偽牧師
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| 偽牧師 | |
|---|---|
| The Pilgrim | |
 ポスター(1923) | |
| 監督 | チャーリー・チャップリン |
| 脚本 | チャーリー・チャップリン |
| 製作 | チャーリー・チャップリン |
| 音楽 |
チャーリー・チャップリン （1959年チャップリン・レヴュー公開時） |
| 撮影 | ローランド・トザロー |
| 編集 | チャーリー・チャップリン |
| 配給 | ファースト・ナショナル |
| 公開 | 1923年2月26日 |
| 上映時間 | 46分[1] |
| 製作国 |
 アメリカ合衆国 |
| 言語 |
サイレント映画 英語字幕 |
『偽牧師』（にせぼくし、The Pilgrim）は、1923年公開のサイレント映画。脚本、監督、主演はチャーリー・チャップリン。彼のファースト・ナショナルにおける8作目の映画で同社における最後の作品である。チャップリンのフィーチャー映画の中で、2番目に上映時間が短い作品[要出典]で、構成は彼の初期の2巻物に類似している[独自研究?]。オリジナル版の上映時間は59分であったが[2][3][注 1]、後述の再編集版でより短くなった[1]。
本作は、エドナ・パーヴァイアンスとチャップリンが共演した最後の作品となった（エドナはこの作品の後に『巴里の女性』（1923年）にも主演しているが、チャップリンはほんの脇役でカメオ出演しているのみである）。
また、本作は後に脚本家となるディーン・リーズナー（テレビシリーズ『ローハイド』などが有名）の映画初出演作としても知られている。
あらすじ
[編集]チャップリン演じる脱獄囚は、囚人服を脱ぎ捨てて牧師の服を盗み逃亡を続ける。彼はある小さな町にたどり着くが、そこで新たに着任した町の教会の牧師と間違えられてしまう。
キャスト
[編集]- 脱獄囚：チャーリー・チャップリン
- ブラウン嬢：エドナ・パーヴァイアンス
- ブラウン夫人（エドナの母）：キティ・ブラッドベリ
- 駆落ちする男・列車の車掌・悪がきの父（三役）：シドニー・チャップリン
- 駅の男・列車の保安官（二役）：ヘンリー・バーグマン
- 教会執事：マック・スウェイン、ロイヤル・アンダーウッド
- 悪がきの母：メイ・ウェルズ
- 悪がき：ディーン・リーズナー
- 泥棒ハワード・ハンティントン：チャールズ・リーズナー
- 町の保安官ブライアン：トム・マレイ
- 会衆：フィリス・アレン
製作
[編集]本作はチャップリン映画で初めて即興のみに依らず紙に書かれたシナリオで製作された[1][注 2]。撮影は42日にわたった[1][注 3]。
エンディングには、別のアイディア（脱獄囚は逃亡することなく町に残り、オルガンをジャズバンドに、募金用の皿をギャンブル用に代えてしまう牧師になる）も検討されていた[1][注 4]。
反響
[編集]プロテスタントの組織やクー・クラックス・クランが反発を示し、ペンシルベニア州では多くのシーンがカットされた[1][注 5]。
トリビア
[編集]- 逃亡中のチャップリンが列車に乗っている場面で、隣に座っている保安官が読んでいる新聞の記事によれば、彼の役名は「Lefty Lombard」となっている。この新聞は1922年5月17日付で、記事をよく読むと、「Lefty Lombard」またの名を「楡の木」（Slippery Elm）は、刑務所の食堂の下水道管に飛び込み、下水処理場にたどり着いて脱獄し、1,000ドルの賞金が賭けられていることが分かる。さらに記事には、守衛が彼の脱獄の際に驚きのあまり動けなくなったことと、彼の脱獄は計画されている大量脱獄の一環と見られているとも記されている。
- 本作中の字幕には「In the good old days before Prohibition」（禁酒法以前の古き良き時代）とある。アメリカ合衆国での禁酒法施行は1920年1月16日であるため、上記新聞の日付との矛盾が生じている。
- 駅にて行き先を決める際に最初に選んだ行き先は「SING SING」（直訳すれば「〈うたを〉歌う」）の表記だけだが、これはシンシン刑務所の事であり、該当場面で愕然としてしまう理由である。日本語字幕でもそのように表記されている。
再編集版
[編集]本作は1959年、他のファースト・ナショナル社の2作品[注 6]とともにチャップリン自身によって再編集され、『チャップリン・レヴュー』として公開された。この再編集版には、チャップリンにより音楽とナレーションが付け加えられており、本作には「I'm Bound For Texas」というチャップリン作詞作曲の主題歌も挿入されている[3]。この主題歌は、マット・モンローにより歌われている。歌詞は#外部リンク Texas (Bound for Texas)を参照。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 引用：The Pilgrim was Chaplin’s last film of less than normal feature length - it ran for an hour - and the last
- ^ 引用： … Chaplin was moving away from his earlier method of creating and improvising on the set and even on film, towards a greater degree of advance planning on paper.
- ^ 引用：Shot across 42 days
- ^ 引用：The Tramp sets up in a real rough ‘wild West’ town as the new minister, keen to replace the church organ with a jazz band, and the collection plate with gambling. Instead, Chaplin settled on what Robinson dubbed ‘the hypocrisies of small-town religion’.
- ^ 引用：The Evangelical Ministers Association of Atlanta demanded the film be withdrawn as it was ‘an insult to the Gospel’, while the South Carolina branch of the Ku Klux Clan objected to the film as they claimed it ridiculed Protestant ministry. Censors had their go at The Pilgrim, too, with the Censor Board of Pennsylvania cutting so much ‘objectionable’ material from the film there was little left worth screening.
- ^ 『犬の生活』（1918年）、『担へ銃』（1918年）の2作。
出典
[編集]- ^ a b c d e f “The Pilgrim (26 February 1923)” (英語). Chaplin: Film by Film (2018年11月2日). 2023年10月3日閲覧。
- ^ “The Pilgrim” (英語). 2023年10月3日閲覧。
- ^ a b “Charlie Chaplin : Filming The Pilgrim” (英語). www.charliechaplin.com. 2023年10月3日閲覧。
外部リンク
[編集]
- 偽牧師 - allcinema
- The Pilgrim - IMDb
- Unknown Chaplin: Ep. 2 -- The Great Director - インターネット・アーカイブ。悪がきを演じたディーン・リーズナーの、制作時の回想が収録されている。
- The Chaplin Revue 1958（1h15m12s〜） - YouTube - The Pilgrimは、1h15m12sから。
- Texas (Bound for Texas) - 本作の主題歌の歌詞
- The Pilgrim - Chaplin's Official Site
