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ヨアニナ県

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヨアニナ県
Περιφερειακή ενότητα Ιωαννίνων
測地系: 北緯39度45分 東経20度50分 / 北緯39.750度 東経20.833度 / 39.750; 20.833座標: 北緯39度45分 東経20度50分 / 北緯39.750度 東経20.833度 / 39.750; 20.833
イピロス地方におけるヨアニナ県の位置
ギリシャの国旗 ギリシャ共和国
地方イピロス
県都ヨアニナ
面積4,990 km²
人口174,607 人 (2005年)
人口密度35 人/km²
ナンバープレートIN
自治体コード33
構成自治体数8
標準時EETUTC+2
夏時間EESTUTC+3
公式ウェブサイトwww.nomioan.gr

ヨアニナ県(ヨアニナけん、ギリシア語: Ιωάννινα / Ioannina)は、ギリシャ共和国イピロス地方を構成する行政区(ペリフェリアキ・エノティタ)のひとつ。県都はヨアニナ

地理

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ヨアニナ県地図

位置・広がり

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イピロス地方の北部を占める内陸の県で、北はアルバニアと国境を接する。県の北東はカストリア県西マケドニア地方)、東はグレヴェナ県(西マケドニア地方)とトリカラ県テッサリア地方)、南東はアルタ県、南はプレヴェザ県、南西と西はテスプロティア県(以上イピロス地方)と、それぞれ境界を接している。

ヨアニナ県は、エトリア=アカルナニア県ラリサ県に次いでギリシャで3番目に広い面積を持つ県である。イピロス地方の県で最も面積が大きく、イピロス地方のほぼ半分を占めている。

地勢

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ヨアニナ県は山がちな地域であり、県の東部はピンドス山脈やその支脈が連なっている。北から南へその山を挙げれば、北部のアルバニア国境にはグラモス山英語版(2,523 m)がある。スモリカス山英語版(2,637m)はピンドス山脈最高峰であり、イピロスの最高峰でもある。その南に、ティムフィ山英語版(2,497 m)、リグコス山英語版(2,249 m)、ラクモス山(2,295 m)、ズメルカ山(2,356 m)が連なっている。また、南部にはクセロヴニ山英語版(1,614 m)、南西部にはトマロス山英語版(1,976 m)、ヨアニナの近くにはミチケリ山英語版(1,810 m)がある。

県南部にあるパンボティス湖英語版(別名・ヨアニナ湖)は、イピロス最大の湖であり、県都ヨアニナの市街はその西岸にある。パンボティス湖の北部、ヨアニナ市街の沖にはヨアニナ島英語版があり、350人ほどの住民が暮らしている。

県北部には、ピンドス山脈に源を発して北西方向へ流れ、アルバニア領に入るアオウス川(アルバニア名: Vjosë川)がある。県西部にはティアミス川英語版(カラマス川)、県西南部にはアヘロン川(古名: アケローン川)が流れ、いずれもイオニア海に至る。県東部にはアラフトス川が南へ流れている。

主要な都市・集落

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人口3,000人以上の都市・集落には以下がある。

県都であり県最大の都市であるヨアニナは、パンボティス湖西岸にある。アナトリの市街(旧アナトリ市)はヨアニナ市街の南に連坦しており、行政区画再編の結果ともにヨアニナ市に属することになった。これによりヨアニナ県の人口の半分強がヨアニナ市域に住んでいる。メツォヴォは県東部に位置する町で、テッサリアマケドニアへ越える幹線道路が通る要衝である。

歴史

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現在のイオニア県域がギリシャ領に編入されたのは、1913年である。

行政区画

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ヨアニナ県

市(ディモス)

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ヨアニナ県は、以下の自治体(ディモス、市)から構成される。人口は2001年国勢調査時点。

