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ポルトフィーノ (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポルトフィーノ
2008年11月16日 京都競馬場
欧字表記 Portofino
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2005年3月14日(19歳)
登録日 2007年4月25日
抹消日 2010年4月17日
クロフネ
エアグルーヴ
母の父 トニービン
生国 日本の旗 日本
生産者 ノーザンファーム
馬主 (有)サンデーレーシング
調教師 角居勝彦栗東
競走成績
生涯成績 9戦3勝
獲得賞金 4499万3000円
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ポルトフィーノ (Portofino) とは日本競走馬である。2008年エリザベス女王杯に於いて、日本のGI級競走(JpnIを含む)で初めて且つ2023年現在まで唯一、カラ馬の状態で先頭で入線したことで知られる[1]

現役中はサンデーレーシングが所有していたクラブ馬で、半姉アドマイヤグルーヴ、半弟にフォゲッタブルルーラーシップ、半妹にグルヴェイグがいる。

戦績

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2歳

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デビューは2007年6月16日阪神競馬場第5競走の新馬戦(芝1600m)。好スタートから先手を取るとそのまま逃げ、2着に5馬身差で快勝した。2戦目は札幌2歳ステークスを予定していたが、直前の調教で右臀部に痛みが出たため回避[2]。その後も体調が整わず、結局2歳時は新馬戦のみの出走に終わる。

3歳

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休養明け初戦は2008年2月11日京都競馬場で行われたオープンのエルフィンステークスである。実に8か月ぶりの出走であったが1番人気に支持され、2着に2馬身半の差をつけて逃げ切り勝ち、2連勝を飾る。重賞初挑戦となった3月1日アーリントンカップでも1番人気に支持されるが、勝ち馬ダンツキッスイの8着と初黒星を喫した[3]

そして、4月13日の牝馬クラシック第1戦の桜花賞を迎えることになる。しかし桜花賞の前日の4月12日左寛跛行のために大事をとって出走取り消しになった[4]。この桜花賞は母エアグルーヴが熱発で回避した競走で、親娘ともに出走することは叶わなかった。

牝馬クラシック第2戦の優駿牝馬は祖母ダイナカール、母エアグルーヴも優勝した競走で、ポルトフィーノには優駿牝馬3代制覇の期待が懸かっていた。しかし直前に右第1指骨剥離骨折を発症し[5]、全治3か月以上を要するという診断により、出走はまたもや見送られた[4]

その後、骨折明けで秋華賞に出走登録を行う。武豊を鞍上に迎えることも決まっていたが、賞金不足(フルゲート18頭に対し19番目)のためにまたも出走は叶わなかった[6]。そのため、秋華賞と同日に行われた1600万円以下条件戦の清水ステークスへ出走し、ハナ差の勝利を収めている[7]

清水ステークスの後、初めてのGIの舞台となる11月16日エリザベス女王杯へに向けて調整され、カワカミプリンセスベッラレイアに次ぐ3番人気に支持されたが、スタート直後に前脚を自身の後脚で引っ掛けてつまづき(武曰く「防ぎようが無かった」)、武が落馬[1]。ポルトフィーノは競走中止となった後も走り続け、カラ馬の状態で先頭でゴールした[8]。これはGI(JpnIを含む)では初めてであり[1]、重賞(G2またはG3)まで含めてもめずらしいことである[9]

4歳以降

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明け4歳の初戦は2009年4月11日阪神牝馬ステークス。1番人気に支持され、好位からレースを進めたが、最後の直線で伸び切れず8着に終わった。その後、四位洋文騎手とのコンビで挑んだ5月10日の都大路ステークスでは後方から3コーナー付近で捲くって来るも直線で失速して14着と大敗、その後は休養に入っている。

5歳となった2010年に復帰し、3月13日のうずしおステークスに1番人気で出走したが、ブービーの15着と大敗した。続く難波ステークスでは好位追走も伸びあぐねて7着に敗れ、このレースを最後に現役を引退、繁殖入りすることになった。

