日本ミステリー文学大賞新人賞
表示
日本ミステリー文学大賞新人賞(にほんミステリーぶんがくたいしょうしんじんしょう)は、光文文化財団が主催する公募新人文学賞である[1]。400字詰め原稿用紙換算で350枚から600枚の、広義のミステリー作品を募集する[1]。受賞者には正賞としてシエラザード像、副賞として賞金500万円が与えられる[1]。
同財団が主催するミステリーの賞にはほかに、推理小説の発展に貢献のあった作家・評論家に贈られる日本ミステリー文学大賞がある。
選考委員
[編集]- 第1回 - 第2回:内田康夫、北方謙三、西村京太郎、森村誠一
- 第3回 - 第4回:内田康夫、北方謙三、島田荘司、夏樹静子、森村誠一
- 第5回 - 第6回:赤川次郎、大沢在昌、島田荘司、夏樹静子
- 第7回 - 第8回:赤川次郎、大沢在昌、北村薫、高橋克彦
- 第9回 - 第10回:有栖川有栖、北村薫、高橋克彦、田中芳樹
- 第11回 - 第12回:有栖川有栖、石田衣良、田中芳樹、若竹七海
- 第13回 - 第14回:綾辻行人、石田衣良、近藤史恵、藤田宜永
- 第15回 - 第16回:綾辻行人、近藤史恵、今野敏、藤田宜永
- 第17回 - 第18回:あさのあつこ、笠井潔、今野敏、藤田宜永
- 第19回 - 第20回:あさのあつこ、綾辻行人、笠井潔、朱川湊人
- 第21回 - 第22回:綾辻行人、篠田節子、朱川湊人、若竹七海
- 第23回 - 第24回:有栖川有栖、恩田陸、篠田節子、朱川湊人
- 第25回 - 第26回:有栖川有栖、恩田陸、辻村深月、薬丸岳
- 第27回 - 第28回:月村了衛、辻村深月、湊かなえ、薬丸岳
- 第29回 - 月村了衛、中山七里、葉真中顕、湊かなえ
受賞作一覧
[編集]初刊は光文社、文庫は光文社文庫から刊行される。
回(年度) | 応募総数 | 賞 | 著者 | タイトル | 初刊 | 文庫化 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1回 (1997年度) |
252編 | 受賞 | 井谷昌喜 | クライシスF | 1998年3月 | 1999年8月 |
候補 | 紀尾奈椎 | OWL〜オウル | ||||
白岩りん | 冬の回廊 | |||||
清水生成 | ルーズフィット | |||||
第2回 (1998年度) |
166編 | 受賞 | 大石直紀 | パレスチナから来た少女 | 1999年3月 | 2001年3月 |
候補 | 乙丸出穂 | 火宴 | ||||
橘恭平 | 悲死病棟 | |||||
清水生成 | 花 | |||||
葵田栄太郎 | 夏の日差しと優しい風 | |||||
第3回 (1999年度) |
139編 | 受賞 | 高野裕美子 | サイレント・ナイト | 2000年3月 | 2002年6月 |
候補 | 松尾詩朗 | 彼は残業だったので | 2000年6月 | |||
柊遠海 | 傷つけるものの容(かたち)をして | |||||
海老沼三郎 | 米軍基地から来た女 | |||||
市川智洋 | エンジェル | |||||
第4回 (2000年度) |
134編 | 佳作 | 成定春彦 | HEAT | 2001年3月 | |
菅野奈津 | 涙の川 | 2001年3月 | ||||
候補 | 松本真樹 | 脂肪の塊/悪い夢 | ||||
田島歩 | 漂流者よ、目を覚ませ | |||||
第5回 (2001年度) |
147編 | 受賞 | 岡田秀文 | 太閤暗殺 | 2002年3月 | 2004年3月 2012年6月(双葉文庫) |
候補 | 福田栄一 | Posse | ||||
横山仁 | 戦火いまだ止まず | |||||
第6回 (2002年度) |
138編 | 受賞 | 三上洸 | アリスの夜 | 2003年3月 | |
候補 | 河野達哉 | 鏡像 | ||||
横山仁 | 蘭とはただ散りゆくもの | |||||
第7回 (2003年度) |
148編 | 該当作なし | ||||
候補 | 前川裕 | 怨恨殺人(グラッジキリング) | ||||
