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第1回社会人野球日本選手権大会

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第1回社会人野球日本選手権大会(だい1かいしゃかいじんやきゅうにほんせんしゅけんたいかい)は、1974年10月28日から11月4日にかけて阪神甲子園球場で開かれた社会人野球日本選手権大会である。

概要

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  • 戦後行われてきた日本産業対抗野球大会を発展的に解消させ、新たな大会を甲子園球場で行うこととなった。大会主催者は「高校球児が甲子園に戻ってきた」とアピール。
  • この夏に行われた都市対抗野球で優勝した大昭和製紙北海道、準優勝した新日本製鐵八幡を含む予選を勝ち上がった22チームが本戦に出場した。
  • 本戦は三協精機がディフェンスの厚みを見せた。エース・大塚喜代美は登板した3試合すべて完封、決勝では9回2アウトから投手強襲安打を許すまでノーヒットに抑える快投を見せ、最高殊勲選手賞を獲得した。三協精機は監督、コーチ、選手合わせて28名のうち、監督の光沢毅飯田長姫)、コーチの村上唯三郎(西条)、そしてエース・大塚(桐蔭学園)の優勝経験者3名を含む15名が甲子園大会出場経験者であった。

予選

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出場チーム

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代表枠 チーム
北海道 新日本製鐵室蘭
北海道 大昭和製紙北海道
東北 盛岡鉄道管理局
東北 TDK
関東 日立製作所
関東 電電関東
関東 電電東京
中部 三協精機
中部 電電信越
東海北陸 西濃運輸
東海北陸 本田技研鈴鹿
代表枠 チーム
近畿 日本生命
近畿 松下電器
近畿 住友金属
近畿 三菱重工神戸
近畿 鐘淵化学
中国 日本鋼管福山
中国 三菱重工広島
四国 電電四国
四国 国鉄四国
九州 新日本製鐵八幡
九州 電電九州

大会

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1回戦

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
三菱重工神戸 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 3
盛岡鉄道管理局 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1

勝:増岡 敗:堀江 

  • 第2試合(10月28日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本鋼管福山 0 0 0 1 0 1 0 0 0 2
新日本製鐵室蘭 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:田村 敗:財前 本:岡本(福山)

  • 第3試合(10月28日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
新日本製鐵八幡 0 0 0 1 2 0 1 0 0 4
電電東京 0 1 0 0 0 0 0 0 1 2

勝:萩野 敗:森

1 2 3 4 5 6 7 8 9
電電四国 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
TDK 0 0 0 0 0 1 1 2 X 4

勝:浅井 敗:横松 本:金原(TDK)

  • 第5試合(10月29日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
鐘淵化学 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2
西濃運輸 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:宮田 敗:早川

  • 第6試合(10月29日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
電電九州 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2
大昭和製紙北海道 0 1 1 0 1 1 0 0 X 4

勝:中山 敗:錦野 本:我喜屋(北海道)

2回戦

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
国鉄四国 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2
本田技研鈴鹿 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1

勝:落合 敗:菊田 本:塚本(四国)、山本(鈴鹿)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
三協精機 0 0 0 0 0 0 4 0 0 4
松下電器 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:大塚 敗:山口高 本:星山(三協)

  • 第3試合(10月31日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工神戸 0 0 0 0 2 0 0 0 0 2
電電関東 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1

勝:増岡 敗:中後

  • 第4試合(10月31日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本鋼管福山 0 0 0 0 2 0 0 0 0 2
日本生命 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1

勝:田村 敗:岡田 本:岡本(福山)、中井(日生)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
新日本製鐵八幡 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
電電信越 0 0 0 0 0 2 0 1 X 3

勝:佐藤公 敗:萩野

  • 第6試合(11月1日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
TDK 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
三菱重工広島 0 0 0 0 0 1 2 0 X 3

勝:若松 敗:野村 本:吉川(広島)

  • 第7試合(11月1日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日立製作所 0 0 0 1 0 0 0 4 3 8
鐘淵化学 0 1 1 0 1 0 0 2 1 6

勝:小永吉 敗:園 本:外囿(鐘化)、小野寺(日立)、末永(鐘化)

  • 第8試合(11月1日)-延長12回
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
大昭和製紙北海道 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2
住友金属 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:中山 敗:宮崎

準々決勝

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工神戸 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
国鉄四国 0 0 0 0 0 0 0 0 1x 1

勝:落合 敗:増岡

  • 第2試合(11月2日)-延長15回
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
日本鋼管福山 1 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 4
電電信越 0 0 1 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 3

勝:田村 敗:湯川 本:田村(福山)

  • 第3試合(11月2日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工広島 0 0 0 0 1 0 1 0 0 2
日立製作所 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:近藤 敗:高田 本:古川(広島)

  • 第4試合(11月2日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
大昭和製紙北海道 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
三協精機 0 0 0 0 0 1 1 0 X 2

勝:大塚 敗:中山

準決勝

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本鋼管福山 1 0 2 1 2 3 0 0 0 9
国鉄四国 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:田村 敗:落合

  • 第2試合(11月3日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工広島 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
三協精機 0 0 1 1 1 0 0 0 X 3

勝:樋江井 敗:若松

決勝

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本鋼管福山 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
三協精機 1 1 2 0 0 0 0 0 X 4

勝:大塚 敗:田村

表彰選手等

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表彰 選手 所属
最高殊勲選手賞 大塚喜代美(投手) 三協精機
敢闘賞 田村忠義(投手) 日本鋼管福山
打撃賞 酒井信芳(内野手)[1] 三菱重工広島
優秀選手 投手 大塚喜代美 三協精機
田村忠義 日本鋼管福山
落合登 国鉄四国
中山俊之 大昭和製紙北海道
増岡義教 三菱重工神戸
萩野友康 新日本製鐵八幡
宮田真 鐘淵化学
捕手 古川義弘 三協精機
村上忠則 大昭和製紙北海道
一塁手 鈴木一比古 三協精機
吉川丈一 三菱重工広島
二塁手 内田俊雄 三協精機
湖口一幸 電電信越
三塁手 清水由則 日本鋼管福山
佐々木幸治 三菱重工広島
遊撃手 幡野正秋 三協精機
酒井信芳 三菱重工広島
外野手 星山和久 三協精機
岡本道夫 日本鋼管福山
森下政秋
篠井文衛
山本和利 大昭和製紙北海道

同大会の記録

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  • 連続試合完封 2
三協精機・大塚喜代美が2回戦・対松下電器戦、準々決勝・対大昭和製紙北海道戦で記録。

脚注

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  1. ^ 10打数7安打(.700)

関連項目

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外部リンク

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