モリネート
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モリネート Molinate[1] | |
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別称 S-エチル=ペルヒドロアゼピン-1-カルボチオアート オードラム(商品名) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 2216-67-1 |
特性 | |
化学式 | C9H17NO4S |
モル質量 | 235.3 g mol−1 |
外観 | 無色の液体 |
匂い | 硫黄臭 |
密度 | 1.1g/cm3 |
融点 |
<-50℃ |
沸点 |
136.5℃(1.333Pa) |
水への溶解度 | 961mg/l(25℃) |
有機溶媒への溶解度 | アセトン・エタノール・アセトニトリル・n-オクタノール・キシレン・クロロベンゼン・灯油 1000g/l以上 酢酸エチル 500g/l以上 (室温) |
危険性 | |
半数致死量 LD50 | 584mg/kg(ラット、経口)[2] |
関連する物質 | |
関連物質 | アゼパン |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
モリネート(英: Molinate)は、チオカーバメート系の除草剤の一種である。
用途
[編集]雑草の幼芽部、茎葉部及び根部から吸収され、生長点に移行し、脂肪酸の合成を阻害して細胞分裂を阻止し枯死させる[1]。日本では1971年11月13日に農薬登録を受け、水田のノビエなどの一年生雑草に適用される[3]。イネ科やカヤツリグサ科の雑草には有効であるが広葉雑草には効果が劣ることから、シメトリンやピラゾスルフロンエチル、MCPBなどとの混合剤も開発されている[4]。商品名には、単剤の「オードラム」、混合剤の「マメット」などがある[3]。
日本の他ポルトガル・スペイン・エクアドル・メキシコ・中国・イラン・トルコではイネ、EU諸国・オーストラリア・韓国では非食用作物の農地に使用される[4]。
ストウファーケミカルにより開発された薬剤で、化学業界再編により1987年にICI、1992年にゼネカ、2000年にシンジェンタに権利が異動した。日本における権利は、2007年にシンジェンタの日本法人から協友アグリに譲渡された。
脚注
[編集]- ^ a b “水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料 モリネート” (pdf). 環境省. 2018年8月19日閲覧。
- ^ “農薬評価書(案) モリネート” (pdf). 食品安全委員会農薬専門調査会 (2013年1月). 2018年8月19日閲覧。
- ^ a b (植村 2002, pp. 219–220)
- ^ a b “農薬抄録 モリネート”. 農林水産消費安全技術センター(協友アグリ). 2018年8月19日閲覧。
参考文献
[編集]- 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著『農薬毒性の事典 改訂版』三省堂、2002年。ISBN 978-4385356044。