ミステリが読みたい!
『ミステリが読みたい!』(ミステリがよみたい!)は、早川書房が2007年に開始した推理小説のブック・ランキング。
年代 | 各年 |
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2000年代 | 2008年 - 2009年 |
2010年代 | 2010年 - 2011年 - 2012年 - 2013年 - 2014年 - 2015年 - 2016年 - 2017年 - 2018年 - 2019年 |
2020年代 | 2020年 - 2021年 - 2022年 - 2023年 - 2024年 - 2025年 |
対象書籍・投票方法
[編集]- 投票方法
- 2008年版・2009年版
- 作家・評論家・書店員などの識者による「私のベスト3」アンケートと、一般読者によるハガキ・メールによる投票により選出。それぞれ3作品(順不同)を上げてもらい、1作品3点として集計する。投票者が限定されていたそれまでのベストテンに対して、読者も参加できる「開かれた」ベストテンを目指して創られた。
- 2010年版〜2012年版
- 信頼できるミステリ読みのプロ(識者)に、各作品ごとにストーリー(物語の面白さ)、サプライズ(トリックも含む)、キャラクター(登場人物の魅力)、ナラティヴ(文体、語り口)の4つの基準を各5点満点(2010年版のみ各25点満点)で評価してもらい、総合点上位100冊を紹介する。上位10位までは獲得点数とその作品を支持した人数が公開され、11位以降は50音順に紹介される(11位から20位までは順位のみ公開)。
- 4つの基準の部門別のベスト5、ジャンル別のベスト5も発表される。
- 対象書籍
- 毎年11月に刊行されるため、ランキングの対象となる書籍は、奥付が前年10月1日からその年の9月30日の作品。「ミステリが読みたい!」では文庫化された作品や復刊された作品なども対象となる他、対象書籍の時期が他のランキング(本格ミステリ・ベスト10、このミステリーがすごい!、週刊文春ミステリーベスト10)より1ヵ月異なるなど、差別化が図られている。
各年の結果
[編集]2008年版
[編集]『ミステリが読みたい! 2008年版』、2007年11月発行、対象:2006年10月〜2007年9月発行書籍
国内編
海外編
- ロング・グッドバイ(レイモンド・チャンドラー)(村上春樹訳)
- 再起(ディック・フランシス)
- 狂人の部屋(ポール・アルテ)
- 灯台(P・D・ジェイムズ)
- 病める狐(ミネット・ウォルターズ)
- 目くらましの道(ヘニング・マンケル)
- 路上の事件(ジョー・ゴアズ)
- 災いの古書(ジョン・ダニング)
- リヴァイアサン号殺人事件(ボリス・アクーニン)
- 双生児(クリストファー・プリースト)
2009年版
[編集]『ミステリが読みたい! 2009年版』、2008年11月発行、対象:2007年10月〜2008年9月発行書籍
国内編
海外編
- 運命の日(デニス・ルヘイン)
- フロスト気質(R・D・ウィングフィールド)
- ザ・ロード(コーマック・マッカーシー)
- チャイルド44(トム・ロブ・スミス)
- 深海のYrr(フランク・シェッツィング)
- ブルー・ヘヴン(C・J・ボックス)
ウォッチメイカー(ジェフリー・ディーヴァー) - -
- ロミオ(ロバート・エリス)
- タンゴステップ(ヘニング・マンケル)
- ダルジールの死(レジナルド・ヒル)
2010年版
[編集]『ミステリが読みたい! 2010年版』、2009年11月発行、対象:2008年10月〜2009年9月発行書籍
国内編
海外編
- ミレニアム1〜3(スティーグ・ラーソン)
- グラーグ57(トム・ロブ・スミス)
- ユダヤ警官同盟(マイケル・シェイボン)
- 川は静かに流れ(ジョン・ハート)
- 犬の力(ドン・ウィンズロウ)
- 死神を葬れ(ジョシュ・バゼル)
- リンカーン弁護士(マイクル・コナリー)
- 迷惑なんだけど?(カール・ハイアセン)
- スリーピング・ドール(ジェフリー・ディーヴァー)
メアリー-ケイト(ドゥエイン・スウィアジンスキー)
2011年版
[編集]『ミステリが読みたい! 2011年版』、2010年11月発行、対象:2009年10月〜2010年9月発行書籍
国内編
海外編
- ラスト・チャイルド(ジョン・ハート)
- ノンストップ!(サイモン・カーニック)
- エコー・パーク(マイクル・コナリー)
- 陸軍士官学校の死(ルイス・ベイヤード)
- 「ファージング」三部作(ジョー・ウォルトン)
- 卵をめぐる祖父の戦争(デイヴィッド・ベニオフ)
- 音もなく少女は(ボストン・テラン)
- 沼地の記憶(トマス・H・クック)
- ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ(オレン・スタインハウアー)
- ベルファストの12人の亡霊(スチュアート・ネヴィル)
2012年版
[編集]『ミステリが読みたい! 2012年版』、2011年11月発行、対象:2010年10月〜2011年9月発行書籍
国内編
海外編
- 二流小説家(デイヴィッド・ゴードン)
- 犯罪(フェルディナント・フォン・シーラッハ)
- サトリ(ドン・ウィンズロウ)
- 背後の足音(ヘニング・マンケル)
- エージェント6(トム・ロブ・スミス)
