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塩化オスミウム(IV)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩化オスミウム(IV)
識別情報
CAS登録番号 10026-01-4 チェック
PubChem 4070891
UNII 950AA6B72O ×
特性
化学式 OsCl4
モル質量 332.041 g/mol
外観 赤黒色斜方晶結晶
密度 4.38 g/cm3
融点

323℃で分解

への溶解度 水と反応
溶解度 塩酸に可溶
構造
結晶構造 斜方晶, oS10
空間群 Cmmm, No. 65
関連する物質
その他の陰イオン 酸化オスミウム(IV)
その他の陽イオン 塩化鉄(III)
塩化ルテニウム(III)
塩化オスミウム(III)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

塩化オスミウム(IV)(Osmium(IV) chloride)または四塩化オスミウム(Osmium tetrachloride)は、オスミウム塩素からなる無機化合物で、実験式はOsCl4である。2つの結晶形を持つ多形である。他のオスミウム複合体を合成するのに用いられる。

合成・構造・反応

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金属オスミウムの塩素化の生成物として1909年に初めて報告された[1]。この方法では、2つの形のうち、高温の形が形成される[2]

Os + 2 Cl2 → OsCl4

この赤黒い結晶は斜方晶であり、オスミウム中心は八面体配位し、OsCl6の端同士を共有して鎖状になっている[3]。一方、酸化オスミウム(VIII)塩化チオニルで還元すると、茶色の立方晶が得られる[4]

OsO4 + 4 SOCl2 → OsCl4 + 2 Cl2 + 4 SO2

酸化オスミウム(VIII)は塩酸に溶解し、ヘキサクロロオスミウムアニオンが生成する。

OsO4 + 10 HCl → H2OsCl6 + 2 Cl2 + 4 H2O

出典

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  1. ^ Otto Ruff and Ferd. Bornemann (1910). “Uber das Osmium, seine analytische Bestimmung, seine Oxyde und seine Chloride”. Zeitschrift fur anorganische Chemie 65: 429-456. doi:10.1002/zaac.19100650126. https://zenodo.org/record/1428118. 
  2. ^ Cotton, S. A. (1997). Chemistry of Precious Metals. London: Chapman and Hall. ISBN 0-7514-0413-6 
  3. ^ Wells A.F. (1984). Structural Inorganic Chemistry (5th ed.). Oxford Science Publications. ISBN 0-19-855370-6 
  4. ^ Paul Machmer (1967). “On the polymorphism of osmium tetrachloride”. Chem. Commun. (12): 610a. doi:10.1039/C1967000610A.