大観覧車 (ウィーン)
大観覧車(だいかんらんしゃ、独: Wiener Riesenrad)は、オーストリアのウィーンのレオポルトシュタット区のプラーター公園にある観覧車。映画『第三の男』に登場したことで知られる。
概要
[編集]イギリスの退役海軍軍人ウォルター・B.バセット (Walter Basset Basset, 1864 - 1907) により1897年に、フランツ・ヨーゼフ1世 (オーストリア皇帝)の在位50年記念のために建設された。バセットはヨーロッパに4基の観覧車を建設したが、この観覧車はそのうち現存する唯一のもので、年次的にはイギリスのロンドン、ブラックプールに次ぐ3番目である。形状はかつてブラックプールに存在したものとほとんど同じである。
バセットは翌年フランス・パリに当時世界最大の観覧車「グランド・ルー・ド・パリ」を建設するが、グランド・ルー・ド・パリが撤去されてからは、このプラーター公園の大観覧車が現役世界最大となった。1944年第二次世界大戦の戦火に焼かれ、戦後には撤去の声も上がったが、30あった客車を15に減らして輪への負担を少なくすることで耐え抜き、1981年に神戸ポートピアランドに設置されたジャイアントホイール(現存せず)に抜かれるまで、半世紀以上現役世界最大の座を保持し続けた。ワゴンの数 15、全高 地上64,75m、ホイールの直径 60,96m(= 200フィート)、ホイールの外径 55,78m、ホイールの内径 49,68m、観覧車の軸 長さ10,78m、太さ0.5 m、16.3 t、ホイールの重量 244,85t、鉄構造物の総重量 430,05t、回転速度 0.75m/秒=2,7km/h。
2017年2月13日放送のNHK Eテレ『旅するドイツ語』番組内にて、旅人(パーソナリティ)の一人スザンネ・シェアマンにより、ゴンドラの定員は20名であり、パーティの開催も可能(要予約)である事が明言された。なお、撮影当時のゴンドラ内は落書きで一杯であった。
参考文献
[編集]- 福井優子『観覧車物語―110年の歴史をめぐる―』 平凡社、2005年、p119 - 128。ISBN 978-4582832518
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]先代 グランド・ルー・ド・パリ |
世界最大の観覧車 1920-1981 |
次代 ジャイアントホイール |