沙田至中環線
沙田至中環線(さでんしちゅうかんせん、略称 : 沙中線)は香港新界沙田と香港島を結ぶ香港MTRの鉄道路線である。
路線
[編集]沙中線は香港で人口が最も多い新界・沙田エリアから九龍半島東部を抜け、ヴィクトリア・ハーバーを海底トンネルで横断し香港島の中環(セントラル)エリアに至る、全長約17キロの路線である。
区間は10カ所に駅を設置。区間は二期の建設期間に分けられ、第一期の駅は大囲、顕径、鑽石山、啓徳、宋皇台、土瓜湾、何文田、紅磡。第二期の駅は、紅磡で海底トンネルを通って、会展、金鐘になる。[1][2]
うち乗換駅が大囲駅(東鉄線)、鑽石山駅(観塘線)、何文田駅(観塘線)、紅磡駅(東鉄線・中国直通列車)、会展駅(北港島線・計画中)金鐘駅(荃湾線、港島線、南港島線)である。
第一期区間の大囲 - 紅磡間(2018年5月以前は東西走廊と呼称)は開業時より馬鞍山線及び西鉄線と直通し、屯馬線として一体化された運行が行われる[3][4]。第二期区間の紅磡 - 金鐘間(2018年5月以前は南北走廊と呼称)は開業時より紅磡から東鉄線に直通し、名称も東鉄線が踏襲される[5]。
2022年5月15日、紅磡 - 金鐘間が開業した。これにより、10年間に渡ったこの計画の全ての工事が終了した。
使用予定の車両
[編集]全て8両編成での運行となる。
- SP1900形 - 川崎重工業および近畿車輛で製造。一部車両は東鉄線から転属予定である。
- C-Train(港鉄屯馬線中国製列車)- 中国・中車長春軌道客車(CRRC)で製造。2017年より馬鞍山線にて運行されている。
東鉄線(南北走廊)
[編集]現在の12両編成から9両編成へと短縮され、車両も一種類に統一される。
これによって既存のMLR形は引退、SP1900形は屯馬線へ転属となる。
駅一覧
[編集]駅名 | 開業年月日 | 駅間キロ (km) |
累計キロ (km) |
乗り換え | 所在地 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本語 | 繁体字香港語 | 簡体字中国語 | 英語 | ||||||
屯馬線(東西走廊) | |||||||||
大囲駅 | 大圍站 | 大围站 | Tai Wai | 2004年12月21日 | ■東鉄線 ■馬鞍山線(直通) |
香港 特別行政区 |
沙田区 | ||
顕径駅 | 顯徑站 | 显径站 | Hin Keng | 2020年2月14日 | |||||
鑽石山駅 | 鑽石山站 | 钻石山站 | Diamond Hill | ■観塘線 | 黄大仙区 | ||||
啓徳駅 | 啟德站 | 启德站 | Kai Tak | 東九龍線 |
九龍城区 | ||||
宋皇台駅 | 宋皇臺站 | 宋皇台站 | Sung Wong Toi | 2021年6月27日 | |||||
土瓜湾駅 | 土瓜灣站 | 土瓜湾站 | To Kwa Wan | ||||||
何文田駅 | 何文田站 | 何文田站 | Ho Man Tin | ■観塘線 | |||||
紅磡駅 | 紅磡站 | 红磡站 | Hung Hom | 2021年6月20日 | ■東鉄線 ■西鉄線(直通) |
油尖旺区 | |||
東鉄線(南北走廊) | |||||||||
紅磡駅 | 紅磡站 | 红磡站 | Hung Hom | 2022年5月15日 | ■東鉄線(直通) ■屯馬線 |
香港 特別行政区 |
油尖旺区 | ||
会展駅 | 會展站 | 会展站 | Exhibition Centre | 北港島線 | 湾仔区 | ||||
金鐘駅 | 金鐘站 | 金钟站 | Admiralty | 2016年12月28日 | ■荃湾線 ■港島線 ■南港島線 |
中西区 |
- 背景色が■かつ斜字体で示す駅は未開業の駅。
諸問題
[編集]建設費の増大が問題になっている。当初、立法会は沙中線の建設予算として714億香港ドル(約7,344億円)の支出を承認した。しかしながら、2012年3月まで、建設コストと路線の変更によって、予算が798億香港ドルに増額している[6][7]。2017年12月までに、建設コストと路線の変更によって予算が971億香港ドルに増額している。[8]。
また、構造物の手抜き工事が問題になり、2018年8月にはMTRのリンカーン・リョン(梁国権)CEOが退任する事態にもなった[9]。
脚注
[編集]- ^ KCR沙中線は紅磡を先行建設へ
- ^ 香港MTR沙中線
- ^ MTR沙中線
- ^ 工事中の鉄道
- ^ 沙中線東西走廊命名「屯馬線」 紅磡至金鐘沿用「東鐵線」2018-05-25,明報
- ^ “MTR沙中線建設、立法会が予算承認”. NNA.ASIA (2012年5月14日). 2019年1月13日閲覧。
- ^ 東方日報 (2012年3月17日). “沙中線造價飆至798億” (中国語)
- ^ 即時新聞 (2017年12月5日). “沙中線最新造價971億 主體工程超支約165億” (中国語)
- ^ “MTRC、手抜き工事問題でCEO退任へ 香港・マクロ・統計・その他経済”. NNA.ASIA (2018年8月8日). 2019年1月13日閲覧。