コンテンツにスキップ

炭酸マンガン(II)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
炭酸マンガン(II)
Manganese(II) carbonate
識別情報
CAS登録番号 598-62-9 チェック
PubChem 11726
ChemSpider 11233 チェック
UNII 9ZV57512ZM チェック
特性
化学式 MnCO3
モル質量 114.9469 g/mol
外観 淡褐色の微粉末[1]
密度 3.12 g/cm3[1]
融点

100℃以下で分解[1]

への溶解度 65mg/100mL(25℃)[1]
溶解度平衡 Ksp 2.24 x 10-11
溶解度 塩酸、希硫酸、希硝酸などの酸に可溶。エタノールエーテルに難溶。[1]
屈折率 (nD) 1.597 (589nm, 20°C)
構造
結晶構造 六角菱
危険性
EU Index Not listed
引火点 (不燃性)
関連する物質
その他の陰イオン 酸化マンガン(II)
その他の陽イオン 炭酸テクネチウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

炭酸マンガン(II)(たんさんマンガン、: Manganese carbonate)はマンガン炭酸塩で、化学式MnCO3で表される無機化合物。天然には菱マンガン鉱に存在し、2005年には約20,000トンが産出された[2]

製造と用途

[編集]

マンガン塩の水溶液とアルカリ金属の炭酸塩の水溶液とを混合することにより、炭酸マンガン(II)のピンク色の沈殿が得られる。炭酸塩は通常水に溶けないが、酸による加水分解で水溶性を持たせる。

200℃で、酸化マンガン(II)二酸化炭素とに分解する。この方法は、乾電池フェライトの原料となる二酸化マンガンの製造に採用されている[2]

農作物のマンガン欠乏障害予防のため、肥料に添加されるほか、釉薬や陶器着色剤 (ceramic colorants、着色コンクリート (Decorative concreteなどに利用される[3]。医療分野では、造血剤に用いられる。

毒性

[編集]

マンガンは好気生成物にとっての必須元素であり、強い毒性は持たないが、粉塵の長期曝露によりマンガン中毒 (Mamanganismを引き起こすことがある。

関連項目

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e 化学物質等安全データシート (PDF) (昭和化学)
  2. ^ a b Arno H. Reidies "Manganese Compounds" Ullmann's Encyclopedia of Chemical Technology 2007; John Wiley
  3. ^ "How To Stain Concrete with Manganese"