茂原市重機オペレーター殺害事件
![]() | この項目では、加害者および被害者などの関係者の実名は記述しないでください。記述した場合、削除の方針ケースB-2により緊急削除の対象となります。出典に実名が含まれている場合は、その部分を伏字(○○)などに差し替えてください。 |
茂原市重機オペレーター殺害事件 | |
---|---|
場所 |
![]() |
標的 | 重機オペレーターの男性(当時48歳) |
日付 |
2000年(平成12年)3月11日[2] 午前1時30分頃[1] (UTC+9) |
概要 | Xが男性を鉄の棒で殴打した後、Yと共謀して男性を崖から蹴り落として殺害した[2]。 |
攻撃手段 | 崖から蹴り落とす[2] |
攻撃側人数 | 2人[2] |
武器 | 鉄の棒 |
死亡者 | 1人 |
犯人 |
X(逮捕当時38歳)[1] Y(逮捕当時30歳)[1] |
容疑 |
X:殺人・傷害 Y:殺人 |
動機 | 居酒屋でのトラブル[1] |
対処 | XとYを茂原警察署捜査本部が逮捕・千葉地方検察庁が起訴[1][2][3] |
刑事訴訟 |
X:懲役13年[4] Y:懲役10年[4] |
管轄 |
茂原市重機オペレーター殺害事件(もばらしじゅうきオペレーターさつがいじけん)とは2000年(平成12年)3月11日に発生した殺人事件。2005年に被疑者が逮捕されるまで失踪事件として扱われていた。
概要
[編集]2000年(平成12年)3月10日、千葉県茂原市の重機オペレーターの男性(当時48歳)が行方不明となる事件が発生[1][5]。
2004年(平成16年)10月11日、男性の娘が依頼して、テレビ朝日の番組『奇跡の扉 TVのチカラ』が情報提供を呼びかけた[6][3]。番組の情報提供呼びかけをきっかけに、事件当日に失踪男性の重機の不法投棄に関する証言と証拠、さらに失踪男性が男性2人に暴行を加えられていたという女性の証言が番組に寄せられた[3]。
重要証言が寄せられた番組は、目撃証言者が1人のために危害を加えられる危険性、被疑者の逃亡の可能性、遺棄した死体の移動などの証拠隠滅の可能性から番組での放送を自粛。番組は元東京地検検事の大澤孝征弁護士監修で調査報告書を作成し、11月に千葉地検と千葉県警捜査1課に情報提供をした[7]。その後、千葉県警は茂原警察署に特別捜査班を設置し、番組の出演者から事情聴取を行った[8]。
2005年(平成17年)3月16日、茂原警察署特別捜査班は失踪直前に男性に暴行を加えていた傷害容疑でX(当時38歳)とY(当時30歳)を逮捕した[9][10]。遺体は発見されなかったが、現場に残された遺留品や女性の証言等から殺害された可能性が濃厚として、4月6日に2人を殺人容疑で再逮捕した[11][12]。千葉県警はこの事件の立件をテレビによる情報提供が端緒になったことを認めた[3]。その後、番組で事件が解明された経緯を説明した。被疑者2人は自分たちが殺害した事件が取り上げられていた番組『奇跡の扉 TVのチカラ』を視聴しており、遺体を発見して移動しようとして現場で遺体を探していたが、遺体が見つからなかったことが判明している。
2005年(平成17年)4月27日、千葉地検はXを殺人罪と傷害罪、Yを殺人罪で起訴した[13]。男性の遺体は発見されていないが、Yが「仕返しが怖く、とどめをさそうと思った」などと殺意を認める供述をしたため、男性を崖から蹴り落として殺害したと見て殺人罪での起訴に踏み切った[13]。
刑事裁判
[編集]2005年(平成17年)6月30日、千葉地裁(山口雅高裁判長)で初公判が開かれ、罪状認否でXとYは男性に対する殺意と共謀を否認した[14]。
2006年(平成18年)3月14日、Yの論告求刑公判が開かれ、検察側は「仕返しを恐れての犯行は身勝手で自己中心的」として懲役11年を求刑した[15][16]。
2006年(平成18年)3月16日、Xの論告求刑公判が開かれ、検察側は「身勝手、自己中心的で酌量の余地はない」として懲役16年を求刑した[17][18]。
2006年(平成18年)3月30日、最終弁論が開かれ、Xの弁護側は「被害者をがけからけり落としたのはY。死体も見つかっておらず、殺人罪は成立しない」として殺人罪に関して無罪を主張した[19]。Yの弁護側も「Xが男性をがけから投げ落とした。共謀の事実はない」として改めて無罪を主張し、結審した[19]。
2006年(平成18年)5月23日、千葉地裁(山口雅高裁判長)で判決公判が開かれ「人命の尊さを顧みない無慈悲な犯行で、生存を信じて行方を捜し続けた遺族の悲嘆、怒りは著しい」としてXに懲役13年、Yに懲役10年の判決を言い渡した[20]。
