自衛隊海上輸送群(仮称)
自衛隊海上輸送群(仮称) | |
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創設 | 2024年度(予定) |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 自衛隊(共同の部隊) |
部隊編制単位 | 群(予定) |
人員 | 100人規模(予定)[1] |
所在地 | 広島県呉市(予定) |
編成地 |
呉[1](予定) 阪神基地[2](予定) |
上級単位 | 防衛大臣直轄 |
担当地域 | 全国(予定) |
特記事項 | 2024年(令和6年)度設置予定 |
指揮官 | 1等陸佐(予定) |
自衛隊海上輸送群(仮称)は、自衛隊が2024年度(令和6年度)に共同の部隊として新編予定の海上輸送部隊である[3]。
本部隊は、海上自衛隊呉基地に100人ほどの規模で発足し、2027年(令和9年)度には数百人規模に増員するとされる[1][2]。
概要・任務
[編集]中期防衛力整備計画(平成31年度~令和5年度)(31中期防)で新編が示された部隊である[4][5]。
日本において、有事の際の離島防衛や、占拠を許してしまった場合の奪還には、水陸機動団の迅速な展開が必要となる。しかし、海上自衛隊が現有する輸送艦は3隻[注釈 1]のみであり、防衛省幹部によると「部隊の輸送に加え補給物資などを運ぶことを考えると数が足りない」としていた。また、海上自衛官は自衛官全体からみて2割弱に過ぎず、人手不足が原因で特定秘密の不適切取り扱い問題も発生していた[2][6]。
そこで、防衛省は2025年(令和7年)3月、海上輸送に特化した部隊として本部隊を創設する。
既存の海自輸送艦や空自輸送機、民間船舶のPFIなどと組み合わせて統合運用することで、海上輸送力を強化。南西諸島の防衛力強化を進めるうえで、部隊や装備品を運ぶ能力が不足している現状の改善を図る[2][3][7][8]。
運用
[編集]広島県呉基地に司令部が置かれるほか、兵庫県神戸市にある阪神基地も拠点となる[2]。
また、本部隊は、統合運用の観点から共同の部隊として発足するが、部隊の構成や運用については、陸上自衛隊が主体となって行う[2][7]。
沿革
[編集]- 2018年(平成30年)12月に閣議決定された31中期防において、共同の部隊として海上輸送部隊1個群を新編する計画が示された[4]。
- 2024年(令和6年)2月、第213回国会に防衛省設置法等の一部を改正する法律案が提出され、同年5月に成立、公布された。この改正法には、海上輸送群の新編に伴う自衛官の権限、船舶法等の適用除外を図るための自衛隊法・海上輸送規制法・海賊対処法等の一部改正が含まれていた[9][10]。
部隊新編にはさらに自衛隊法施行令(昭和29年政令第179号)の改正が必要となる。
部隊編成・艦艇一覧
[編集]島嶼部への輸送機能を強化するため、2027年(令和9年)度までに中型級船舶(LSV)2隻、小型級船舶(LCU)4隻、機動舟艇4隻を取得する計画である[11][12]。
輸送艦艇
[編集]輸送艦(LSV)
[編集]艦名(型) | 画像 | 同型艦数 | 就役年 | 排水量 | 同型艦 | 注釈 |
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ようこう型 | 2(計画) | 2025年(予定) | 基準:3,500t 満載:不明 |
ようこう(LSV-4101) |
2024年度、2027年度にそれぞれ1隻を取得予定[12]。 数十台の車両を輸送でき、本州と奄美大島・沖縄本島などの間で輸送を行う[2]。 |
輸送艦(LCU)
[編集]艦名(型) | 画像 | 同型艦数 | 就役年 | 排水量 | 同型艦 | 注釈 |
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にほんばれ型 | 4(計画) | 2025年(予定) | 基準:2,400t 満載:不明 |
にほんばれ(LCU-4151)[13] |
2024年度に1隻、2025年度に2隻、2027年度に1隻を取得予定[12]。 十数台の車両を輸送可能であり、沖縄本島と宮古島・石垣島など離島への輸送を担う[2]。 |
機動舟艇
[編集]艦名(型) | 画像 | 同型艦数 | 就役年 | 排水量 | 同型艦 | 注釈 |
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機動舟艇 | 4(計画) | 2026年度(予定)[2] | 不明 | - | 2027年度までに4隻を取得予定[12]。 離着岸が困難な小島への輸送を担う[2]。 |
主要幹部
[編集]代 | 氏名 | 在職期間 | 出身校・期 | 前職 | 後職 |
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1 | 未発表 | - | - | - | - |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 毎日新聞 (2024年12月28日). “自衛隊が南西諸島への輸送力を強化 広島で新型艦の進水式 毎日新聞”. 毎日新聞. 2025年1月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 日経新聞 (2025年1月2日). “自衛隊、南西防衛強化で海上輸送の新部隊 3月発足 - 日本経済新聞”. 日経新聞. 2025年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月14日閲覧。
- ^ a b 防衛省 (2024年3月29日). “防衛力抜本的強化の進捗と予算-令和6年度予算の概要-(要約版)”. 防衛省. 2025年1月14日閲覧。
- ^ a b 防衛省 (2018年12月18日). “中期防衛力整備計画(平成 31 年度~平成 35 年度)について”. 防衛省. 2025年1月14日閲覧。
- ^ 防衛省 (2018年12月18日). “中期防衛力整備計画(令和元年度~令和5年度)の概要”. 防衛省. 2024年11月6日閲覧。
- ^ 日経新聞 (2024年7月12日). “防衛省・自衛隊不祥事、220人を処分 酒井良・海上幕僚長は辞任へ - 日本経済新聞”. 日経新聞. 2025年1月14日閲覧。
- ^ a b 防衛省 (2024年12月18日). “陸上自衛隊部内広報誌ARMY Vol.107”. 防衛省. pp. 4-5. 2025年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月14日閲覧。
- ^ 陸上自衛隊 [@JGSDF_pr] (2024年10月29日). "輸送艦(LCU)は、部隊や補給品の輸送に際して、水深が浅い島しょ部の港湾にも輸送が可能な船舶として運用するものです。..." X(旧Twitter)より2025年1月14日閲覧。
- ^ “防衛省設置法等の一部を改正する法律案”. 内閣法制局. 2025年1月14日閲覧。
- ^ 防衛省 (21 February 2024). "防衛省設置法等の一部を改正する法律案" (PDF). 防衛省. 2024年1月14日閲覧。
- ^ 防衛省 (2023年9月4日). “令和4年度の事業に係る行政事業レビューシート-0127 輸送船舶の取得” (XLSX). 防衛省. 2024年1月14日閲覧。
- ^ a b c d 防衛省 (2024年12月27日). “防衛力抜本的強化の進捗と予算-令和7年度予算案の概要-”. 防衛省. pp. 4, 10, 31, 33. 2024年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月14日閲覧。
- ^ 陸上自衛隊 [@JGSDF_pr] (2024年10月29日). "【輸送艦「にほんばれ」命名・進水式実施報告】". X(旧Twitter)より2025年1月14日閲覧。