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国立競技場のデザインコンペ (2012年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

国立競技場のデザインコンペ(こくりつきょうぎじょうのデザインコンペ)は、2012年平成24年)に行われた日本国立競技場の建て替えデザインコンペティション2020年夏季オリンピックの開催都市決定の前年に開催された。正式名称は新国立競技場基本構想国際デザイン競技(しんこくりつきょうぎじょうきほんこうそうこくさいデザインきょうぎ)。

概要

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2012年7月13日に日本スポーツ振興センター(JSC)と国立競技場将来構想有識者会議は、コンペの実施を決定した。スポーツ施設が集積する明治神宮外苑の狭い立地ながら、「2019年9月のラグビーW杯(2009年(平成21年)7月28日に開催地決定)の会場使用に間に合うこと」「8万人規模」「開閉式の屋根(夏季五輪のメイン会場では初[1][2])」「延床面積約290,000m2」などの細かい指定[3] が募集要項に記載され、「総工事費は、約1,300億円程度を見込んでいる」とも記された[4]。新聞見開き全面広告[5] では、「完成は2018年度」と記載された[6]

約2か月の募集期間の応募総数は計46件(海外34・国内12)あり、技術調査・予備審査・一次審査で11件(海外7・国内4)に絞られた[7][8][9]。2012年(平成24年)11月15日[注 1][10]有識者会議(第3回)での承認後、審査結果が発表され、イギリスザハ・ハディドの作品が最優秀賞に決定した。最後まで競った他の2作品は、それぞれ優秀賞(オーストラリアのAlastair Richardson、Cox Architectur)と入選(日本妹島和世SANAA事務所+日建設計)となった[11]

翌2013年には2020年夏季五輪の東京開催が決まったが、メイン会場である国立競技場のザハ案は建設コストの大幅な膨らみにより2015年に白紙化され、再コンペが行われることとなった。

公募内容

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2012年7月20日日本スポーツ振興センターは「新国立競技場」(仮称)デザインの国際設計競技の詳細を発表し、公募を開始した[12]。募集要項は、スポーツWGと文化WGの要望[13] を、建築WG(座長:安藤忠雄)が取りまとめた[14]

7月13日の計画内容では、「周辺の都立明治公園や日本青年館まで敷地を広げてサブトラックを敷設」となっていたが、発表した詳細によると敷地をそこまで広げるがサブトラックは敷設されない。明治神宮外苑軟式グラウンドをサブトラック(2015年現在、仮設の可能性が高いとしている[15])に、明治神宮第二球場を投擲種目の練習場にする構想である。

審査委員 11名 (役職は当時[16][17]

有識者審査委員 (施設建築) 委員長 安藤忠雄 建築WG座長[14] 建築家
委員 鈴木博之 建築計画・建築史[14] 青山学院大学教授
岸井隆幸 都市計画[14] 日本大学教授
内藤廣 建築計画・景観[14] 東京大学副長
安岡正人 環境・建築設備[14] 東京大学名誉教授
(スポーツ利用) 小倉純二 スポーツWG座長[14] 日本サッカー協会
(文化利用[注 2] 都倉俊一 文化WG座長[14] 日本音楽著作権協会
日本国以外の籍を有する
建築家審査委員
リチャード・ロジャース イギリスの旗 イギリス 建築家(最終審査は欠席[20]
ノーマン・フォスター
主催者 河野一郎 日本スポーツ振興センター理事長
実現可能性を確認する
専門アドバイザー
和田章 建築構造[14]
※技術調査員と兼任
東京工業大学名誉教授
日本建築学会会長

技術調査員[16]

  • 総括管理 - 和田章(東京工業大学) ※審査委員の専門アドバイザーと兼任
  • 建築分野 - 【構造】三井和男(日本大学)
  • 建築設備 - 【メカニカル】藤田聡(東京電機大学)、【空調】川瀬貴晴(千葉大学、建築設備技術者協会会長)、【音響】坂本慎一(東京大学)
  • 施工・品質分野 - 野口貴文(東京大学)
  • 都市計画分野 - 関口太一(都市計画設計研究所
  • 積算分野 - 木本健二(芝浦工業大学)
  • 事業計画分野 - 東一洋(日本総合研究所
  • 建築法規分野 - 【防災計画】河野守(東京理科大学)

