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メトキシケイ皮酸エチルヘキシル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル[1]
識別情報
CAS登録番号 5466-77-3 チェック
PubChem 5355130
ChemSpider 4511170 チェック
UNII 4Y5P7MUD51 チェック
ChEMBL CHEMBL1200608 ×
特性
化学式 C18H26O3
モル質量 290.403 g/mol
密度 1.01 g/cm3
融点

−25 ℃

沸点

198–200 ℃

危険性
NFPA 704
1
1
0
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

メトキシケイ皮酸エチルヘキシル(Ethylhexyl methoxycinnamate)とは、有機化合物の一種で、trans-4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキサン-1-オールエステルである。オクチノキサート(octinoxate)とも呼ばれる(米国一般名)。

性質

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メトキシケイ皮酸エチルヘキシルは、波長280 nmから320 nmまでの紫外域に吸収を持つので、日焼け止め剤(紫外線吸収剤)として用いられることがある [2]E体のメトキシケイ皮酸エチルヘキシルは上記の波長の紫外線を吸収すると、Z体への異性化が起こり、あまり紫外線を吸収しなくなる [2]

立体化学

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メトキシケイ皮酸エチルヘキシルは、1個の不斉炭素および1個の二重結合を含み、以下の4個の立体異性体を有する。

メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの鏡像および幾何異性体
R S
E
Z

危険性

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日焼け止めにしばしば用いられる化合物として、オキシベンゾン英語版オクトクリレンスリソベンゾンが挙げられる。これら3つの化合物と同様に、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルもまたヒトの皮膚から吸収され、皮膚に障害を引き起こす場合があることが判明した [3] 。 この他に、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルには女性ホルモン様作用(内分泌攪乱作用)が存在する可能性が示唆されており、特に、女性ホルモンなどに感受性の高い子供や妊婦への影響が懸念されている。ただし、これは動物実験の結果であってヒトへの影響が確認されたわけではない [2] 。 一方、強い紫外線は皮膚がんになる危険性を上げるなど、様々な害が知られており、上記のような危険があったとしても、強い紫外線に肌が直接長時間曝されるような状況などにおいては、日焼け止めを使用することの利点の方が上回ることもあるとする考えもある [3] 。 しかしながら、日焼け止めが皮膚に障害を与え得る状況を防ぐ手法が開発されるまでは、例えば太陽光の下では皮膚の露出を避けるなど、日焼け止めを使用する以外の紫外線防御法を利用することも考えるべきである [3]
人体への影響以外には、オキシベンゾンなどと同じく、サンゴ白化を引き起こすことが懸念されている [4] [5]
健康・環境への影響や代替成分については、記事「サンスクリーン剤」も参照のこと。

出典

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  1. ^ Merck Index, 11th Edition, 6687.
  2. ^ a b c Chemical UVB sunscreen / sunblock : octyl methoxycinnamate (octinoxate)
  3. ^ a b c The dark side of chemical sunscreens. should you be concerned about photosensitization?
  4. ^ Impacts of sunscreens on coral reefs
  5. ^ Periodic Graphics: Sunscreen and coral reef damage