マリー=ジュリー・アリニェ
マリー=ジュリー・アリニェ Marie-Julie Halligner | |
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基本情報 | |
生誕 |
1786年1月29日 フランス王国 パリ |
死没 |
1850年7月23日(64歳没) フランス共和国 パリ |
ジャンル | クラシック音楽 |
職業 | メゾソプラノ |
マリー=ジュリー・ブーランジェ(Marie-Julie Boulanger 旧姓アリニェ Halligner 1786年1月29日 - 1850年7月23日)は、フランスのメゾソプラノ歌手[1]。キャリアを通じて一貫して「ブーランジェ夫人」という名前で活躍した彼女は、『宮廷楽長』、『大使夫人』、『黒いドミノ』、『連隊の娘』の初演の舞台に立った。
生涯
[編集]アリニェはパリで中産階級の店舗経営者の両親のもとに生まれた[2][3]。オデオン座、アンビギュ=コミック劇場の女優で1826年に俳優のフレデリック・ルメートルと結婚した女優のソフィー・アリニェは彼女の妹である[4]。1806年にパリ音楽院に入学してソルフェージュを学び[2]、シャルル=アンリ・プランタードとピエール=ジャン・ガラに師事した[5]。
アリニェが1811年にオペラ=コミック座で飾った初舞台は「とてつもない成功」であったと考えられている。1811年から1835年の間は同劇場の著名なスブレットであった彼女は、1845年まで舞台に上がり続けるも後年は声の衰えをみせ始めていた[5]。多数のオペラ・コミックで初演の舞台に上がっており、1830年にオベールの『フラ・ディアヴォロ』からパメラ夫人[1]、1831年にはエロルドの『ザンパ』からリッタを演じた[6]。1821年にはパエールの『宮廷楽長』からジェルトリュード、1836年にはオベールの『大使夫人』からバルネク夫人、1840年にはドニゼッティの『連隊の娘』からベルケンフィールト侯爵夫人を演じている。彼女は他にもグレトリ、イズアール、ボイエルデューの作品での歌唱を披露した[7]。アリニェの声質は「素晴らしい」と伝えられており、「彼女の歌唱は華麗で、演技は個性と知性に満ちていた」とされる[8]。1845年に舞台の一線を退くと、その後はパリで後進の育成に注力した[7]。
アリニェはチェリストでパリ音楽院の教授であったフレデリック・ブーランジェと音楽院時代に知り合い、結婚した。彼らの息子であるエルネスト・ブーランジェは1835年にローマ賞を獲得し[9]、コミック・オペラの作曲家となった。その妻となったライッサ・ミチェツキーはミハイル2世の子孫にあたる公女であった[10]。この息子夫婦の子ども、アリニェの孫娘であるナディア・ブーランジェとリリ・ブーランジェは共にローマ賞に応募し、ナディアは1908年に2等賞を、リリは1913年に1等賞を獲得している[9]。
参考文献
[編集]- ^ a b Meyerbeer, Giacomo; Letellier, Robert Ignatius (1999). The Diaries of Giacomo Meyerbeer: 1791–1839. Fairleigh Dickinson Univ Press. p. 106. ISBN 978-0-8386-3789-0 24 April 2012閲覧。
- ^ a b Kendall, Alan (1976). The tender tyrant, Nadia Boulanger: a life devoted to music : a biography. Macdonald and Jane's. p. 4. ISBN 9780356084039 28 April 2012閲覧。
- ^ Huyghe, René (1982) (French). Lili et Nadia Boulanger. La Revue Musicale. p. 71 28 April 2012閲覧。
- ^ Tamvaco, Jean-Louis; Guest, Ivor Forbes (2000) (French). Les cancans de l'Opéra. CNRS editions. p. 611. ISBN 978-2-271-05742-6 28 April 2012閲覧。
- ^ a b Grove, Sir George (1904). Grove's Dictionary of Music and Musicians (Public domain ed.). Macmillan Company. pp. 371– 28 April 2012閲覧。
- ^ Zampa libretto, 1831 at Google Books.
- ^ a b Castellani, Giuliano (2008) (Italian). Ferdinando Paer: Biografia, Opere E Documenti Degli Anni Parigini. Peter Lang. pp. 364–. ISBN 978-3-03911-719-2 28 April 2012閲覧。
- ^ Grove, George; Fuller-Maitland, John Alexander. A Dictionary of Music and Musicians (A. D. 1450–1889). Forgotten Books. p. 263. ISBN 978-1-4400-6429-6 24 April 2012閲覧。
- ^ a b Dunbar, Julie C. (17 December 2010). Women, Music, Culture: An Introduction. Taylor & Francis. p. 218. ISBN 978-0-415-87562-2 24 April 2012閲覧。
- ^ Campbell, Don G. (August 1984). Master teacher, Nadia Boulanger. Pastoral Press. p. 17. ISBN 978-0-912405-03-2 28 April 2012閲覧。