自治体名 綴り 政庁所在地 面積 Km² 人口
1 ヨアニナ Ιωάννινα ヨアニナ  (el 402.0 97,657
2 北ズメルカ英語版 Βόρεια Τζουμέρκα プラマンタ  (en 361.5 7,097
3 ドドニ英語版 Δωδώνη アギア・キリアキ 663.0 13,939
4 ザゴリ英語版 Ζαγόρι アスプランゲリ  (el 995.3 6,032
5 ジツァ英語版 Ζίτσα エレウサ  (el 566.3 17,293
6 コニツァ英語版 Κόνιτσα コニツァ  (el 949.9 9,294
7 メツォヴォ英語版 Μέτσοβο メツォヴォ  (el 366.8 7,835
8 ポゴニ英語版 Πωγώνι カルパキ  (el 702.5 11,092

旧自治体(ディモティキ・エノティタ)

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ヨアニナ県の旧自治体(2010年まで)。37番のヨアニナ諸島は、1番のヨアニナ市と24番のペラマ市の間にある。

カリクラティス改革(2010年)以前の広域自治体(ノモス)としてのヨアニナ県は、以下の41の基礎自治体(ディモス、キノティタ)から構成されていた。改革後、旧自治体は新自治体(ディモス)を構成する行政区(ディモティキ・エノティタ)となっている。

下表の番号は右図と対応している。「旧自治体名」欄で※印を付したものはキノティタ、それ以外はディモス。「政庁所在地」欄で太字になっているものは、新自治体の政庁所在地となったものを示す。

旧自治体 綴り 政庁所在地 新自治体
1 ヨアニナ Ιωάννινα ヨアニナ ヨアニナ
2 アギオス・ディミトリオス英語版 Άγιος Δημήτριος テリアキシ ドドニ
3 アナトリ英語版 Ανατολή アナトリ  (el ヨアニナ
4 東ザゴリ英語版 Ανατολικό Ζαγόρι ミリオタデス ザゴリ
5 アノ・カラマス英語版 Άνω Καλαμάς パラカラモス ポゴニ
6 アノ・ポゴニ英語版 Άνω Πωγώνι ケファロヴリソ  (el ポゴニ
7 デルヴィナキ英語版 Δελβινάκι デルヴィナキ ポゴニ
8 ラッカ・スリウ英語版 Λάκκα Σουλίου デルヴィジアナ  (el ドドニ
9 ドドニ英語版 Δωδώνη ドドニ ドドニ
10 エグナティア英語版 Εγνατία ミクロ・ペリステリ メツォヴォ
11 エカリ英語版 Εκάλη メタモルフォシ ジツァ
12 エヴリメネス英語版 Ευρυμενές クリマティア ジツァ
13 ジツァ英語版 Ζίτσα ジツァ  (el ジツァ
14 カルパキ英語版 Καλπάκι カルパキ ポゴニ
15 カツァノホリア英語版 Κατσανοχώρια カレンツィ 北ズメルカ
16 中央ザゴリ英語版 Κεντρικό Ζαγόρι アスプランゲリ ザゴリ
17 コニツァ英語版 Κόνιτσα コニツァ コニツァ
18 マストロホリア英語版 Μαστοροχώρια ピルソギアンニ  (el コニツァ
19 メツォヴォ英語版 Μέτσοβο メツォヴォ メツォヴォ
20 モロシ英語版 Μολοσσοί ヴツァラス  (el ジツァ
21 ビザニ英語版 Μπιζάνι ペディニ ヨアニナ
22 パンヴォティダ英語版 Παμβώτιδα カツィカス  (el ヨアニナ
23 パサロナス英語版 Πασαρώνας エレウサ ジツァ
24 ペラマ英語版 Πέραμα ペラマ ヨアニナ
25 プラマンタ英語版 Πράμαντα プラマンタ 北ズメルカ
26 セレス英語版 Σέλλες ティリア ドドニ
27 ズメルカ英語版 Τζουμέρκα フリアラデス  (el 北ズメルカ
28 ティンフィ英語版 Τύμφη ツェペロヴォ  (el ザゴリ
29 エトミリツァ英語版 Αετομηλίτσα エトミリツァ コニツァ
30 ヴァティペド英語版 Βαθύπεδο ヴァティペド 北ズメルカ
31 ヴォヴサ英語版 Βωβούσα ヴォヴサ ザゴリ
32 ディストラト英語版 Δίστρατο ディストラト コニツァ
33 カラリテス英語版 Καλαρίτες カラリテス 北ズメルカ
34 ラヴダニ英語版 Λάβδανη ラヴダニ ポゴニ
35 マツキ英語版 Ματσούκι マツキ 北ズメルカ
36 ミレア英語版 Μηλέα ミレア メツォヴォ
37 ヨアニナ島英語版 Νήσος Ιωαννίνων ヨアニナ島 ヨアニナ
38 パピンゴ英語版 Πάπιγκο パピンゴ ザゴリ
39 ポゴニャニ英語版 Πωγωνιανή ポゴニャニ  (el ポゴニ
40 シラコ英語版 Συρράκο シラコ 北ズメルカ
41 フルカ英語版 Φούρκα フルカ コニツァ

