ユスフ・ヌルキッチ
ポートランド・トレイルブレイザーズでのヌルキッチ (2021年) | |
フェニックス・サンズ No.20 | |
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ポジション | C |
所属リーグ | NBA |
基本情報 | |
ボスニア語 | Jusuf Nurkić |
国籍 | ボスニア・ヘルツェゴビナ |
生年月日 | 1994年8月23日(30歳) |
出身地 | ボスニア・ヘルツェゴビナ・トゥズラ県ジヴィニツェ |
身長 | 213cm (7 ft 0 in) |
体重 | 132kg (291 lb) |
キャリア情報 | |
NBAドラフト | 2014年 / 1巡目 / 全体16位[1] |
シカゴ・ブルズから指名 | |
プロ選手期間 | 2012年–現在 |
経歴 | |
2012–2014 | KKセデビダ |
2013 | →KKザダー |
2014–2017 | デンバー・ナゲッツ |
2017–2023 | ポートランド・トレイルブレイザーズ |
2023– | フェニックス・サンズ |
受賞歴 | |
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Stats Basketball-Reference.com | |
代表歴 | |
キャップ | ボスニア・ヘルツェゴビナ |
ユスフ・ヌルキッチ(Jusuf Nurkić, 1994年8月23日 - )は、ボスニア・ヘルツェゴビナのトゥズラ県ジヴィニツェ出身のプロバスケットボール選手。NBAのフェニックス・サンズに所属している。ポジションはセンター。
来歴
[編集]18歳でクロアチアに航り、2012年にKKツェデヴィタ・ザクレブでプロデビュー。新人として出場機会を得ることができず、2013年にKKザダルへ期限付きで移籍した[1]。
2年目のシーズンで平均10.9得点、5リバウンドを記録し、出場時間こそ増えたものの、ファウルトラブルとコンディショニングの問題を抱え、わずか16.3分の出場に止まった[2]。2014年のFIBAヨーロッパ年間最優秀若手選手賞にノミネートされた[3]。
デンバー・ナゲッツ
[編集]2014年のNBAドラフトにて1巡目全体16位でシカゴ・ブルズから指名され、その後にトレードでデンバー・ナゲッツへ放出された[4]。7月31日にナゲッツとのルーキー契約に合意した[5]。
2015年1月にティモフェイ・モズコフが移籍した頃から先発に定着。1月1日のシカゴ・ブルズ戦でキャリア初のダブル・ダブルとなる10得点、10リバウンドを記録したが、チームは101-106で敗れた[6]。2月のライジング・スターズ・チャレンジに、スティーブン・アダムズの代役として世界選抜チームの一員として選出された[7]ものの、個人的な理由で出場を辞退した。シーズン終盤に頭角を現しNBAオールルーキーセカンドチームに選出された。5月20日に左ひざ膝蓋腱の部分的手術を行った[8]。
手術からの回復に時間を要したため、開幕から2か月出遅れた2016年1月に復帰し、4月8日のサンアントニオ・スパーズ戦でシーズンハイとなる21得点を記録した。ヌルキッチが不在の間ニコラ・ヨキッチが台頭したため、出場機会が減少した。
10月31日のトロント・ラプターズ戦で18リバウンドを記録。しかし、2016年12月中旬からヨキッチが先発センターに定着。ベンチ降格になったヌルキッチは状況に不服を示し[9]12月にトレードの要求を申し出た。また、8か月前の4月にもトレードを要求しており、これが2回目の申し出だった [10]。
ポートランド・トレイルブレイザーズ
[編集]2016 ~ 2019シーズン (怪我以前)
[編集]2017年2月13日にメイソン・プラムリー、2018年のドラフト2巡目指名権、金銭とのトレードでポートランド・トレイルブレイザーズへ移籍した[11]。移籍後スターターに定着したヌルキッチは、3月9日のフィラデルフィア・76ers戦でシーズンハイとなる20リバウンドを含む28得点、8アシスト、6ブロックを記録し、NBA入り後初の20-20を達成した。なお、1試合で28得点、20リバウンド、8アシスト、6ブロック以上を記録したのは、チャールズ・バークレーに次いでNBA史上2人目であった[12]。同月28日の古巣ナゲッツ戦でキャリアハイとなる33得点を含む16リバウンドを記録し、チームは122-113で勝利した[13]。4月1日に右足の骨折により残りのレギュラーシーズンを全休した[14]。プレーオフ1回戦のゴールデンステート・ウォリアーズ戦の第3試合目に復帰するも、わずか2得点に終わった。
11月24日のブルックリン・ネッツ戦で29得点、15リバウンドを記録し、チームは127-125で辛勝した[15]。このシーズン、チームはプレーオフに進出したが、第1回戦でニューオーリンズ・ペリカンズにスウィープで敗れた[16]。
2018年7月6日にブレイザーズとの4年総額4,800万ドルの再契約に合意した[17]。11月11日のボストン・セルティックス戦から20日のニューヨーク・ニックス戦にかけて、キャリア最高となる5試合連続のダブル・ダブルを達成した[18]。12月27日のゴールデンステート・ウォリアーズ戦で27得点、12リバウンドを記録し、チームは延長戦の末に110-109で辛勝した[19]。
2019年1月1日のサクラメント・キングス戦でシーズンハイとなる23リバウンドを含む24得点、7アシスト、5ブロック、5スティールを記録し、NBA史上11人目となるファイブ・ファイブズを達成[20]。上述の成績を1試合で残した史上初の選手となった[21]。1月11日のシャーロット・ホーネッツ戦で30分の出場ながら11得点、11リバウンド、8アシスト、6ブロックを記録し、このスタッツラインを30分の出場で達成した史上3人目の選手となった[22]。1月16日のクリーブランド・キャバリアーズ戦で自身初のトリプル・ダブルとなる10得点、10リバウンド、10アシストを記録し、チームは129-112で勝利した[23]。
