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大越愛子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大越 愛子(おおごし あいこ、1946年8月3日[1] - 2021年3月15日[2])は、日本の哲学者女性学者。VAWW-NETジャパン運営委員。

来歴・人物

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京都生まれ。京都大学文学部哲学科卒、1975年同大学院博士課程満期退学。1990年近畿大学文芸学部専任講師、93年助教授、98年教授[3]。2013年定年退任[1]

当初、仏教研究者の源淳子との共同作業で、西洋思想の輸入に偏していた80年代フェミニズムの中で、日本仏教の女性差別を指摘する著作を行い、その結果、例えば仏教研究者の植木雅俊『仏教の中の男女観』(岩波書店、2004年)によって仏教の女性差別に対して精査が行われることになるなど、一定の学問的成果を上げた[要出典]

1990年代後半以降は、慰安婦問題で論陣を張り、上野千鶴子を批判。また、女性国際戦犯法廷に関わった。2009年7月に開催されたVAWW-NETジャパン総会記念講演では松井やよりについて演説(「今なぜ、松井やよりなのか」)を行った[4]。近年は戦争反対の立場での政治的主張が多く、特にフェミニズムである必然性はなくなってきている。業績の一つにジョン・ボズウェル英語版の『キリスト教と同性愛』の翻訳がある。なお、宝塚歌劇のファンである。

2021年3月15日に死去。74歳没[2]

著書

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  • 『闘争するフェミニズムへ』未來社 1996
  • 『フェミニズム入門』ちくま新書 1996
  • 『近代日本のジェンダー 現代日本の思想的課題を問う』三一書房 1997
  • 『女性と宗教』岩波書店 1997
  • 『フェミニズムと国家暴力 トランスナショナルな地平を拓く』世界書院 2004

共編著

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  • 『女性と東西思想』源淳子共著 勁草書房 1985
  • 『女と男のかんけい学』山村嘉己共編 明石書店 1986
  • 『性差別する仏教 フェミニズムからの告発』山下明子・源淳子共著 法藏館 1990
  • 『解体する仏教 そのセクシュアリティ観と自然観』源淳子共著 大東出版社 1994
  • 『ジェンダー化する哲学』志水紀代子共編著 昭和堂 1999
  • 『加害の精神構造と戦後責任』池田恵理子共編 緑風出版 2000 (日本軍性奴隷制を裁く-2000年女性国際戦犯法廷の記録 第2巻)
  • 『フェミニズム的転回 ジェンダー・クリティークの可能性』井桁碧藤目ゆき小川真里子等共著 白澤社 2001
  • 『現代文化スタディーズ』堀田美保共編 晃洋書房 2001
  • 『現代文化テクスチュア』清眞人,山下雅之共編著 晃洋書房 2004
  • 『戦後思想のポリティクス』井桁碧共編著 青弓社 2005(戦後・暴力・ジェンダー)
  • 『思想の身体 性の巻』井桁碧共編著 春秋社 2006
  • 『脱暴力へのマトリックス』井桁碧共編著 青弓社 2007(戦後・暴力・ジェンダー)
  • 『現代フェミニズムのエシックス』井桁碧共編著 青弓社 2010(戦後・暴力・ジェンダー)
  • 『ジェンダーとセクシュアリティ 現代社会に育つまなざし』倉橋耕平共編 昭和堂 2014

翻訳

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脚注

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  1. ^ 『現代物故者事典 2021〜2023』日外アソシエーツ、2024年、p.105。
  2. ^ a b 大越愛子さん死去 朝日新聞 2021年4月2日 2021年4月3日閲覧。
  3. ^ 近畿大学
  4. ^ バウネットジャパン総会記念講演「今なぜ、松井やよりなのか」