ワーキンググループ[21][22][23]

応募資格 (1)-(3) まであり、(3)のみを抜粋[24][注 3]

(3) 応募者の代表者若しくは構成員が次のいずれかの実績を有する者であること。

1 次のいずれかの国際的な建築賞の受賞経験を有する者
1) 高松宮殿下記念世界文化賞(建築部門)
2) プリツカー賞
3) RIBA(王立英国建築家協会ゴールドメダル
4) AIA(アメリカ建築家協会ゴールドメダル
5) UIA(国際建築家連合ゴールドメダル
(※日本5 - 安藤 伊東 谷口[注 4]
(※日本7 - 安藤 槇 伊東 妹島/西沢 [注 4]
(※日本4 - 安藤 伊東 磯崎[注 4]
(※日本3 - 安藤 槇[注 4]
(※日本2 - 安藤 槇)
2 収容定員1.5万人以上のスタジアム(ラグビー、サッカー又は陸上競技等)の基本設計又は実施設計の実績を有する者
なお、実績を有する場合にはその基本設計又は実施設計において、管理技術者又は建築意匠に関する主任技術者として主要な役割を果たした者であることを要する。

審査と結果

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締切の2012年9月25日までに計46作品(国内12点 / 海外34点)が集まり、同10月30日に1次審査に残った11点[25] の作品が発表された。応募期間が短かったことから安藤委員長が海外の著名建築家らに直接メールを送ってコンクールを告知もした[13]

同年11月7日の最終審査では「未来を示すデザイン」「スポーツ・イベントの際の実現性」「技術的チャレンジ」「実現性」の4項目で判断された[26]11月15日に最終審査結果が発表され、ザハ・ハディドが経営するイギリスの建築設計事務所ザハ・ハディド・アーキテクトのデザインが「最優秀賞」、オーストラリアのコックス・アーキテクチャーが「優秀賞」、日本のSANAAおよび日建設計が「入選」を受賞した[27]2013年3月19日の表彰式には、関係者のほか義家弘介(文部科学大臣政務官)やSPORTS JAPAN アンバサダーらも招かれた[28]。ザハ・ハディドには賞金の2000万円が贈られ、基本設計・実施設計・施工のそれぞれの段階で「監修」に当たることになった(後に監修料13億円を支払うデザイン監修契約も結ばれるに至った[29])。なお、コンペでは「実施設計者」は選ばれなかった[30]。審査委員長の安藤忠雄は後に、このデザインコンペが「アイデアのコンペ」だったとの認識を示した[31]

応募期間が約2か月しかなかったことについて、2次審査まで残った渡辺邦夫が「コンペ自体が実際に作る競技場の案を募るためではなく、国際オリンピック委員会(IOC)に開催を認めてもらえる案を決めるために行われた」との見解を示した。IOCへの計画書提出期限は2013年1月に迫っていた[32]

審査員だった内藤廣も一個人の見解として2013年、「世論喚起を急ぐあまり、広告代理店による誤解を招くような事前の情報発信があったこと」を反省点に挙げた[33]。内藤は翌2014年、シンポジウム「新国立競技場の議論から東京を考える」の場で、同席したザハ案に異議を唱え続ける槇文彦らに対し、当時コンペの応募資格を日本建築家協会の新人賞受賞者や日本建築学会の受賞者などまで広げるべきではと主張したが実現しなかったことを、打ち明けた(前記の一覧のように個人による応募資格のハードルは高かった)[30][34]。内藤は審査で唯一、ザハ案建設費用についての懸念を示していた[35]

また同年7月には(2013年11月に続き[36])、応募時のハディドの案が公募条件の建設範囲を逸脱していたものの、事後修正すれば良いとJSCにみなされたことが、東京新聞によって報道された[37]

なお、芦原太郎日本建築家協会長)の談話によると、ザハ・ハディドは新国立競技場の設計者ではなくデザイン監修者であり、設計は日本の設計者が担当するという、設計責任を負わない形式になっているという[38]

