マンガン酸カリウムとほぼ同じである。

参考文献

[編集]
  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ a b 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  3. ^ 日本化学会編 『化学便覧 基礎編 改訂4版』 丸善、1993年

外部リンク

[編集]