有機ガラス
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有機ガラス(ゆうきガラス、organic glass)は、透明なプラスチックでできた「ガラス」である。
この場合の「ガラス」とは、ガラス転移性のアモルファス固体という、化学での意味である。なお、「有機」は有機化合物ということで、生体物質由来ということではない。
特に、ある程度の強度があり、普通のガラス(珪酸ガラス)の代替として使用できるものを有機ガラスとすることが多い。
種類
[編集]有機ガラスの代表は、
である。PEDCの例としては、アリルジグリコールカーボネート(CR-39)がある。
この他にも「有機ガラス」といえる化合物は多く、たとえばアクリル樹脂のポリブチルメタクリレート(PBMA)も優れた物性を持つが、生産・使用は希である。
ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)などが使われることもあるが、強度や透明度の面でガラスのようには使えないことが多い。
特徴
[編集]用途はガラスに似るが、向き不向きがある。
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ガラスに対して、
- 軽い(比重が小さい)。
- 靱性に優れ、割れにくい。割れても鋭利な破片が飛散しにくい。
- 比較的低温で軟化するため成型が容易。
- 着色が容易。
- 傷がつきやすい。
- 熱に弱く、変質や燃焼(可燃性)する。ポリカーボネートは難燃性だが、ガラスには劣る。
- 薬剤耐久性は低く、有機溶剤で変質する。
- 耐候性が低く(合成樹脂としては高い部類だが)経年劣化して透明度や強度が下がる。
- 熱伝導率が低く、触っても冷たく感じない。
といった特徴がある。
特撮材料
[編集]東宝の特殊美術スタッフは、化粧クリーム等のベースに使われる固体素材を「有機ガラス」と呼んで多用していた。溶かしてドロドロの状態になったものが、『美女と液体人間』の液体人間を始め、『宇宙大怪獣ドゴラ』の単細胞体、『ゴジラ対ヘドラ』のヘドロなど、さまざまな特殊美術で使用された。