- ブラッド・ブラザー(ジャック・カーリイ)
- 忘れられた花園(ケイト・モートン)
- ロードサイド・クロス(ジェフリー・ディーヴァー)
- 死刑囚(アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム)
- 特捜部Q 檻の中の女(ユッシ・エーズラ・オールスン)
2013年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2013年1月号に掲載、対象:2011年10月〜2012年9月発行書籍
国内編
海外編
- 湿地(アーナルデュル・インドリダソン)
- 解錠師(スティーヴ・ハミルトン)
- 占領都市 TOKYO YEAR ZERO II(デイヴィッド・ピース)
- 特捜部Q Pからのメッセージ(ユッシ・エーズラ・オールスン)
- 鷲たちの盟約(アラン・グレン)
- 追撃の森(ジェフリー・ディーヴァー)
- 無罪(スコット・トゥロー)
- 真鍮の評決 リンカーン弁護士(マイクル・コナリー)
- ローラ・フェイとの最後の会話(トマス・H・クック)
- 罪悪(フェルディナント・フォン・シーラッハ)
2014年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2014年1月号に掲載、対象:2012年10月~2013年9月発行書籍
国内編
海外編
- 遮断地区 (ミネット・ウォルターズ)
- 緑衣の女 (アーナルデュル・インドリダソン)
- 冬のフロスト (R・D・ウィングフィールド)
- 夜に生きる (デニス・ルヘイン)
- シスターズ・ブラザーズ (パトリック・デウィット)
- ポーカー・レッスン (ジェフリー・ディーヴァー)
- 11/22/63 (スティーヴン・キング)
- コリーニ事件 (フェルディナント・フォン・シーラッハ)
- 終わりの感覚 (ジュリアン・バーンズ)
- スケアクロウ (マイクル・コナリー)
2015年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2015年1月号に掲載、対象:2013年10月~2014年9月発行書籍
国内編
海外編
- その女アレックス (ピエール・ルメートル)
- 秘密 (ケイト・モートン)
- ゴーストマン 時限紙幣 (ロジャー・ホッブズ)
- 養鶏場の殺人/火口箱 (ミネット・ウォルターズ)
- もう年はとれない (ダニエル・フリードマン)
- 逃げる幻 (ヘレン・マクロイ)
- 地上最後の刑事 (ベン・H・ウィンタース)
- 凍氷 (ジェイムズ・トンプソン)
- ハリー・クバート事件 (ジョエル・ディケール)
- 三秒間の死角 (アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム)
2016年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2016年1月号に掲載、対象:2014年10月~2015年9月発行書籍
国内編
海外編
- ありふれた祈り (ウィリアム・ケント・クルーガー)
- 声 (アーナルデュル・インドリダソン)
- 悪魔の羽根 (ミネット・ウォルターズ)
- 夏の沈黙 (ルネ・ナイト)
- もう過去はいらない (ダニエル・フリードマン)
- エンジェルメイカー (ニック・ハーカウェイ)
- 髑髏の檻 (ジャック・カーリイ)
- 街への鍵 (ルース・レンデル)
- 偽りの楽園 (トム・ロブ・スミス)
- 禁忌 (フェルディナント・フォン・シーラッハ)
2017年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2017年1月号に掲載、対象:2015年10月~2016年9月発行書籍
国内編
海外編
- 熊と踊れ(アンデシュ・ルースルンド, ステファン・トゥンベリ)
- ミスター・メルセデス(スティーヴン・キング)
- 拾った女(チャールズ・ウィルフォード)
- ザ・カルテル(ドン・ウィンズロウ)
- 悲しみのイレーヌ(ピエール・ルメートル)
- スキン・コレクター(ジェフリー・ディーヴァー)
- 背信の都(ジェイムズ・エルロイ)
- 終わりなき道(ジョン・ハート)
- ミレニアム4(ダヴィド・ラーゲルクランツ)
- プラハの墓地(ウンベルト・エーコ)
2018年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2018年1月号に掲載、対象:2016年10月~2017年9月発行書籍
国内編
海外編
- フロスト始末(R・D・ウィングフィールド)
- 湖畔荘(ケイト・モートン)
- 東の果て、夜へ(ビル・ビバリー)
- コードネーム・ヴェリティ(エリザベス・ウェイン)
- その犬の歩むところ(ボストン・テラン)
- 湖の男(アーナルデュル・インドリダソン)
- シンパサイザー(ヴィエト・タン・ウェン)
- 青鉛筆の女(ゴードン・マカルパイン)
- 悪魔の星(ジョー・ネスボ)
- その雪と血を(ジョー・ネスボ)
約束(ロバート・クレイス)
2019年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2019年1月号に掲載、対象:2017年10月~2018年9月発行書籍
