硝酸カドミウム
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硝酸カドミウム | |
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硝酸カドミウム | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10325-94-7 , 10022-68-1 (四水和物) |
特性 | |
化学式 | Cd(NO3)2 |
モル質量 | 236.42 g/mol |
外観 | 白色の結晶 |
密度 | 3.60 g/cm3, 固体 |
融点 |
350 °C, 623 K, 662 °F |
水への溶解度 | 122 g/100 mL (0 ℃) 136 g/100 mL (20 ℃) |
溶解度 | 酸に可溶 |
危険性 | |
EU分類 | 有害 (Xn) 環境への危険性 (N) |
EU Index | 048-001-00-5 |
Rフレーズ | R20/21/22, R50/53 |
Sフレーズ | (S2), S60, S61 |
半数致死量 LD50 | 300 mg/kg (ラット経口) |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 酢酸カドミウム、 塩化カドミウム、 硫酸カドミウム |
その他の陽イオン | 硝酸亜鉛, 硝酸カルシウム, 硝酸マグネシウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
硝酸カドミウム(しょうさんカドミウム、英 Cadmium nitrate)はカドミウムの硝酸塩で、化学式Cd(NO3)2で表される無機化合物。無水物と数種類の水和物があるが、一般には四水和物が流通している[1]。潮解性のある白色の結晶で、人体に対し発癌性がある。日本の毒劇法では劇物に分類されている[2]。
用途
[編集]ガラス・陶磁器の着色や、写真撮影用の発光剤 (Flash powder) 、化学工業におけるカドミウムイオンの供給源として利用される。
生成
[編集]単体のカドミウムや酸化カドミウム、水酸化カドミウムまたは炭酸カドミウムを硝酸に溶解し、結晶化させて得られる。
反応
[編集]高温で分解し、酸化カドミウムと窒素酸化物を生じる。硫化水素との反応により、硫化カドミウムが生成される。水酸化ナトリウム溶液に溶解すると、酸化カドミウムの沈殿物と水酸化カドミウムを生じる。多くの不溶性カドミウム塩は沈殿反応により得られる。例えば、太陽電池に使われる硫酸カドミウムは硝酸カドミウム水溶液と硫酸ナトリウム水溶液の混合により、沈殿物として生じる[3]。
脚注
[編集]- ^ 滋賀県医務薬務課
- ^ 製品安全データシート(純正化学株式会社) (PDF)
- ^ Pradyot Patnaik. Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill, 2002, ISBN 0070494398