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永井信二

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

永井 信二(ながい しんじ、1947年10月4日 - 2019年1月23日)は、日本の昆虫学者。日本昆虫分類学会会員、愛媛大学環境昆虫学研究室助手[1]

愛媛県松山市に生まれ、1998年ごろに多数のチョウが生息していることなどを理由に長野県木曽町福島へ移住[1]カブトムシクワガタムシなどの甲虫類のほか、ツノゼミビワハゴロモの研究でも知られている。ヒサマツサイカブトモロンシロカブトエンドウゴホンヅノカブトなど[2]、甲虫類を中心に250以上の新種、新亜種を命名した[1]

2006年に木曽町福島[注 1]の自宅(木造2階店舗兼住宅)でお好み焼き店を開店したが[1]、2011年4月24日の火災で火元となった自宅を含む計8棟(2000 m2以上)が焼け[3]、書斎で保管していた昆虫標本約6万点(被害総額は推定1億4,000万円以上)もほぼ全て焼失した[1]。焼失した標本のうち約3万5,000点はカブトムシで、執筆中の図鑑の資料であった[1]。その中には、自身が命名したモロンシロカブト・エンドウゴホンヅノカブトなどのタイプ標本、また命名前の新種とみられる国内外のカブトムシの標本約100種も含まれており、図鑑に収録予定だった約800種のうち約2割はまだ写真撮影が済んでいなかった[1]。永井は「図鑑は遅れても必ず完成させたい」と話していたが[1]、未完成のまま2019年に死去している。

著書

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  • 『世界のクワガタムシ大図鑑』 むし社 1994年 ISBN 4943955010
  • 『世界のハナムグリ大図鑑』 むし社 1998年 ISBN 4943955037
  • 『世界のカブトムシ大図鑑』 むし社 執筆中
  • 『ニューワイド学研の図鑑 カブトムシ・クワガタムシ』 学習研究社 2001年 ISBN 4055004214 (標本提供、解説)
  • 『ニューワイド学研の図鑑 世界の昆虫』 学習研究社 2004年 ISBN 4055004974 (標本提供、解説)
  • 『COLEOPTERORUM CATALOGUS World Lucanidae』(コウチュウ目カタログ・世界のクワガタムシ科) 木曜社 1985年
  • 『Illustrated Catalogue of the Asiatic and Australian Fauna』(アジアとオーストラリアのビワハゴロモ科) Sciences Nat. 1996年
  • 『Nouveaux Fulgoridae d´Asie du Sud-Est. - New Fulgoridae from South-East Asia』(アジアとオーストラリアのビワハゴロモ科(追補)) Sciences Nat. 2002年

脚注

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注釈

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  1. ^ 木曽福島駅近くの旧中山道に面した商店街[3]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h 読売新聞』2011年5月29日東京朝刊長野版25頁「昆虫標本6万点焼失 貴重なカブトムシ新種も 研究者宅で保管中、火災=長野」(読売新聞東京本社・長野支局)
  2. ^ 日本経済新聞』2002年6月27日東京朝刊42頁「45年前南大東島で採集、カブトムシ新種と判明、長野の研究家が発表。」(日本経済新聞東京本社
  3. ^ a b 『読売新聞』2011年4月26日東京朝刊長野版33頁「住宅など8棟焼く=長野」(読売新聞東京本社・長野支社)