全46作品の一覧

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  • 応募全46作品(★は最終選考の11作品[8]。数字は「作品番号」)[9]
応募者(企業名) 所在国 代表者
01 Jackson Architecture オーストラリアの旗 豪州 Matthew Drysdale
02 優秀賞 Cox Architecture Alastair Richardson
03 U+EA (Derek Wilson Architects + Atelier Ashley Munday) イギリスの旗 イギリス Mr. Ashley Munday
04 Herzog & de Meuron Basel Ltd スイスの旗 スイス Mr. Stefan Marbach, Partner Herzog & de Meuron
05 Antoine Predock Architect PC アメリカ合衆国の旗 米国 Antoine Predock, FAIA
06 COOP HIMMELB(L)AU Wolf D.Prix & Partner ZT GmbH  オーストリア Wolf D.Prix
07 SV60 arquitectos スペインの旗 スペイン Antonio González Cordón
08 stadiumconcept design consulting ドイツの旗 ドイツ dipl. ing. architect peter knoebel
09 POPULOUS[注 5] イギリスの旗 イギリス ROD SHEARD
10 Heery International, Inc. アメリカ合衆国の旗 米国 Michael Holleman
11 Andrea Maffei Architects s.r.l. / Yoshino Hiroshi Architect Office / Studio Tecnico Majowiecki / Kankyo-Engineering Co., Ltd. イタリアの旗 イタリア Andrea Maffei
12 UNStudio / Yamashita Sekkei Inc. オランダの旗 オランダ UNStudio VAN BERKEL EN BOS U.N. STUDIO B.V
13 Architectural Systems Office スイスの旗 スイス Josep Acebillo
14 MOREAU KUSUNOKI / Egis Batiment International フランスの旗 フランス Nicolas MOREAU
15 DE LA CARRERA CAVANZO + MEMA ARQUITECTOS  コロンビア Fernando de la Carrera (De la Carrera Cavanzo)
16 李祖原総合建築師事務所 / 環境設計研究室 / ムダン空間工作所 / Gerd Zimmermann 中華民国の旗 台湾 李祖原
17 最優秀賞 Zaha Hadid Architects イギリスの旗 イギリス Zaha Hadid
18 Crawford Architects アメリカ合衆国の旗 米国 David Murphy
19 Rafael Viñoly Architects Rafael Viñoly
20 David Chipperfield Architects Gesellschaft von Architekten mbH ドイツの旗 ドイツ Harald Müller
21 FMA, Farshid Moussavi Architect + KSS Group イギリスの旗 イギリス Farshid Moussavi
22 IDEA IMAGE INSTITUTE OF ARCHITECTS (IIIA) 大韓民国の旗 韓国 CHUL-HEE KANG
23 黒川・DNA・オリエンタルコンサルタンツ・ナインステップス設計共同企業体 日本の旗 日本・東京 黒川未来夫[注 6]
24 TABANLIOĞLU Architects Consultancy Limited Company トルコの旗 トルコ İhsan Murat Tabanlıoğlu
25 (株)昭和設計 日本の旗 日本・大阪 沼田亘
26 DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS & A+ARCHITECTURE フランスの旗 フランス 田根剛[39]
27 劉培森建築師事務所 中華民国の旗 台湾 劉培森
28 (株)遠藤秀平建築研究所+Schulitz+Partner Architects 日本の旗 日本・大阪 遠藤あおい
29 坂茂建築設計 / Atelier Frei Otto + Partne / 松田平田設計 日本の旗 日本・東京 坂茂[40]
30 Xaveer De Geyter Architecten B.V.B.A ベルギーの旗 ベルギー Xaveer De Geyter
31 (株)針生承一建築研究所 日本の旗 日本・宮城 針生承一
32 (株)梓設計 日本の旗 日本・東京 杉谷文彦
33 伊東豊雄建築設計事務所 伊東豊雄
34 入選 (有)SANAA事務所 + (株)日建設計 妹島和世
35 gmp・International GmbH ドイツの旗 ドイツ Hubert Nienhoff
36 (株)佐藤総合計画 日本の旗 日本・東京 細田雅春
37 (株)環境デザイン研究所 仙田順子
38 Pelli Clarke Pelli Architects & Kume Sekkei アメリカ合衆国の旗 米国 Cesar Pelli
39 (株)鶴岡・泉・吉田建築設計室 日本の旗 日本・東京 鶴岡謙臣
40 SOUTO MOURA - ARQUITECTOS, S.A. ポルトガルの旗 ポルトガル EDUARDO SOUTO DE MOURA
41 DiG Sowińscy Architekci Sp. J.(+Szymon Kalata Studio Kalata+Przemysław Tymoszuk VIVA ARQUITECTURA!) ポーランドの旗 ポーランド Grzegorz Sowiński
42 Zwarts & Jansma Architects オランダの旗 オランダ R. Torsing MSc.
43 EGA_ERIK GIUDICE ARCHITECTURE フランスの旗 フランス Erik Giudice
44 (株)I・I・E国際環境研究所、(株)中田捷夫研究室、(株)テーテンス事務所、(株)アトリエテン 日本の旗 日本・東京 左高啓三
45 M. Arthur Gensler Jr & Associates, Inc. アメリカ合衆国の旗 米国 Ron Turner
46 Jakupa Architects & Urban Designers in association with Tsai Design Studio 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ Pragasen Pather