2019シーズン ~ (怪我後)
[編集]2019年3月25日、ダブルオーバータイムにもつれ込む接戦となったネッツ戦でシーズンハイの32得点をマークする中[24]2OTの残り2分22秒に左脛骨と腓骨の複雑骨折という重症の怪我を負った。様々な記録を達成するなどキャリア最高のシーズンを送っていたが、この負傷によって残りのシーズンの全休を余儀なくされた[25]。
負傷から11か月後の2020年3月15日に復帰が予定[26]されていたが、シーズン中断により復帰は先送りされた。7月31日のメンフィス・グリズリーズ戦で1年4か月ぶりに復帰し、18得点、9リバウンド、6ブロックを記録し、チームは延長戦の末に140-135で勝利した[27][28]。
2021年1月14日のインディアナ・ペイサーズ戦で右手首を骨折し、3月26日の復帰戦となるオーランド・マジック戦で8得点、8リバウンドを記録した[29]。4月23日のメンフィス・グリズリーズ戦でシーズンハイとなる26得点を記録したが、チームは128-130で惜敗した[30]。
2022年1月6日のマイアミ・ヒート戦の第4クォーター中にタイラー・ヒーローと口論になり試合から退場し、両者に2万5,000ドルの罰金が科せられた[31]。1月22日のセルティックス戦で決勝ゴールを含む29得点、17リバウンドを記録した[32]。3月22日、2日前に行われたペイサーズ戦の後に観客のスマートフォンをスタンドに投げ入れたとし、4万ドルを科せられた[33]。3月28日に足底筋膜炎によりシーズンを全休することが発表された[34]。7月6日にブレイザーズとの4年総額7,000万ドルの再契約に合意した[35]。
フェニックス・サンズ
[編集]2023年9月27日にデイミアン・リラード、ドリュー・ホリデーらが絡む大型トレードにより、グレイソン・アレン、キーオン・ジョンソン、ナシール・リトルらと共にサンズへ移籍した。
2024年3月3日のオクラホマシティ・サンダー戦でキャリアハイかつフランチャイズ記録を更新する31リバウンドを含む14得点、4アシストを記録したが、チームは110-118で敗れた[36]。
個人成績
[編集]略称説明 | |||||
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GP | 出場試合数 | GS | 先発出場試合数 | MPG | 平均出場時間 |
FG% | フィールドゴール成功率 | 3P% | スリーポイント成功率 | FT% | フリースロー成功率 |
RPG | 平均リバウンド数 | APG | 平均アシスト数 | SPG | 平均スティール数 |
BPG | 平均ブロック数 | TO | 平均ターンオーバー数 | PPG | 平均得点 |
太字 | キャリアハイ | * | リーグリーダー | † | 優勝シーズン |
NBA
[編集]レギュラーシーズン
[編集]シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | TO | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014–15 | DEN | 62 | 27 | 17.8 | .446 | .000 | .636 | 6.2 | .8 | .8 | 1.1 | 1.4 | 6.9 |
2015–16 | 32 | 3 | 17.1 | .417 | .000 | .616 | 5.5 | 1.3 | .8 | 1.4 | 1.7 | 8.2 | |
2016–17 | 45 | 29 | 17.9 | .507 | --- | .496 | 5.8 | 1.3 | .6 | .8 | 1.8 | 8.0 | |
POR | 20 | 19 | 29.2 | .508 | .000 | .660 | 10.4 | 3.2 | 1.3 | 1.9 | 3.1 | 15.2 | |
2016-17計 | 65 | 48 | 21.4 | .507 | .000 | .571 | 7.2 | 1.9 | .8 | 1.1 | 2.2 | 10.2 | |
2017–18 | 79 | 79 | 26.4 | .505 | .000 | .630 | 9.0 | 1.8 | .8 | 1.4 | 2.3 | 14.3 | |
2018–19 | 72 | 72 | 27.4 | .508 | .103 | .773 | 10.4 | 3.2 | 1.0 | 1.4 | 2.3 | 15.6 | |
2019–20 | 8 | 8 | 31.6 | .495 | .200 | .886 | 10.3 | 4.0 | 1.4 | 2.0 | 2.4 | 17.6 | |
2020–21 | 37 | 37 | 23.8 | .514 | .400 | .619 | 9.0 | 3.4 | 1.0 | 1.1 | 2.0 | 11.5 | |
2021–22 | 56 | 56 | 28.2 | .535 | .268 | .690 | 11.1 | 2.8 | 1.1 | .6 | 2.6 | 15.0 | |
2022–23 | 52 | 52 | 26.8 | .519 | .361 | .661 | 9.1 | 2.9 | .8 | .8 | 2.3 | 13.3 | |
2023–24 | PHX | 76 | 76 | 27.3 | .510 | .244 | .640 | 11.0 | 4.0 | 1.1 | 1.1 | 2.3 | 10.9 |
通算 | 539 | 458 | 24.6 | .503 | .280 | .667 | 8.9 | 2.5 | .9 | 1.1 | 2.2 | 12.1 |
プレーオフ
