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メチルトリオキソレニウム(VII)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メチルトリオキソレニウム(VII)
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識別情報
CAS登録番号 70197-13-6
特性
化学式 CH3ReO3
モル質量 249.24 g/mol
外観 白色粉末
融点

112 °C (385 K)

への溶解度 水に非常によく溶ける
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS
EU分類 酸化剤 O有害 Xn
主な危険性 非常に危険
Sフレーズ S22 S23 S24/25
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

メチルトリオキソレニウム(VII) (: methyltrioxorhenium(VII)) または三酸化メチルレニウムメチルレニウムトリオキシド (: methylrhenium trioxide) は、化学式が CH3ReO3 と表される有機金属化合物である。揮発性の無色の固体で、いくつかの室内実験において触媒として使われる。

レニウムは1つのメチル基と3つのオキソ基が結合した四面体形構造をとっており、その酸化数は+7である。

合成

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メチルトリオキソレニウム(VII)は商業的に利用可能である。多くのルートで合成でき、典型的な合成法は Re2O7テトラメチルスズの反応である[1]

同様のアルキルアリール誘導体が知られている。RReO3 型の化合物は、ハロゲン化物アミンと1:1または1:2付加物を形成するルイス酸である。

利用

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メチルトリオキソレニウム(VII)は、様々な変換に対して不均一触媒として作用する。Al2O3 または SiO2 に担持されたものは、25 °Cオレフィンメタセシスを触媒する。

溶液中のメチルトリオキソレニウム(VII)は過酸化水素とともに酸化触媒として用いられる。末端アルキンを対応するあるいはエステルに、内部アルキンジケトンに、アルケンエポキシドに変換する。また、アルケンのアルデヒドおよびジアゾアルカンへの変換を触媒する[2]

出典

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  1. ^ Herrmann, W. A.; Kratzer R. M.; Fischer R. W. (1997), “Alkylrhenium Oxides from Perrhenates: A New, Economical Access to Organometallic Oxide Catalysts”, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 36 (23): 2652–2654, doi:10.1002/anie.199726521 
  2. ^ Hudson, A. “Methyltrioxorhenium” Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis. John Wiley & Sons: New York, 2002.