ザハ・ハディド案

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2012年のコンペで一旦選ばれたザハ・ハディド[41][注 7]。サドル型スタンドを採用[43][44][45]

座席間隔は、国際試合の標準とされる500mmが理想だったが、8万人規模実現のため480mm(一部は460mm)基準とせざるを得なかったという[46]

設計体制・施工体制

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ザハ事務所(ZHA)は「デザイン監修」としての参加だった[47]

設計(ZHAと4社[48][49][50]

この他にZHAの依頼で、開閉式屋根の専門家・ドイツの構造エンジニア会社、シュライヒ・バーガーマン・パートナー事務所も、コンサルタントとして加わったという[52][53]。「基本設計」ではZHAから10人と設計JVから40 - 50人、「実施設計」ではZHAから6 - 8人と設計JVから約100人が参加した[54]

施工(2社)

「新国立競技場 発注者支援業務 プロジェクト取組体制」も設置された(2013年8月時点)[57]

  • 3社のJV - 山下設計[注 11](建築意匠、建築構造、電気設備の各検証)、山下ピー・エム・コンサルタンツ(全体マネジメント、機械設備検証)、建設技術研究所(土木検証)
  • その他 - 川口衞構造設計事務所(構造アドバイザー)、尾島俊雄研究室(環境アドバイザー)

キールアーチと地中構造物

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屋根(正式な呼称は開閉式遮音装置[58])を支えるための、2本の弓状構造物「キールアーチ[59]。日本では開閉式ではないものの、岩手県営体育館埼玉スタジアム2002豊田スタジアム[60]ベスト電器スタジアムなどでも用いられている[61]。しかし、ザハ案は大規模かつ、長さに対しては低すぎるため不安定で、建設が困難という専門家の指摘もあった[62]

広がろうとする力を止めるために、周囲をクロスタイやサイドストラット、ミニサイドストラットでも支える構想[63] の他、ケーブルでアーチ両端を結び、地中構造物の「アーチタイ」(鉄筋2300トン・コンクリート2万5000m3を使用とも)で固定する設計だった[64]。当初は「スラストブロック」を用いる予定で、付近の都営地下鉄大江戸線(地下30m程度)との兼ね合いが指摘された[65][66]。屋根工区全体の鉄骨重量は約2万トン[67][68]・約200億円[69] といわれ、約3万トン・長さ370m・断面の直径7mという試算(森山高至[70])もあった。

アーチは、内部が骨組み有りの空洞で、換気ルートとしても活用[71][72]