白鳥翔 | 裁かれぬ殺人者 | |||||
東山千里 | 白い夜 | |||||
戸田有哉 | RUN | |||||
第8回 (2004年度) |
152編 | 受賞 | 新井政彦 | ユグノーの呪い | 2005年3月 | 2007年3月 |
候補 | 南藤明謬 | 赤心人ヲ殺ス――寛文上杉家連続殺人事件 | ||||
門脇啓 | サンザシの丘 | |||||
児島毅 | アルゴリズムの鬼手 | |||||
第9回 (2005年度) |
140編 | 該当作なし | ||||
候補 | 白井八郎 | レッドストーム | ||||
川中大樹 | 新生の季節 | |||||
市川智洋 | ストラスブールの羊飼い | |||||
中川裕子 | かげろふ鬼の棺 | |||||
真観屋七音 | どつぼ | |||||
第10回 (2006年度) |
123編 | 受賞 | 海野碧 | 水上のパッサカリア | 2007年3月 | 2009年8月 |
候補 | 市川智洋 | マリオネットの行方 | ||||
田村優之 | ジェリーフィッシュの歌が聞こえる | |||||
西岡慎吾 | 抗う君には奇跡を | |||||
第11回 (2007年度) |
113編 | 受賞 | 緒川怜 | 霧のソレア[注 1] | 2008年3月 | 2010年3月 |
候補 | 松村美香 | アプサラが微笑むとき | ||||
阪本慎一 | 闇の蝶 | |||||
市川智洋 | 青の迷路(ピグメント・ブルー) | |||||
第12回 (2008年度) |
151編 | 受賞 | 結城充考 | プラ・バロック | 2009年3月 | 2011年3月 |
候補 | 戸南浩平 | 輝きすぎる夏 | ||||
菊谷智恵子 | コヨーテ・パズル[注 2] | 2013年3月 | ||||
石川角白 | 濡れた翼の銀のいろ | |||||
第13回 (2009年度) |
166編 | 受賞 | 両角長彦 | ラガド 煉獄の教室[注 3] | 2010年2月 | 2012年3月 |
候補 | 沢見一葉 | 孤独者たちのカノン | ||||
高田亮 | 天国は激しく襲われる | |||||
戸南浩平 | おつきさま | |||||
第14回 (2010年度) |
168編 | 受賞 | 石川渓月 | 煙が目にしみる[注 4] | 2011年2月 | 2013年3月 |
望月諒子 | 大絵画展 | 2010年2月 | 2013年3月 | |||
候補 | 市川智洋 | 明日への飛翔 | ||||
戸南浩平 | 青の彼方へなお遠く | |||||
第15回 (2011年度) |
157編 | 受賞 | 前川裕 | クリーピー | 2012年2月 | 2014年3月 |
川中大樹 | 茉莉花(サンパギータ) | 2012年2月 | 2014年3月 | |||
候補 | 市川智洋 | 伏流水 | ||||
戸南浩平 | BALANCE(バランス) | |||||
第16回 (2012年度) |
166編 | 受賞 | 葉真中顕 | ロスト・ケア | 2013年2月 | 2015年2月 |
候補 | 市川智洋 | スパイダー ドリーム | ||||
富原田りんね | ダブルムーンにくちづけを | |||||
夏みちる | ツバサ | |||||
第17回 (2013年度) |
203編 | 受賞 | 嶋中潤[注 5] | 代理処罰[注 6] | 2014年2月 | 2016年3月 |
候補 | 栁沼庸介 | コンプライアンス | ||||
戸南浩平 | 炎冠 | |||||
村瀬渉 | 沈黙の祈り | |||||
第18回 (2014年度) |
173編 | 受賞 | 直原冬明 | 十二月八日の幻影[注 7] | 2015年2月 | 2017年2月 |
候補 | 榊諒悟 | キャピタリスト | ||||
戸南浩平 | ワルモン | |||||
吉原啓二 | GMモンスター | |||||
第19回 (2015年度) |
172編 | 受賞 | 嶺里俊介 | 星宿る虫 | 2016年2月 | 2018年3月 |
