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修飾キー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

修飾キー(しゅうしょくキー、: modifier keyモディファイアキー)は、コンピュータキーボードにおいて、他のキーの入力文字や機能を変えるために併用するキーのこと。なお、併用したキーの組み合わせ(例:Ctrl+A)をコンビネーションキーともいう。

修飾キーの種類

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修飾キーには以下のようなものがある。カッコ内は刻印。

シフトキー (Shift, ⇧)
アルファベットの大文字や、通常と異なる記号を入力するためのキー。タイプライターに由来する。また、GUI環境ではファンクションキーやカーソルキーと併用してショートカットキーとして使われることもある。
コントロールキー (Control, Cntrl, Ctrl, Ctl, ⎈)
制御文字を入力するためのキー。GUI環境では、ショートカットキーとして使われることが多い。
メタキー (Meta, ◇, ◆)
主にUNIXワークステーションにあるキーで、MSBを立てるはたらきを持つ。たとえば'a'のASCIIコードは0x61であるが、メタキーを押しながらaを押すと0xE1が入力される。Emacsでは、各種のコマンドを入力するために使われる。
オルタネートキー (ALT, Alt, ALTernate,⎇)
AT互換機にあるキー。Metaキーに相当する。GUI環境では、ショートカットキーとして使われることが多い。また、Altキーを押しながらテンキーで文字コードを10進数で入力することにより、直接入力できない文字(主に1バイト文字)を入力することができる。古い日本IBMのキーボードでは「前面キー」という名称だった。
オルタネートグラフィックキー (AltGr)
欧州各国のPC用キーボードでは、右Altキーのかわりにこのキーがある。アクセント記号つき文字や各種記号などを入力するためのキー。具体的な組み合わせはキー配列によって異なるが、AltGr+Eでユーロ記号が入力できることが多い。
Windowsキー
90年代後半以降のAT互換機に見られるキーで、WindowsではOSに対するショートカットキーとして使われる。
オプションキー (option, ⌥)
Macintosh等のアップル製のハードウェアにあるキーで、AltGrキーと同様の機能をもつ。USBキーボードではAT互換機のAltキーと同一視されている。
コマンドキー (Command, ⌘)
Macintosh等のアップル製のハードウェアにあるキーで、ショートカットキーとして使われる。USBキーボードではAT互換機のWindowsキーと同一視されている。
グラフキー (GRPH, GRAPH)
PC-9800シリーズを筆頭として、昔の国産PCにあったキーで、主にスタンドアロンBASIC環境下で機種依存の図記号や罫線素片を入力する。MS-DOS全盛期以降は、本来の用途と無関係に、Altキーの代用としてショートカットキーに使われるようになった。

USBキーボードでは、修飾キーとしてシフトキー・コントロールキー・Altキー(オプションキー)・GUIキー(Windowsキー・コマンドキー)が定義されている。

Symbolicsのキーボードには、メタキーに加えてスーパーキーハイパーキーも存在していた。環境によってはWindowsキーがスーパーキーになる。

Linuxでは、Windowsキーやコマンドキーなどはスーパーキー と呼ばれ、画面効果などの操作に使われる。

MSX規格のキーボードには、他の規格のキーボードには見られないストップキー(STOP)セレクトキー(SELECT)が存在していた。

ストップキー(STOP)は、MSX-BASICでプログラムの一時停止(PAUSE)に使用され、セレクトキー(SELECT)は、それを使うゲーム、または選択として使用された。

修飾キーの表記

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キー操作の表記

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修飾キーを用いたキー操作を表記する場合、通常はプラスまたはハイフンで連結して「Ctrl+A」「Alt-F4」「Ctrl+Alt+Delete」のような表記が使われる。

また、コントロールキーについては、ハット(キャレット)を用いた「^C」のような表記(キャレット記法)が古くから存在する(古いコンピュータでは、ハットを↑と表示するものがあり、その影響で「↑C」のように表記している書籍もあったが、今日ではほとんどみられない)。

Emacsでは、コントロールキーについて「C-a」、メタキーについて「M-p」、併用する場合「C-M-x」のような独自の表記を用いる。

キートップの刻印

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キートップの刻印に修飾キーの効果を示す際に、一般に、以下のような2種類のスタイルが存在する。

英字 数字・記号 数字・記号(シフト) カナ カナ(シフト)
左寄り 左寄り 上寄り 下寄り 右寄り
左上 左下 左上 右下 右上
┌───┐┌───┐
│   ││ # │
│Q  ││3 ぁ│
│ た ││ あ │
└───┘└───┘
┌───┐┌───┐
│Q  ││# ぁ│
│   ││   │
│  た││3 あ│
└───┘└───┘

特殊キーでは、シフトキーを使わない場合の機能はキートップの下寄りに、シフトキーを使う場合の機能は上寄りに表記される(単にスペースの都合で2行に折り返されているものを除く)。

┌────┐┌────┐
│CapsLock││カタカナ│
│    ││    │
│英数  ││ひらがな│
└────┘└────┘

また、AT互換機のキーボードでは、一部の機能でAltキーを必要とするものがあり、そのようなものはキーの前面に緑色(Altキーの刻印と同じ色)で表記される。

┌───┐┌───┐┌────┐┌──────┐┌────┐
│Print ││半角/││カタカナ││前候補   ││CapsLock│
│Screen││全角 ││ひらがな││変換(次候補)││英数  │
├───┤├───┤├────┤├──────┤├────┤
│Sys Rq││漢字 ││ローマ字││全候補   ││漢字番号│
└───┘└───┘└────┘└──────┘└────┘

また、AT互換機のキーボードでは、一部の機能でCtrlキーを必要とするものがあり、そのようなものはキーの前面に黒色(Ctrlキーの刻印と同じ色)で表記される。

┌───┐
│   │
│Pause │
├───┤
│Break │
└───┘

類似の機能をもつキー

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ロックキー

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修飾キーと類似の概念として、ロックキー(CapsLockキーNumLockキーなど)がある。ロックキーは、押すたびにオンとオフが切り替わり、オンの状態で修飾キーと類似したはたらきをする。 ただし、修飾キーと異なり、ショートカットキーとして使われることはない。

アクセント符号の入力

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また、ロックキーと似ているが、直後の1〜2打鍵にのみ影響するものもある。 とくに、欧州各国のキーボードでは、アクセント符号つき文字やウムラウトの入力のため、以下のような機能を持つものが多い。

コンポーズキー (Compose, Comp)
後続のアルファベットとアクセント記号(と似た形の記号)を合成するよう指示するためのキー。たとえば、「Compose」「a」「'」の順に入力すると「á」が入力される。
デッドキー
アクセント記号(と似た形の記号)のキーに結合文字に似た役割を持たせる。たとえば、「^」「a」の順に入力すると「â」が入力される。最初の記号を入力した時点では、何も入力されていないように見えるので、このような記号キーをデッドキー (dead key) と呼ぶ。デッドキーという名称の特定のキーが存在しているわけではない。

アクセシビリティ

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修飾キーは二つのキーを同時に押す必要があるが、四肢に障害のあるユーザにはこれが困難な場合がある。 そのため、近年のOSは、修飾キーをロックキーのように動作させる設定を備えているものがある。

関連項目

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外部リンク

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