国内編
海外編
- カササギ殺人事件(アンソニー・ホロヴィッツ)
- そしてミランダを殺す(ピーター・スワンソン)
- 乗客ナンバー23の消失(セバスチャン・フィツェック)
- IQ(ジョー・イデ)
- 元年春之祭(陸秋槎)
- 白墨人形(C・J・チューダー)
- 黒い睡蓮(ミシェル・ビュッシ)
- 許されざる者(レイフ・GW・ペーション)
- あなたを愛してから(デニス・ルヘイン)
- 蝶のいた庭(ドット・ハチソン)
2020年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2020年1月号に掲載、対象:2018年10月~2019年9月発行書籍
国内編
海外編
- メインテーマは殺人(アンソニー・ホロヴィッツ)
- ザ・ボーダー(ドン・ウィンズロウ)
- ディオゲネス変奏曲(陳浩基)
- 国語教師(ユーディト・W・タシュラー)
- ブルーバード、ブルーバード(アッティカ・ロック)
- 休日はコーヒーショップで謎解きを(ロバート・ロプレスティ)
- ケイトが恐れるすべて(ピーター・スワンソン)
- イヴリン嬢は七回殺される(スチュアート・タートン)
- 拳銃使いの娘(ジョーダン・ハーパー)
- ピクニック・アット・ハンギングロック(ジョーン・リンジー)
2021年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2021年1月号に掲載、対象:2019年10月~2020年9月発行書籍
国内編
海外編
- その裁きは死(アンソニー・ホロヴィッツ)
- 指差す標識の事例(イーアン・ペアーズ)
- ザリガニの鳴くところ(ディーリア・オーエンズ)
- 三分間の空隙(アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム)
- あの本は読まれているか(ラーラ・プレスコット)
- カメレオンの影(ミネット・ウォルターズ)
- スパイはいまも謀略の地に(ジョン・ル・カレ)
- 死んだレモン(フィン・ベル)
- 流れは、いつか海へと(ウォルター・モズリイ)
- 時計仕掛けの歪んだ罠(アルネ・ダール)
2022年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2022年1月号に掲載
国内編
海外編
- 自由研究には向かない殺人(ホリー・ジャクソン)
- ヨルガオ殺人事件(アンソニー・ホロヴィッツ)
- 木曜殺人クラブ(リチャード・オスマン)
- 父を撃った12の銃弾(ハンナ・ティンティ)
- オクトーバー・リスト(ジェフリー・ディーヴァー)
- 第八の探偵(アレックス・パヴェージ)
- 彼と彼女の衝撃の瞬間(アリス・フィーニー)
- 見知らぬ人(エリー・グリフィス)
- スリープウォーカー(ジョセフ・ノックス)
- 台北プライベートアイ(紀蔚然)
2023年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2023年1月号に掲載
国内編
海外編
- われら闇より天を見る(クリス・ウィタカー)
- 殺しへのライン(アンソニー・ホロヴィッツ)
- 優等生は探偵に向かない(ホリー・ジャクソン)
- 彼は彼女の顔が見えない(アリス・フィーニー)
- ポピーのためにできること(ジャニス・ハレット)
- 名探偵と海の悪魔(スチュアート・タートン)
- アリスが語らないことは(ピーター・スワンソン)
- キュレーターの殺人(M・W・クレイヴン)
- 魔王の島(ジェローム・ルブリ)
- ギャンブラーが多すぎる(ドナルド・E・ウェストレイク)
2024年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2024年1月号に掲載
国内編
海外編
- 愚者の街(ロス・トーマス)
- ナイフをひねれば(アンソニー・ホロヴィッツ)
- 頬に哀しみを刻め(S・A・コスビー)
- 卒業生には向かない真実(ホリー・ジャクソン)
- 恐るべき太陽(ミシェル・ビュッシ)
- 処刑台広場の女(マーティン・エドワーズ)
- トゥルー・クライム・ストーリー(ジョセフ・ノックス)
- 8つの完璧な殺人(ピーター・スワンソン)
- 哀惜(アン・クリーヴス)
- ガラスの橋 ロバート・アーサー自選傑作集(ロバート・アーサー)
2025年版
[編集]『ハヤカワミステリマガジン』2025年1月号に掲載
国内編
海外編
- 死はすぐそばに(アンソニー・ホロヴィッツ)
- ビリー・サマーズ(スティーブン・キング)
- エイレングラフ弁護士の事件簿(ローレンス・ブロック)
- 両京十五日(馬伯庸)
- 喪服の似合う少女(陸秋槎)
- すべての罪は血を流す(S・A・コスビー)
- 身代わりの女(シャロン・ボルトン)
- ボタニストの殺人(M・W・クレイヴン)
- 魂に秩序を(マット・ラフ)
- 白薔薇殺人事件(クリスティン・ペリン)
ぼくの家族はみんな誰かを殺してる(ベンジャミン・スティーヴンソン)
関連項目
[編集]- ミステリーのランキング
- 週刊文春ミステリーベスト10 - 文藝春秋
- このミステリーがすごい! - 宝島社
- 文庫翻訳ミステリー・ベスト10 - 講談社
- 黄金の本格 - 南雲堂
- 本格ミステリこれがベストだ! - 東京創元社
- 東西ミステリーベスト100