中村稔 (詩人)
文化功労者顕彰に際して 公表された肖像写真 | |
誕生 |
中村 稔(なかむら みのる) 1927年1月17日(97歳) 千葉県君津郡木更津町 |
職業 |
弁護士 弁理士 詩人 評論家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
民族 | 大和民族 |
教育 | 法学士(東京大学・1950年) |
最終学歴 | 東京大学法学部法律学科卒業 |
活動期間 | 1946年 - |
ジャンル | 詩 |
主題 | 評論 |
代表作 |
『鵜原抄』(1967年) 『羽虫の飛ぶ風景』(1977年) 『中村稔詩集 1944-1986』 (1988年) 『束の間の幻影』(1992年) 『浮泛漂蕩』(1996年) 『私の昭和史』(2004年) |
主な受賞歴 |
高村光太郎賞 読売文学賞(詩歌俳句部門) 芸術選奨文部大臣賞 読売文学賞(評論・伝記) 藤村記念歴程賞 朝日賞 毎日芸術賞 現代詩人賞 |
デビュー作 | 『無言歌』(1950年) |
親族 | 中村光三(父) |
所属 |
(中松特許法律事務所→) (中村・山本・武田 合同特許法律事務所→) 中村合同特許法律事務所 |
影響を受けたもの
| |
公式サイト | 中村 稔 | NAKAMURA & PARTNERS |
中村 稔(なかむら みのる、1927年1月17日 - )は、日本の弁護士・弁理士・詩人・評論家。中村合同特許法律事務所パートナー、日本商標協会顧問、公益財団法人日本近代文学館名誉館長、第二東京弁護士会所属、日本芸術院会員、文化功労者。
中松特許法律事務所弁護士、中村・山本・武田合同特許法律事務所代表パートナー、中村合同特許法律事務所代表パートナー、日本商標協会会長(初代)、財団法人日本近代文学館理事長(第6代)、社団法人日本商事仲裁協会常任理事、日本芸術院第二部部長などを歴任した。
来歴
[編集]生い立ち
[編集]千葉県木更津市生まれ。父・光三は、尾崎秀実、リヒャルト・ゾルゲの予審担当の主任判事[1]。東京府立第五中学校から第一高等学校を経て、1950年、東京大学法学部法律学科卒業[2]。この間、太宰治を囲む中で、矢代静一の他、三島由紀夫や野原一夫らとも関わりを持つ。大学在学中に旧司法試験に合格し、1952年弁護士・弁理士登録。
詩人として
[編集]1946年『世代』に参加、1950年第一詩集『無言歌』を刊行。1967年詩集『鵜原抄』で高村光太郎賞、1977年詩集『羽虫の飛ぶ風景』で読売文学賞(詩歌俳句部門)、1988年『中村稔詩集 1944-1986』で芸術選奨文部大臣賞、1992年『束の間の幻影』で読売文学賞(評論・伝記)、1996年『浮泛漂蕩』で藤村記念歴程賞、98年日本芸術院会員、『私の昭和史』に至る業績で2004年度朝日賞[3]、2005年『私の昭和史』で毎日芸術賞、井上靖記念文化賞受賞。2006年から10年まで芸術院第二部長。2010年、文化功労者[4]。2017年、『言葉について』で現代詩人賞受賞。宮沢賢治、中原中也の評論・伝記は複数著した。日本近代文学館理事長を経て名誉館長。
弁護士として
[編集]弁護士および弁理士としては、知的財産法一般を専門とする。1952年に中松澗之助が代表者であった中松特許法律事務所(現中村合同特許法律事務所)に入所。中松の急逝後の1974年から1993年まで、中村合同特許法律事務所代表パートナーを務め、現在は同事務所パートナー。日本弁護士連合会無体財産権制度委員会委員長(1979年 - 1981年)、国際知的財産保護協会本部執行委員(1966年 - 1991年)、日本商標協会会長(1988年 - 1995年)などを歴任し、「知財の中村」と称されている。
著書
[編集]- 『中村稔著作集』 現在6巻、青土社、2004-2005。続刊予定
- 『1 詩』
- 『2 詩人論』
- 『3 短詩型文学論』
- 『4 同時代の詩人・作家たち』
- 『5 紀行・文学と文学館』
- 『6 随想』
- 『私の昭和史』青土社 2004
- 『私の昭和史 戦後編』(上下) 青土社 2008
- 『私の昭和史 完結篇』(上下) 青土社 2012
- 『私の平成史』青土社 2024
詩集
[編集]- 『鵜原抄 詩集』 思潮社 1966
- 『中村稔詩集』 思潮社 現代詩文庫 1977
- 『羽虫の飛ぶ風景』 青土社 1977
- 『空の岸辺』 青土社 1980
- 『中村稔詩集 1944-1986』青土社 1988
