ユニオン・サクレ
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ユニオン・サクレもしくはリュニオン・サクレ(フランス語: Union sacréeもしくはl'Union sacrée)とは、第三共和政期のフランスにおいて、第一次世界大戦の勃発により成立した国内諸勢力間の、特に労働運動・社会主義運動と政府との間の協力関係である。日本語では「神聖同盟」あるいは(19世紀の神聖同盟(仏:La Sainte-Alliance)と区別して)「神聖なる同盟」とも称する。
概要
[編集]1914年8月、第一次大戦の勃発に際してフランス労働総同盟は「祖国防衛」を声明し、また、大統領ポワンカレが発した呼びかけ「フランスはそのすべての息子たちによって英雄的に防衛されるだろう。その誰一人として敵を前にユニオン・サクレを乱すことはないであろう」に呼応して社会主義派の議員は政府の戦時公債案に賛成した。このような協力関係は、ポワンカレによる呼びかけの一節にちなんで「ユニオン・サクレ」と呼ばれたが、総力戦の進行にともなう国民経済の逼迫により開戦翌年の1915年には早くも実態を失った。
一般的用法
[編集]以上のような歴史的背景を離れて、より一般的に「国民統合」を象徴的に表現する際に用いられる場合がある。
参考文献
[編集]- 西川正雄 『第一次世界大戦と社会主義者たち』 岩波書店、1989年 ISBN 4000045598
関連項目
[編集]- ジャン・ジョレス - 開戦直前に暗殺されたフランス社会党(SFIO)指導者。愛国主義者であると同時に熱烈な反戦派でもあった彼の死をきっかけに社会党は急速に参戦支持に傾いた。
- ジュール・ゲード
- 城内平和 - 同様の第一次大戦中のドイツにおける社会主義者・労働者と政府・資本家の「休戦状態」。