岩淵慶造
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岩淵 慶造(いわぶち けいぞう、1942年1月18日 - )は、日本のイラストレーター。SF、ミステリ、児童文学等の挿絵で知られる。
経歴
[編集]青森県弘前市出身。子供の頃から絵に親しみ、中学・高校では美術部に所属した。1962年に上京し、亜細亜大学商学部へ入学。1966年に卒業した。
その後一時はフリーの商業デザイナーとして働くが、イラストレーターへの転身を目論み、早川書房にイラストを持ち込む。はじめ『ミステリマガジン』編集長の各務三郎に会うが、彼から『SFマガジン』編集長・南山宏のほうへ廻され、そこでイラストレーターとしての初仕事を得る(『SFマガジン』1967年8月号で、掲載された小説レイ・ブラッドベリ「火と霜」および眉村卓「Expo'87」の挿絵を描いた)。
以降も『SFマガジン』および『ミステリマガジン』の挿絵・表紙絵を描いた。またマレイ・ラインスター『青い世界の怪物』(1970年)など、初期のハヤカワ文庫SFのイラストを手がけた。量的に最も多いのは児童書の仕事で、日本の作品では山本真理子『広島の姉妹』(岩崎少年文庫、1973年)、翻訳ものでは岩崎書店版『名探偵シャーロック・ホームズ』シリーズ(1988年 - 2000年)、オー・ヘンリー『賢者のおくりもの』(講談社青い鳥文庫、1990年)などのイラストがある。
イラストを担当した単行本
[編集]ここに挙げたものはごく一部である。
- フィリップ・ホセ・ファーマー『緑の星のオデッセイ』(矢野徹訳、早川書房、1970年)
- マレイ・ラインスター『青い世界の怪物』(野田昌宏訳、早川書房、1970年)
- A・E・ヴァン・ヴォクト『宇宙製造者』(矢野徹訳、早川書房、1971年)
- ジョン・ボイド『最後の地球船』(岡部宏之訳、早川書房、1971年)
- ビタリ・メレンチェフ『宇宙紀元ゼロ年』(北野純訳、岩崎書店、1971年)
- ロジャー・ゼラズニイ『地獄のハイウェイ』(浅倉久志訳、早川書房、1972年)
- H・G・ウェルズ『タイム・マシン』(塩谷太郎訳、岩崎書店、1972年)
- 山本真理子『広島の姉妹』(岩崎書店、1973年)
- 手島悠介『二十八年目の卒業式』(岩崎書店、1974年)
- C・L・ムーア&ヘンリー・カットナー『たそがれの地球の砦』(仁賀克雄訳、早川書房、1976年)
- 眉村卓『まぼろしのペンフレンド』(岩崎書店、1978年)
- 安房直子『ハンカチの上の花畑』(あかね書房、1980年)
- 和田登『青い目の星座』(岩崎書店、1980年)
- 槻野けい『あんパン110ばん』(講談社、1984年)
- 竹田まゆみ『冬のイニシアル』(偕成社、1986年)
- 新藤兼人『ハチ公物語』(小学館、1987年)
- 矢沢寛『美しく青きドナウ(東ヨーロッパ) - 音楽のたび』(岩崎書店、1988年)
- 馬場錬成『母さんのじん臓をあげる!』(偕成社、1989年)
- かつおきんや『緑の島はるかに - 台湾少年工物語』(大日本図書、1989年)
- 日比茂樹『氷あめのひみつ』(文溪堂、1995年)
- ヴィクトル・ユゴー『ああ無情』(辻昶訳、集英社、1989年)
- 赤座憲久『歴史学者・津田左右吉』(小峰書店、1998年)
- アーサー・コナン・ドイル『名探偵シャーロック・ホームズ』シリーズ(中尾明ほか訳、岩崎書店、1988年 - 2000年)
- オー・ヘンリー『賢者のおくりもの - オー・ヘンリー傑作選』(飯島淳秀訳、講談社、1990年)
- ジャン・マーク『夏・みじかくて長い旅』(百々佑利子訳、金の星社、1993年)
- イヴ・バンティング『春待つ家族』(児玉真美訳、講談社、1996年)
- 和田登『ピーターのばらの秘密』(講談社、1988年)
- リンダ・M・ネルソン『しあわせなろばのメシャク』(中村妙子訳、女子パウロ会 、2000年)