判決では「2人で殺意を持ってけり落とした」とXとYの共謀を認定した[20]。その上で「けがの程度や現場の状況から、死亡させたことに疑いを差し挟む余地はない」と結論付けた[20]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g 「行方不明:「◯◯◯◯さん、山に捨てた」 男2人、傷害容疑で逮捕--千葉」『毎日新聞』2005年3月17日。オリジナルの2005年3月18日時点におけるアーカイブ。2025年1月17日閲覧。
- ^ a b c d e 「重機オペレーターの男性殺害した疑い 男2人逮捕 千葉」『朝日新聞』2005年4月6日。オリジナルの2005年4月8日時点におけるアーカイブ。2025年1月17日閲覧。
- ^ a b c d 『朝日新聞』2005年4月28日 朝刊 千葉・1地方 31頁「被害者支援に課題 行方不明段階の情報収集 茂原の殺人事件/千葉」(朝日新聞東京本社)
- ^ a b 『朝日新聞』2006年5月24日 朝刊 千葉・1地方 35頁「「遺体なき殺人」に実刑 茂原の男性不明6年 2被告に地裁判決 /千葉県」(朝日新聞東京本社)
- ^ 「殺人容疑で捜査本部設置 茂原・行方不明男性暴行の2人」『東京新聞』2005年4月2日。オリジナルの2005年4月16日時点におけるアーカイブ。2025年1月17日閲覧。
- ^ “SOS-074 千葉・部屋から忽然と消えた父”. テレビ朝日. 2004年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月19日閲覧。
- ^ “テレ朝「TVのチカラ」犯人逮捕ひと役”. Yahoo! Japan (2005年3月19日). 2005年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月19日閲覧。
- ^ 『読売新聞』2005年3月17日 千葉 東京朝刊 京葉32頁「「がけから落とした」茂原・傷害容疑で逮捕の2人供述 殺人の捜査難航=千葉」(読売新聞東京本社)
- ^ “TV番組で情報…不明男性への傷害容疑で男2人逮捕”. 読売新聞社 (2005年3月16日). 2005年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月19日閲覧。
- ^ 曽田拓、森禎行 (2005年3月17日). “茂原の男性不明:「所在確認を」祈る親族 傷害容疑で2人逮捕 /千葉”. Yahoo! Japan. 2005年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月19日閲覧。
- ^ “千葉の男性行方不明事件、2容疑者を再逮捕”. 読売新聞社 (2005年4月7日). 2005年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月19日閲覧。
- ^ “茂原の男性不明 暴行後がけ下に落とす 殺人容疑で2人再逮捕”. 千葉日報 (2005年4月7日). 2005年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月19日閲覧。
- ^ a b 「遺体なき殺人、供述もとに2容疑者を起訴…千葉地検」『読売新聞』2005年4月27日。オリジナルの2005年4月27日時点におけるアーカイブ。2025年1月17日閲覧。
- ^ 『朝日新聞』2005年7月1日 朝刊 千葉・1地方31頁「2被告とも殺意を否認 茂原の男性殺害 /千葉県」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2006年3月15日 千葉 東京朝刊 京葉35頁「市原の「けり落とし殺人」 懲役11年を求刑 千葉地裁公判=千葉」(読売新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2006年3月15日 朝刊 千葉・1地方 35頁「被告の1人に懲役11年求刑 茂原の男性殺害 /千葉県」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2006年3月17日 千葉 東京朝刊 京葉35頁「市原のけり落とし殺人 懲役16年を求刑=千葉」(読売新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2006年3月17日 朝刊 千葉・1地方 35頁「遺体なき殺人に懲役16年求刑 地検 /千葉県」(朝日新聞東京本社)
- ^ a b 『読売新聞』2006年3月31日 千葉 東京朝刊 京葉33頁「市原の転落殺人 2被告の弁護側、無罪主張=千葉」(読売新聞東京本社)
- ^ a b c 『読売新聞』2006年5月24日 千葉 東京朝刊 京葉31頁「けり落とし殺人 地裁、2人に懲役13-10年判決=千葉」(読売新聞東京本社)
外部リンク
[編集]- 『奇跡の扉 TVのチカラ』公式サイトの当事件のページ - (2007年11月5日時点のウェイバックマシンでのアーカイブ)