塩津神社古墳
塩津神社古墳 | |
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![]() 石室開口部 | |
所在地 | 島根県安来市久白町 |
位置 | 北緯35度25分31.05秒 東経133度12分33.10秒 / 北緯35.4252917度 東経133.2091944度座標: 北緯35度25分31.05秒 東経133度12分33.10秒 / 北緯35.4252917度 東経133.2091944度 |
形状 | 不明 |
埋葬施設 | 石棺式石室 |
築造時期 | 6世紀代 |
史跡 | 安来市指定史跡「塩津神社古墳石棺」 |
特記事項 | 墳丘は非現存 |
地図 |
塩津神社古墳(しおつじんじゃこふん/しおづじんじゃこふん)は、島根県安来市久白町(くじらちょう)にある古墳。安来市指定史跡に指定されている。
概要
[編集]島根県東部、安来平野西縁の丘陵山麓に築造された古墳である。後背の丘陵上には塩津山墳墓群(塩津山古墳群)が分布する。現在では塩津神社に隣接し、古墳前を市道が通る。墳丘は失われて石室が露出しているほか、発掘調査は実施されていない。
墳形は明らかでない。周辺では埴輪片が採集されている。埋葬施設は石棺式石室で、南方向に開口する。玄室・羨道から構成されたとみられるが、現在は玄室のみが遺存する。玄室が一枚石の組み合わせで家形石棺状に構築された石室であり、同様の石室は出雲地方東部に分布する。古くから開口するため、石室内の副葬品は詳らかでない。築造時期は古墳時代後期の6世紀代と推定される。
古墳域は1967年(昭和42年)に安来市指定史跡に指定されている。なお、周辺では同様の石棺式石室として若塚古墳が知られる。
埋葬施設
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埋葬施設としては石棺式石室が構築されており、南方向に開口する。玄室・羨道から構成されたとみられるが、現在では玄室のみが遺存する。玄室の規模は、長さ2メートル・幅3.15メートル・高さ2.2メートルを測る[1]。
石室の石材は、浮石凝灰岩(荒島石)。玄室の奥壁・側壁はいずれも一枚石で、奥壁・前壁で両側壁を挟んで組み合わせており、奥壁と前壁には組み合い部に刳り込みが認められる。天井石も一石で、内面は平入り四注式の家形屋根状に加工されている。石室内面にはノミ痕が残る。玄門は幅0.65メートルで、外側には閉塞石をはめ込むための刳り込みが認められる。石室外側では、天井石と奥壁石・前壁石の小口部に縄掛突起を造り出しており、天井石の上面も風化前は家形を呈した可能性がある[1]。
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玄室右側壁(西壁)
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玄室奥壁
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玄室左側壁(東壁)
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玄室背面
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塩津神社古墳石室と塩津神社(右奥)
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石室展開図
文化財
[編集]安来市指定文化財
[編集]- 史跡
- 塩津神社古墳石棺 - 1967年(昭和42年)1月1日指定。
関連施設
[編集]- 安来市立歴史資料館(安来市広瀬町町帳)
脚注
[編集]参考文献
[編集](記事執筆に使用した文献)
- 史跡説明板(安来市教育委員会設置)
関連文献
[編集](記事執筆に使用していない関連文献)
- 『石棺式石室の研究 -出雲地方を中心とする切石造り横穴式石室の検討-』出雲考古学研究会、1987年。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 塩津神社古墳 - 島根県「山陰史跡探訪」