[編集]シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | TO | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | POR | 1 | 1 | 17.0 | .333 | .000 | --- | 11.0 | 4.0 | .0 | 1.0 | 3.0 | 2.0 |
2018 | 4 | 4 | 23.5 | .487 | --- | .818 | 8.0 | 1.0 | 1.5 | 1.3 | .8 | 11.8 | |
2020 | 5 | 5 | 32.2 | .439 | .273 | .783 | 10.4 | 3.6 | 1.4 | .2 | 2.6 | 14.2 | |
2021 | 6 | 6 | 28.8 | .545 | .200 | .720 | 10.3 | 2.7 | .5 | 1.2 | 2.3 | 13.2 | |
2024 | PHX | 4 | 4 | 25.9 | .500 | .000 | .455 | 8.3 | 2.8 | 1.5 | 1.5 | 1.5 | 7.8 |
通算 | 20 | 20 | 27.4 | .489 | .211 | .714 | 9.5 | 2.7 | 1.1 | 1.0 | 2.0 | 11.5 |
タイトル・表彰・記録
[編集]- NBAオールルーキーチーム:2014-15 (2ndチーム)
- ファイブ・ファイブズ:1回 (2019年1月1日、史上11人目)
背番号
[編集]- 23 (2014 - 2017年、ナゲッツ時代)
- 27 (2017年 - 2023年、ブレイザーズ時代)
- 20 (2023年 - 現在)
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ “Jusuf Nurkić na posudbi u Zadru, traži se Travis” (英語). sportnet.hr. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “NURKIC MAKING NOISE IN THE ADRIATIC LEAGUE” (英語). draftexpress.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Antetokounmpo, Nurkic, Saric up for FIBA Europe Young Player of the Year” (英語). thescore.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Nuggets get Gary Harris, Jusuf Nurkic in first round of 2014 NBA Draft” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Denver Nuggets Sign First-Round Picks Jusuf Nurkic and Gary Harris”. NBA.com (31 July 2014). 31 July 2014閲覧。
- ^ “Derrick Rose's strong finish powers Bulls by Nuggets” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Nuggets’ Jusuf Nurkic opts out of Rising Stars Challenge” (英語). denverpost.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Jusuf Nurkic Undergoes Successful Surgery” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “NBA Rumor Central: Could Nuggets put Jusuf Nurkic on trade market?” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “The Making of Jusuf Nurkic: The Uncompromising Bosnian Beast” (英語). si.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “REPORT: NUGGETS TRADE JUSUF NURKIC TO TRAIL BLAZERS FOR MASON PLUMLEE” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Jusuf Nurkic propels Blazers to win with 28 points, 20 rebounds” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Blazers beat Nuggets to take 1-game lead for 8th seed” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Sources: Jusuf Nurkic could return for possible playoff berth after suffering non-displaced leg fracture” (英語). sports.yahoo.