候補 | 碓井圭 | 罪を継ぐ者 | ||||
吉田直生 | 捕食者 | |||||
斉木円 | モダン・グラディエーター | |||||
第20回 (2016年度) |
194編 | 受賞 | 戸南浩平[2] | 木足の猿[注 8] | 2017年2月 | 2019年3月 |
候補 | 松野美加子 | 泳いだ人 | ||||
越尾圭 | さいはての楽園 | |||||
吉原啓二 | ハンドラー | |||||
第21回 (2017年度) |
183編 | 受賞 | 北原真理[注 9][3] | 沸点桜(ボイルドフラワー) | 2018年2月 | 2020年3月 |
候補 | 雨地草太郎 | 幻狼亭事件 | ||||
犬塚理人 | 蒼ざめた馬に乗れ | |||||
斎堂琴湖 | レンタル探偵と雪の街 | |||||
第22回 (2018年度) |
139編 | 受賞 | 辻寛之 | インソムニア[注 10] | 2019年2月 | 2021年3月 |
候補 | 越尾圭 | まぼろしの人 | ||||
斎堂琴湖 | アクリルムーン | |||||
システムL | 神なき国に | |||||
服部倫 | 捕食寄生 | |||||
第23回 (2019年度) |
139編 | 受賞 | 城戸喜由[注 11] | 暗黒残酷監獄 | 2020年2月 | 2022年3月 |
候補 | 麻加朋 | フランケン・ドリーマー | ||||
寺田剛 | 三月に舞った免罪符 | |||||
西形明将 | ジャンヌ・ダルクの事件簿 | |||||
第24回 (2020年度) |
138編 | 受賞 | 茜灯里 | 馬疫[注 12] | 2021年2月 | 2023年3月 |
候補 | 麻加朋 | 破綻譜セレナーデ | ||||
椎名勇一郎 | ME | |||||
山本純嗣 | 贖罪の羊、虎を喰む | |||||
第25回 (2021年度) |
132編 | 受賞 | 麻加朋 | 青い雪 | 2022年2月 | 2024年3月 |
大谷睦 | クラウドの城 | 2022年2月 | 2024年3月 | |||
候補 | 黒澤主計 | 人間たちにはわからない | ||||
斎堂琴湖 | 荊姫は電気兎の夢を見る | |||||
第26回 (2022年度) |
147編 | 受賞 | 柴田祐紀 | 60% | 2023年2月 | |
候補 | 伊藤信吾 | 第一号法廷の死 | ||||
榛葉丈 | 残叫 | |||||
山本純嗣 | 夜明けの篝火 | |||||
第27回 (2023年度) |
188編 | 受賞 | 斎堂琴湖 | 燃える氷華[注 13] | 2024年3月 | |
候補 | 伊藤信吾 | 揺れる三つ葉 | ||||
柏村純 | 無邪気な犯罪者~象牙の塔の人々 | |||||
村井なお | 思い出爆破計画 | |||||
第28回 (2024年度) |
205編 | 受賞 | 衣刀信吾 | 午前零時の評議室 | ||
候補 | 柏村純 | 彷徨う虫 | ||||
雲井登一 | シリコンゲーム | |||||
榛葉丈 | 夏のかさぶた |
受賞者によるアンソロジー
[編集]- 街は謎でいっぱい~日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家アンソロジー~ (2018年5月 光文社文庫)
- 大石直紀、岡田秀文、新井政彦、望月諒子、嶺里俊介
- 街を歩けば謎に当たる~日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家アンソロジー2~ (2019年6月 光文社文庫)
- 海野碧、両角長彦、石川渓月、川中大樹、前川裕
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ ミステリー文学大賞:作家の佐々木譲さんに - 毎日新聞
- ^ “日本ミステリー文学大賞 作家の夢枕獏さんに”. 毎日新聞 (2017年10月25日). 2017年12月16日閲覧。
関連項目
[編集]- 光文文化財団が主催する賞