郡(エパルヒア)

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県には以下の(エパルヒア)があったが、2006年以降法的な位置づけは行われていない。

郡名 綴り 中心地
ドドニ郡 Δωδώνη ヨアニナ
コニツァ郡 Κόνιτσα コニツァ
メツォヴォ郡 Μέτσοβο メツォヴォ
ポゴニ郡 Πωγώνι ポゴニ

交通

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道路

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ヨアニナ近郊のA2号線
建設中のA2号線(メツォヴォ)

イオニア海の港町イグメニツァからヨアニナを経てピンドス山脈を越える国道6号線(GR-6)が東西方向の幹線をなしており、その新道にあたる高速道路A2号線(エグナティア高速道路)はギリシャ北部を横断している。A2号線は欧州自動車道路90号線(E90)にも指定されている。

欧州自動車道路
  • E90号線  (en : 〔イグメニツァ〕 - ヨアニナ南方 - コニツァ - 〔コザニ - テサロニキ - …〕
  • E92号線  (en : 〔イグメニツァ〕 - モロシ - ヨアニナ - メツォヴォ - 〔ラリサ - …〕
  • E853号線  (fr : アルバニア国境 - ヨアニナ
  • E951号線  (fr : ヨアニナ - アギオス・ディミトリオス - 〔アルタ - ミソロンギ〕
自動車道
  • A2号線  (en : 〔イグメニツァ〕 - ヨアニナ南方 - コニツァ - 〔コザニ - テサロニキ - …〕
  • GR-5号線  (en : ヨアニナ - アギオス・ディミトリオス - 〔アルタ - …〕
  • GR-6号線  (en : 〔イグメニツァ〕 - モロシ - ヨアニナ - メツォヴォ - 〔ラリサ - …〕
  • GR-20号線  (en : 〔コザニ〕 - コニツァ - カルパキ - ヨアニナ
  • GR-22号線  (en : カカヴィア(アルバニア国境) - カルパキ

空港

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ヨアニナ中心部から4kmほど北に位置する。「イピロス空港」、あるいは古代エピロス王ピュロスに因んだ「ピュロス王空港」の別名を持つ。

文化・観光

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ヨアニナ県は、ギリシャの他の地域や沿岸の島々と比較すれば、観光地としては著名ではない。しかし、美しい自然に恵まれており、ヴィコス・アオウス国立公園 (Vikos–Aoös National Parkやピンドス国立公園 (Pindus National Parkがある。メツォヴォやパピンゴ (Papingoなどは、スキーリゾートとしてにぎわう。

また、ドドニには古代の円形劇場(アンフィテアトルム)があるほか、中世以降この地域の主要都市となったヨアニナには多くの史跡がある。

人物

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外部リンク

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