クリスタル観光バス
株式会社クリスタル観光バス(クリスタルかんこうバス)は、かつて人材派遣・業務請負の最大手だったクリスタルの傘下でバス事業を行っていた子会社群。合計4社の同名企業が、東京都北区、愛知県名古屋市、大阪府東大阪市、和歌山市に存在していたが、東京・愛知・大阪の3社はその後大阪バスグループ(現・東京バスグループ)に移り社名を変更しており、グループから離脱した和歌山の1社のみが2019年現在この社名で事業を継続している。
本項では上記4社について記述しているが、そのうち和歌山の1社については更に別節を設けて記述している。また他の3社については東京バスグループを併せて参照。
概要
[編集]かつて人材派遣・業務請負の最大手だったクリスタル(後のラディアホールディングス・プレミア)の子会社群。2001年10月から近畿日本鉄道・阪神電気鉄道・名古屋鉄道・南海電気鉄道など私鉄系の観光バス会社を次々と買収し、それぞれの社名(商号)を「株式会社クリスタル観光バス」とした[1]。
その後グッドウィル・グループ(後のラディアホールディングス→アドバンテージ・リソーシング・ジャパン→プロンプトホールディングス、現:テクノプロ・ホールディングス)のクリスタル買収に伴う労働者派遣事業以外の事業見直しにより、各地の「クリスタル観光バス」は整備専用会社とともに大阪バスへ譲渡され[2]、社名をそれぞれ東京バス、名古屋バス、近畿観光バスに変更したが、和歌山のみグループから離脱し、クリスタル観光バスの社名で事業を継続している。
バスの塗色について、クリスタルによる買収後しばらくは各社従来の塗色を使っていたが、旧東京近鉄観光バスの塗色を基本としたデザインに順次変更した。大阪バスの買収後は社名変更したこともあり、CRYSTALデカールの抹消を順次行い、さらには車両置き換えなどで大阪バス塗装への統一を進めた。
沿革
[編集]- 1954年2月11日 - 大東京観光バス(東京都北区)設立。
- 1968年4月1日 - 大阪名鉄観光バス(東大阪市)設立。
- 1970年 - 大東京観光バスが東京近鉄観光バスに社名変更。
- 1978年9月18日 - 名古屋阪神観光バス(名古屋市)設立。
- 1985年9月2日 - 和歌山南海観光バス(和歌山市)設立。
- 2001年10月 - 東京近鉄観光バス(近畿日本鉄道系)をクリスタルが買収。
- 2002年3月 - 名古屋阪神観光バス(阪神電気鉄道系)をクリスタルが買収。
- 2003年1月 - 南海観光バス(大阪市)と和歌山南海観光バス(和歌山市)(ともに南海電気鉄道系)をクリスタルが買収。
- 2003年9月 - 大阪名鉄観光バス(東大阪市、旧大阪京観バス)と名鉄神戸観光自動車(神戸市・旧神戸京観バス→神戸観光バスに改称、名古屋鉄道による支援で名鉄神戸観光自動車に商号変更)(ともに名古屋鉄道系)をクリスタルが買収。
- 2006年10月31日 - 親会社のクリスタルがグッドウィル・グループ(現 ラディアHD→アドバンテージ・リソーシング・ジャパン→プロンプトHD)に買収されたことに伴い、グッドウィル・グループの関連会社となる。
- 2007年4月6日 - グッドウィル・グループの方針により、「株式会社クリスタル観光バス」4社と整備会社「株式会社クリスタル整備サービス」の全株式を株式会社クリスタルから大阪バスに譲渡[2][3]。
- 2007年7月 - 和歌山を除く3社がクリスタル観光バスから社名をそれぞれ東京バス・名古屋バス・近畿観光バスに変更。
- 2007年10月 - 和歌山のみ大阪バスグループから離れる。
関連項目
[編集]- 岐阜乗合自動車(岐阜バス) - かつて大阪名鉄観光バスと名鉄神戸観光自動車の親会社であった(クリスタル買収前の名鉄グループ時代)。
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒649-6275 和歌山県和歌山市吐前992 |
設立 | 1985年9月 |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 4170001003816 |
事業内容 | 一般貸切旅客自動車運送事業 |
代表者 | 代表取締役 古市啓悟 |
資本金 | 5000万円 |
従業員数 | 65名 |
外部リンク | http://www.cypress.ne.jp/crystal/ |
クリスタル観光バス(和歌山)
[編集]クリスタル観光バス(本社:和歌山市)は、貸切観光バス事業を行っている会社。
沿革
[編集]- 1985年9月2日 - 和歌山市に和歌山南海観光バスとして設立。
- 2003年1月 - クリスタルに買収され、クリスタル観光バスに社名変更。
- 2007年 - 4月に大阪バスグループ入りするも、10月に離脱。
- 大阪バスグループ離脱後は野鉄観光と経営のグループ化を実施。その後に導入された新車は野鉄観光バスに準じた色違いのデザインの塗色となる。具体的にはNの文字を斜め二重に配し、野鉄観光は朱色と緑色のところ、当社のそれは水色と緑色となる。また、一部に残る和歌山南海観光バス色車で後部のみ朱色と黄色のNの文字を斜め二重に配した野鉄観光デザインに変更した車体も存在する。
- 2020年7月18日 - 初の路線バスとなる「和歌山特急ニュースター号」運行開始。大阪バスとの共同運行[4][5]。
営業所
[編集]- 和歌山ナンバー
- 和泉ナンバー
車両
[編集]国産2社(ジェイ・バス、三菱ふそうトラック・バス)が製造した車両が使用される(日野・セレガ、いすゞ・ガーラ、三菱ふそう・エアロエース)。先述の「和歌山特急ニュースター号」には大阪バスから移籍したエアロエースを供している。
外部リンク
[編集]脚注
[編集]- ^ 先述で「子会社群」という記述しているのはこのような買収経緯による。
- ^ a b グッドウィル・グループの2007年4月4日のIRより。[リンク切れ]
- ^ グッドウィル・グループの2007年4月6日のIRより。[リンク切れ]
- ^ “【重要】『和歌山特急ニュースター号』7/18(土) 運行開始 のお知らせ”. 大阪バス. 2020年7月18日閲覧。
- ^ “和歌山特急ニュースター号の運行開始告知のパンフレット”. クリスタル観光バス. 2020年7月18日閲覧。