ザハ案と旧国立競技場の比較

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ザハ案 旧国立

2015.07
実施設計
[73]
2014.05
基本設計<
[74][75]
面積 (m2
21万9430. 96 [29] 21万0878 延べ敷地
11万3039. 62 11万3366 敷地 [76] 7万1707
[77] 7万3958
(最大) 1万4380
(陸上) 1万8370
←フィールド
グラウンド→
[78] 1万7851
7万8110. 21 [29] 7万3225 建築面積 [76] 3万3716
スタンド面積 [76] 2万5346
その他設備
[79] S一部SRC造 地上6階/地下2階 構造 [76] RC一部S造 5階
3層式
(最大) 8万0305
(陸上) 7万2168
3層式
(最大) 8万0137
[29](陸上) 7万2634
座席数 [78] (1958) 5万2000
1964) 7万1556
消防法で) 5万4224
[80] 400m 9レーン 陸上トラック [81] 400m 8レーン
西) 約 70 m / [71](東) 約 62 m
建築基準法上の高さ 67. 05 m
建物
最高高さ
[82] 約 30 m
[83] 照明塔 52. 32 m
予算・工期
[77] 2520億円 総工費 [77] 約 11億円
[77] 40億8100万円 [84] 38億4241万円 ※ 収入 / 年 [77] 約 7億5000万円
[77] 40億4300万円
[85] 1046億円 / 50年
[84] 35億1174万円 ※ 支出 / 年 [70][77] 約 7億円
[86] 3年8か月 [86] 3年6か月 工期 [87] 1年3か月
  • 延べ敷地 - 機能上の面積([88] 基本設計:22万2606m2)とは異なる。当初2012年の募集要項では約29万m2[4]
  • 構造 - 旧国立は、地下階は無いが地下通路はあった。
  • 座席数 - 最大=フットボールモード、陸上=陸上モード(実施設計:車いす席146席の場合で、同406席では最大7万6555席・陸上6万8418席)。
  • 総工費 - 旧国立は、現在の貨幣価値で約190億円とも[87][89]
  • ※収支 - 旧国立は、2009 - 2013年度平均。支出すなわち維持管理費

関連組織

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有識者会議

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国立競技場将来構想有識者会議[90]女性メンバーは皆無だった(WGには数名いた)。

計6回(2012年3月6日・7月13日[91]・11月15日、2013年11月26日、2014年5月28日、2015年7月7日)開かれ、2015年7月23日に解散した[92](メンバーだった舛添都知事自身が在り方に疑問を呈してもいた[93])。

「施設建築」「スポーツ」「文化」の下部組織3ワーキンググループ(WG)から、コンペ前に計128項目の要望が寄せられ[3]、電機メーカーなどから最先端技術の導入案も集まった[94]。なお、民主党政権下の有識者会議(第1 - 3回)資料は、ほぼ未公開だった[95]。ザハ案が決定した第3回の「議事録(要旨)」は公開されていたが、2015年8月に完全版の「発言録」を自民党行革本部が入手し開示した[96][97]

平成26年度
旧メンバー
佐藤禎一 元文部事務次官、元ユネスコ代表部特命全権大使 【委員長(座長[98])】
安西祐一郎 日本学術振興会理事長
安藤忠雄 WG 建築家 ※建築WG座長[14]
遠藤利明 自民党スポーツ議連・東京大会推進議連幹事長、2015年6月25日に五輪相に就任
小倉純二 WG 日本サッカー協会名誉会長 ※スポーツWG座長[14]
鈴木秀典 日本アンチ・ドーピング機構会長
竹田恒和 日本オリンピック委員会会長
張富士夫 日本体育協会会長、トヨタ自動車名誉会長
都倉俊一 WG 日本音楽著作権協会会長、作曲家 ※文化WG座長[14]
鳥原光憲 * 日本障がい者スポーツ協会会長
舛添要一 猪瀬直樹
石原慎太郎 *
東京都知事
森喜朗 日本ラグビー協会会長→名誉会長、東京大会組織委会長、第85・86代首相
横川浩 河野洋平 * 日本陸上競技連盟会長
笠浩史 鈴木寛 *[99] 民主党、東京大会推進議連幹事長代理

備考

※ 安藤・小倉・都倉は、「新国立競技場国際デザイン競技」審査員も務めた。
★ 第6回は、馳浩(自民党、スポーツ議連事務局長)[100]
* 第3回代理:伍藤忠春副会長、秋山俊行副知事、尾縣貢、奥田[96]

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 野田内閣による衆議院解散近いうち解散)の前日である。
  2. ^ 施設利活用(文化)グループ。メンバーは電通博報堂NHKキョードー東京などのメディアや、個人では残間里江子[18][19]
  3. ^ 審査委員長の安藤忠雄は、1の1)- 5)すべてで受賞歴がある。
  4. ^ a b c d 故人では丹下健三も。
  5. ^ 2012年のロンドン・オリンピック・スタジアムを設計した。
  6. ^ 故・黒川紀章の長男。
  7. ^ なお、ザハと共にパートナーのパトリック・シューマッハを、このプロジェクトのデザイナーとして併記している出典もある[42]
  8. ^ コンペ No.34
  9. ^ コンペ No.32
  10. ^ ザハ側(ロンドン五輪の際にアクアティクス・センターの設計でも仕事を共にした)からの意向で、JVに組み込まれたとの報道もある[51]
  11. ^ コンペ No.12