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Lillard and Nurkic lift Trail Blazers over Nets 127-125” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Davis' 47 points leads Pelicans to sweep of Trail Blazers” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Trail Blazers Re-Sign Jusuf Nurkić” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “McCollum, Lillard help Blazers edge Knicks 118-114” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Lillard's 3-pointer in OT lifts Blazers over Warriors” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Lillard rallies Trail Blazers in OT to beat Kings 113-108” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Nurkić Has Career Game in Dramatic New Year's Day Win in Sacramento” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “McCollum helps Trail Blazers rout Hornets 127-96” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Nurkic has triple-double and Blazers beat Cavaliers 129-112” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Blazers lose Nurkic to severe leg injury, edge Nets in 2 OTs” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “BLAZERS' NURKIC SUFFERS SEASON-ENDING LEG INJURY” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Haynes: Jusuf Nurkić To Return For March 15 Game Versus Rockets” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “MCCOLLUM, LILLARD HELP BLAZERS GET PAST MEMPHIS IN OT” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “While starring in return, Blazers' Jusuf Nurkic worried for grandmother with COVID-19” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “BLAZERS' JUSUF NURKIC WILL RETURN TO LINEUP VS. MAGIC” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “MORANT OUTDUELS LILLARD AS GRIZZLIES EDGE TRAIL BLAZER” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “JUSUF NURKIC, TYLER HERRO FINED $25K EACH FOR ON-COURT ALTERCATION” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Nurkić Dominates Celtics In Second Half To Secure .500 Road Trip” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Portland Trail Blazers' Jusuf Nurkic fined $40K for throwing Indiana Pacers fan's phone” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Trail Blazers Injury Updates” (英語). nba.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Jusuf Nurkic, Portland Trail Blazers agree to four-year, $70M contract for return, agent says” (英語). espn.com. Sep 18, 2022閲覧。
- ^ “Nurkic irked by officials after setting Suns' rebound record”. ESPN. March 4, 2024閲覧。
外部リンク
[編集]- 選手の通算成績と情報 NBA、NBA日本、Basketball-Reference、ESPN、Eurobasket、RealGM
- Jusuf Nurkić at abaliga.com
- Jusuf Nurkić at eurobasket.com
- Jusuf Nurkić at euroleague.net
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