栗原麻子
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栗原 麻子(くりはらあさこ)は、日本の歴史学者(西洋古代史)。大阪大学大学院人文学研究科教授(副研究科長、人文学専攻長)[1]。兼任で文学部教授(学部長)[2]。
専門は古代ギリシア社会史。法廷弁論を史料とする社会的結合関係の研究。学位は博士(文学)(2000年3月、京都大学)[注釈 1]。
略歴
[編集]1990年、京都大学文学部史学科(西洋史学)卒業。 1992年、京都大学大学院文学研究科博士前期課程史学科(西洋史学専修)修了。1995年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程史学科(西洋史学専修)指導認定退学[3]。
1996年~2004年9月、奈良大学文学部講師。2000年~2002年、オックスフォード大学古典学部客員研究員(日本学術振興会海外特別研究員)。2004年10月、大阪大学文学研究科文化形態論専攻助教授。2007年、同准教授。2017年、同教授。2022年4月~現職。
著書
[編集]単著
[編集]- 『互酬性と古代民主制:アテナイ民衆法廷における「友愛」と「敵意」』京都大学学術出版会、2020年。ISBN 978-4-8140-0250-4
共著
[編集]論文・研究ノート
[編集]- 「前四世紀アテナイの親族関係 イサイオスの法廷弁論を中心として」『史林』76-4、平成5年。
- 「古典期アテナイにおけるフィリアと共同体『何人でも欲するもの』による訴追について」『史林』78-4、平成7年。
- 北村(栗原)麻子「ポリス社会におけるプライヴェート・イニシアティヴ J・ハンターとD・コーエンの議論をめぐる覚書」『奈良史学』(奈良大学史学会)第15号、平成9年、34-68ページ。
- 「紀元前415年のアンドキデス」『西洋古典学研究』(日本西洋古典学会)第48号、平成12年。
- 「アルケダモスについての覚書」『奈良史学』(奈良大学史学会)第20号、平成14年。
- 'Personal Enmity in Attic Forensic Speeches', Classical Quarterly 53-2, 2003.
- '"Quiet Athenian" and Civic Identity', in Takashi Minamikawa (ed.), Material Culture, Mentality and Historical Identity in the Ancient World: Understandding the Celts, Greeks, Romans and the Modern Europeans, Kyoto University, 2004.
- 「アッティカ碑文における官職者と私人についての予備的考察」『奈良大学総合研究所所報』第13号、平成15年。
- 「アプラグモシュネ(消極主義)と市民性 リュシアスの法廷弁論を中心として」『待兼山論叢 史学編』第41巻、平成19年。
- 「「思い出さない」誓いをめぐって-前403年アテナイにおける和解儀礼」『古代文化』、第62巻、平成22年。
- 「前4世紀アテナイにおける通婚禁止令とアポロドロス弁論の女たち」『西洋古代史研究』10、平成22年。
- 「古典期アテナイにおける互酬的秩序―課題と展望―」『パブリック・ヒストリー』9、平成25年。
- 'Pity and Charis in the Classical Athenian Courts', Japan Studies in Classical Antiquity, (The Classical Society of Japan) vol. 2, 2014.
- 「アッティカ民衆法廷における報復のレトリック : リュクルゴス『レオクラテス弾劾』を中心にして」『西洋史研究』43号、平成26年。
- 「民主制下アテナイにおける「おんな男(ホ・ギュンニス)」と「男のなかの男たる女(ヘ・アンドレイオタテ)」『西洋古代史研究』14、平成26年。
翻訳
[編集]- G. デュビイ、M. ペロー監修『女の歴史』第一巻分冊1、藤原書店、2000年。
- エレイヌ・マシューズ「古典古代世界におけるギリシア人と名前」浦野聡・深津行徳編著『古代文字史料の中心性と周縁性』春風社、2006年。
- ロバート・パーカー『古代ギリシアの宗教』監訳、竹内一博・佐藤昇・齋藤貴弘訳、名古屋大学出版会、2024年。
紹介・その他
[編集]- 「古典期アテナイの食卓から」『アウローラ』(21世紀の関西を考える会)13、平成10年。
- 「女の歴史によせて ギリシア史の視点から」、藤原書店編集部編『歴史の中のジェンダー』(藤原書店)、平成13年6月(『女の歴史 - 古代』第2巻巻末コメントを再収)。
- 「古代ギリシアの同性愛」『ジェンダー史叢書 権力と身体』明石書店、平成23年。
- 「ソシアビリテ論と紛争研究の接点をめぐって (特集 社会秩序と互酬性)」『パブリック・ヒストリー』(大阪大学西洋史学会)第9号、平成24年。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 博士論文は北村麻子 「古典期アテナイにおけるフィリアと共同体 : 法廷弁論にみる親族・ヘタイレイア・国家」
出典
[編集]- ^ 大阪大学文学部西洋史学専修HP2023年9月28日閲覧
- ^ 科学技術振興機構「researchmap.jp」2023年9月最終更新2023年9月26日閲覧
- ^ 著書『互酬性と古代民主制』の奥付に記載。