稲士別駅
稲士別駅 | |
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駅舎(2004年2月、現存せず) | |
いなしべつ Inashibetsu | |
◄K32 札内 (3.6 km) (5.8 km) 幕別 K34► | |
所在地 | 北海道中川郡幕別町字千住 |
駅番号 | ○K33 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■根室本線 |
キロ程 | 188.5 km(滝川起点) |
電報略号 | ナツ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗車人員 -統計年度- |
0人/日(降車客含まず) -2012年- |
開業年月日 | 1959年(昭和34年)10月7日[1] |
廃止年月日 | 2017年(平成29年)3月4日[2] |
備考 | 無人駅 |
稲士別駅(いなしべつえき)は、かつて北海道中川郡幕別町字千住(せんじゅう)にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線の駅(廃駅)である。駅番号はK33であった。電報略号はナツ。
歴史
[編集]1907年(明治40年)国有鉄道釧路線(→根室本線)が釧路まで開業した後、帯広駅 - 止若駅(→幕別駅)間に中間駅を設置するにあたり、当地と札内が候補となり、当初、札内よりも距離的に中間地点である同地の方が有力であったが、結果的には札内に駅が設置された[3]。
当地への駅設置は1959年(昭和34年)になってから地元住民の要望により、仮乗降場として行われた[4]。
通常、仮乗降場も記載される道内時刻表にも掲載されておらず[5]、民営化後正式な駅に昇格したことで時刻表にも掲載されるようになったが、普通列車でも半数以上が通過してしまい、廃止時は下り(池田方面)が昼から夕方にかけて5本、上り(帯広方面)が朝2本と夕方1本の計3本しか停車しなかった。
- 1959年(昭和34年)10月7日:日本国有鉄道(国鉄)根室本線の稲士別仮乗降場(局設定)として開業[1]。
- 時期不詳:簡易委託廃止、完全無人化。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)に承継[1]。同時に旅客駅に昇格[1]。稲士別駅となる[1]。
- 1990年(平成2年)3月10日:営業キロ設定。
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)3月4日:利用者減少とダイヤ改正に伴い、廃止[2]。
駅名の由来
[編集]所在地名より。なお、地名は「稲志別」と表記する。
地域名は、アイヌ語の「イナウウㇱペッ(inaw-us-pet)」(イナウ・多い・川)に由来する[8]。
廃止時の駅構造
[編集]単式ホーム1面1線を有する地上駅。路盤とホームは築堤上にあり、木製のスロープが設置されていた[9]。ホームは線路の南側に存在し[10]、鉄骨の櫓の上に木の板張り[11]となっていた。廃止時まで列車接近表示器とブザーが備えられていた。
帯広駅管理の無人駅だった。開業時からの無人駅で駅舎は存在せず、かつてはホームの南側に待合室と仮設トイレが設置されていたが[9]、著しい老朽化により荒廃した為、2014年に撤去された。
かつて待合室内には売店があり、女性店員が駄菓子と共に乗車券を売っていた(簡易委託)という[11]。また、撤去時まで待合室内に駅ノートが置かれていた[11]。
利用状況
[編集]駅周辺
[編集]周りは田畑が広がる。十勝川を挟んで隣接する音更町の十勝川温泉の最寄り駅(約5km北)であったが、当駅からの交通手段はなかった。
かつて、昭和40年代前半までは国鉄の保線区の拠点(基地)が存在し、7〜8人の職員が配置され、自転車型のトロッコに乗って勤務していたという。官舎であった建物は民間に売却され、現在もアパートとして使用されている[11]。
隣の駅
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、877頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b “平成29年3月ダイヤ改正について” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2016年12月16日). 2016年12月16日閲覧。
- ^ 幕別町史、幕別風土記。
- ^ a b c d “平成28年 第4回町議会定例会 行政報告” (PDF). 幕別町 (2016年11月30日). 2022年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月16日閲覧。
- ^ 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、114頁。ISBN 4-09-395401-1。
- ^ a b “JR北海道、17駅の廃止打診 名寄「北星」、幕別「稲士別」も” (日本語). 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(経済) (北海道新聞社). (2016年10月2日). オリジナルの2016年10月2日時点におけるアーカイブ。 2016年10月2日閲覧。
- ^ 『「持続可能な交通体系のあり方」について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2016年7月29日。オリジナルの2016年7月29日時点におけるアーカイブ 。2016年7月29日閲覧。
- ^ 本多 貢 (1995-01-25). 児玉 芳明. ed (日本語). 北海道地名漢字解. 札幌市: 北海道新聞社. p. 22. ISBN 4893637606. OCLC 40491505 2018年11月13日閲覧。
- ^ a b 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社、2008年8月発行)253ページより。
- ^ a b 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館、1993年6月発行)114ページより。
- ^ a b c d テレビ番組『秘境駅への旅』(旅チャンネル、2011年)より。
- ^ “極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 秘境駅を旅する #4 - 秘境駅を旅する - 鉄道|旅チャンネル - 旅チャンネルによる映像作品「秘境駅を旅する」の公式ページ。第4回に当駅が取り上げられている。