- 『浮泛漂蕩』 思潮社 1991
- 『新輯・うばら抄』 青土社 1996
- 『続・中村稔詩集』 思潮社 現代詩文庫 1996
- 『新輯・幻花抄』 青土社 2002。初版2001(限定本)
- 『中村稔詩集』 芸林21世紀文庫 芸林書房 2003、菅野昭正編
- 『言葉について』 青土社 2016、改訂版2018
- 『むすび・言葉について 30章』 青土社 2019
- 『寂かな場所へ』 青土社 2022
- 『月の雫』 青土社 2024
作家・作品論・随想紀行
[編集]- 『宮沢賢治』ユリイカ 1955(ユリイカ新書 現代詩論シリーズ)、五月書房 1958
- 七曜社 1962、芳賀書店〈芳賀選書〉 1966
- 筑摩書房〈筑摩叢書〉 1972、新版1985 - 下記の作品集を編・解説
- 『言葉なき歌 中原中也論』角川書店 1973
- 改訂版『中原中也 言葉なき歌』筑摩書房〈筑摩叢書〉 1990
- 『詩・日常のさいはての領域』創樹社 1976
- 『私の感傷旅行』青土社 1976
- 『名詩鑑賞 中原中也』講談社学術文庫 1979
- 『中也を読む 詩と鑑賞』青土社 2001、新装版2014
- 『斎藤茂吉私論』朝日新聞社 1983
- 『サハラの風神 西アフリカ・サバンナ紀行』筑摩書房 1988
- 『故園逍遥』福武書店 1990
- 『束の間の幻影 銅版画家駒井哲郎の生涯』新潮社 1991
- 『宮沢賢治ふたたび』思潮社 1994
- 『日の匂い』青土社 1995
- 『文学館感傷紀行』新潮社 1997
- 『子規と啄木』潮出版社〈潮ライブラリー〉 1998
- 『スギの下かげ』 青土社 2000
- 『人間に関する断章』青土社 2002
- 『私の詩歌逍遙』青土社 2004
- 『司馬遼太郎を読む』青土社 2009
- 『中原中也私論』思潮社 2009
- 『文学館を考える 文学館学序説のためのエスキス』青土社 2011
- 『樋口一葉考』青土社 2012
- 『食卓の愉しみについて 人生に関する断章』青土社 2013
- 『芥川龍之介考』青土社 2014
- 『平家物語を読む』青土社 2014
- 『私の日韓歴史認識』青土社 2015、増補版2019
- 『古今周遊』青土社 2015
- 『萩原朔太郎論』青土社 2016
- 『西鶴を読む』青土社 2016
- 『石川啄木論』青土社 2017
- 『故旧哀傷 私が出会った人々』青土社 2017
- 『高村光太郎論』青土社 2018
- 『高村光太郎の戦後』青土社 2019
- 『回想の伊達得夫』青土社 2019
- 『忘れられぬ人々 故旧哀傷・二』青土社 2019
- 『宮沢賢治論』青土社 2020
- 『忘れられぬ人々二 故旧哀傷・三』青土社 2020
- 『現代詩の鑑賞』青土社 2020
- 『忘れられぬ人々三 故旧哀傷・四』青土社 2021
- 『森鴎外『渋江抽斎』を読む』青土社 2021
- 『現代女性詩人論』青土社 2021
- 『現代詩人論 上・下 男性篇』青土社 2022
- 『与謝蕪村考』青土社 2023
編著
[編集]- 「中原中也研究」 書肆ユリイカ 1959
- 「中也のうた」 社会思想社・現代教養文庫 1970
- 「斎藤茂吉の世界 共同討議」太田一郎、田中隆尚共著 青土社 1981
- 「現代の随想22 斎藤茂吉集」彌生書房 1982
- 「近代の詩人8 宮沢賢治」潮出版社 1992
- 「新編 宮沢賢治詩集」角川文庫 改版1995
- 「流火草堂遺珠 安東次男拾遺句詩集」 ふらんす堂 2009
- 「立原道造全集」全5巻、筑摩書房 2006-2010
- 「精神の風通しのために 日高普著作集」青土社 2011
- 特集号
- 『ユリイカ 詩と批評 特集:中村稔 詩人の昭和史』2004年10月号、青土社
脚注
[編集]- ^ 法政大学出身。事件後、東京控訴院部長判事、津田左右吉事件を扱う。戦後東京高裁裁判長。
- ^ 『私の昭和史:戦後篇 下巻』青土社、20ページ、2008年発行
- ^ “朝日賞 2001-2018年度”. 朝日新聞社. 2023年1月6日閲覧。
- ^ “安藤・三宅氏ら7人に文化勲章 ノーベル賞2氏も”. 日本経済新聞 (2010年10月26日). 2023年3月21日閲覧。
外部リンク
[編集]- 中村 稔 - 中村合同特許法律事務所
- 『Attorney's MAGAZINE(旧ロイヤーズマガジン)』(2010年1月号) - 弁護士紹介