出典

[編集]
  1. ^ 読売、2015年7月17日 朝刊39面 「再考 新国立」
  2. ^ 「安いほどいい」…菅氏 - 読売、2015年7月19日
  3. ^ a b 検証・新国立競技場白紙撤回 - 毎日、2015年8月7日
  4. ^ a b 国際デザイン競技募集要項 11,14-17,21頁 PDF
  5. ^ 新国立競技場再コンペに思う - 山本昌史のブログ、2015年7月21日
  6. ^ 朝日、2012年7月21日 朝刊20・21面
  7. ^ 「ザハ」なぜ選ばれた - Kenplatz(日経アーキテクチュア 2014年6月4日付)再構成
  8. ^ a b 新国立競技場コンペ、11点が最終審査に - 日経BP社 ケンプラッツ、2012/10/31
  9. ^ a b II 応募作品紹介46作品(登録順)-1/2 II 応募作品紹介46作品(登録順)-2/2 IV 入賞作品 PDF
  10. ^ 日本スポーツ振興センターのやりたい放題 (4/7) - 日経BP社(SAFETY JAPAN 細野透)2015年 7月17日
  11. ^ 1300億円で建て直し 英建築家案を採用 - 日経新聞、2012年11月15日
  12. ^ 新国立競技場 国際デザイン・コンクール
  13. ^ a b 東京新聞新国立競技場を考える 「施設建築ワーキンググループ」議事録検証 東京新聞 2014年10月5日
  14. ^ a b c d e f g h i j k l 回答文 - 神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会
  15. ^ 新国立競技場:サブトラックは仮設 東京五輪・組織委 - 毎日新聞 2015年3月18日
  16. ^ a b I デザイン競技の概要・応募状況
  17. ^ 五輪誘致なるか 国立競技場「建て替え案」公募の目算 2012/7/27 日本経済新聞 電子版
  18. ^ 第1567回 - 残間里江子ブログ 駄目で元々、雨、アラレ。 2012年11月21日
  19. ^ 第2536回 - 残間里江子ブログ 駄目で元々、雨、アラレ。 2015年7月21日
  20. ^ 新国立競技場:英の建築家2人 デザイン審査会議を欠席 毎日新聞 2013年11月20日
  21. ^ hangorinnokai 8:49 - 2014年6月11日
  22. ^ 委員名簿
  23. ^ 国立競技場将来構想ワーキンググループ 施設利活用(文化)グループ委員名簿
  24. ^ 国際デザイン競技の手続開始の公示
  25. ^ 新国立競技場基本構想国際デザイン競技 第三回審査委員会 資料 - 神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会
  26. ^ 国際デザイン競技(第3回)審査委員会 議事録 10頁 PDF
  27. ^ 国立競技場、1300億円で建て直し 英建築家案を採用 日本経済新聞 2012年11月15日
  28. ^ V 表彰式
  29. ^ a b c d ラグビーW杯に間に合わない!?新国立“リスク判定”へ①『東スポweb』2014年9月26日
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  32. ^ 奇矯「女性建築家」の奇天烈「新国立競技場」にGOサインを出した「安藤忠雄」の罪 矢来町ぐるり 週刊新潮 2015年6月18日号
  33. ^ 内藤廣が新国立騒動にもの申す「ザハに最高の仕事を」<追加情報あり> 日経BP社 ケンプラッツ 修正:2013.12.16
  34. ^ 槇文彦、内藤廣らが登壇 シンポジウム「新国立競技場の議論から東京を考える」レポート japan-architects.com 2014年10月3日
  35. ^ No.3682“迷走” 新国立競技場 - NHK クローズアップ現代 2015年7月8日放送
  36. ^ 建設範囲大きく超過 新国立競技場デザイン 東京新聞(TOKYO Web) 2013年11月9日 朝刊
  37. ^ 新国立競技場 応募時 高さ条件10メートル超す 東京新聞(TOKYO Web) 2014年7月14日 朝刊
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  41. ^ 新宿区第55回景観まちづくり審議会 報告2 資料 21頁 PDF
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参考文献

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  • 「新国立」破綻の構図」『日経アーキテクチュア』2015年10月10日号  no. 1049、日経BP、2015年10月10日、28-61頁。 

関連項目

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外部リンク

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