繁殖成績

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馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績
初仔 2011年 鹿毛 ディープインパクト 不出走
2番仔 ポルトドートウィユ 2012年 鹿毛 栗東・高野友和 (有)サンデーレーシング 12戦2勝(引退)
3番仔 ポルトフォイユ 2013年 鹿毛 2戦1勝(引退)
4番仔 リミニ 2014年 鹿毛     不出走(引退、繁殖) 
(不受胎) 2015年 オルフェーヴル
5番仔 ポルトラーノ 2016年 牡→ 鹿毛 美浦・萩原清 (有)サンデーレーシング 18戦2勝(引退)
(不受胎) 2017年 キングカメハメハ
6番仔 ポルトヴェッキオ 2018年 鹿毛 ロードカナロア 美浦・木村哲也
→美浦・岩戸孝樹
北海道・田中淳司
大井・渡邉和雄
→美浦・田中博康
(有)サンデーレーシング 11戦3勝(引退)
7番仔 ポルトアレグレ 2019年 鹿毛 美浦・木村哲也
金沢・高橋俊之
(有)サンデーレーシング
→横田一男
4戦1勝(引退)
8番仔 ポルトロッソ 2020年 鹿毛 リアルスティール 美浦・宮田敬介 (有)サンデーレーシング 5戦0勝(引退)
9番仔 ポルトフェリス 2021年 黒鹿毛 エピファネイア 美浦・栗田徹 3戦1勝(現役)
(不受胎) 2022年 ロードカナロア
10番仔 ポルトフィーノの2023 2024年 黒鹿毛 アドマイヤマーズ (デビュー前)
  • 2024年10月5日現在
  • 初仔であるポルトフィーノの11は全弟のポルトドートウィユなどと同じサンデーサラブレッドクラブで募集されたが[10]、右後脚のハ行で競走馬になれず引退[11]

競走成績

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競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2007.06.16 阪神 2歳新馬 芝1600m(良) 8 4 4 001.30(1人) 01着 R1.36.5(34.4) -0.8 0武豊 54 (マイサイドキック) 476
2008.02.11 京都 エルフィンS OP 芝1600m(良) 12 7 9 001.90(1人) 01着 R1.36.3(34.4) -0.4 0武豊 54 (ラベ) 480
0000.03.01 阪神 アーリントンC JpnIII 芝1600m(良) 12 8 13 001.70(1人) 08着 R1.35.2(34.9) -0.6 0武豊 54 ダンツキッスイ 474
0000.04.13 阪神 桜花賞 JpnI 芝1600m(良) 17 4 7 出走取消 0武豊 55 レジネッタ 計不
0000.10.19 京都 清水S 1600万下 芝1600m(良) 17 4 8 002.60(1人) 01着 R1.32.5(33.8) -0.0 0武豊 53 (スピリタス) 482
0000.11.16 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 18 3 5 007.90(3人) 競走中止 0武豊 54 リトルアマポーラ 484
2009.04.11 阪神 阪神牝馬S GII 芝1400m(良) 18 8 16 002.10(1人) 08着 R1.22.3(34.9) -0.9 0武豊 55 ジョリーダンス 484
0000.05.10 京都 都大路S OP 芝1600m(良) 18 7 15 003.70(1人) 14着 R1.34.3(35.0) -1.3 0四位洋文 54 ライブコンサート 488
2010.03.13 阪神 うずしおS 1600万下 芝1400m(良) 16 1 2 003.40(1人) 15着 R1.22.8(35.4) -0.6 0四位洋文 55 ストリートスタイル 484
0000.04.04 阪神 難波S 1600万下 芝1800m(良) 16 3 5 003.60(2人) 07着 R1.47.4(34.1) -0.8 0四位洋文 56 シルポート 488

血統表

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ポルトフィーノ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヴァイスリージェント系

*クロフネ
1998 芦毛
父の父
* フレンチデピュティ
French Deputy
1992 栗毛
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Mitterand Hold Your Peace
Laredo Lass
父の母
* ブルーアヴェニュー
Blue Avenue
1990 芦毛
Classic Go Go Pago Pago
Classic Perfection
Eliza Blue Icecapade
*コレラ

エアグルーヴ
1993 鹿毛
*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛
*カンパラ Kalamoun
State Pension
Severn Bridge Hornbeam
Priddy Fair
母の母
ダイナカール
1980 鹿毛
*ノーザンテースト Northern Dancer
Lady Victoria
シャダイフェザー *ガーサント
*パロクサイド
母系(F-No.) パロクサイド系(FN:8-f) [§ 2]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×4、Nearctic 5×5 [§ 3]
出典
  1. ^ [12]
  2. ^ [12]
  3. ^ [12]


脚注

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  1. ^ a b c 武2秒で落馬 無人馬V?エ女王杯G1初珍事/復刻|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 2022年5月20日閲覧。
  2. ^ ポルトフィーノ、札幌2歳Sを回避”. netkeiba.com. 2007年9月26日閲覧。
  3. ^ ポルトフィーノ、桜花賞へ(6日)”. 競馬ブック. 2022年5月20日閲覧。
  4. ^ a b ポルトフィーノ骨折、オークス回避(14日)”. 競馬ブック. 2022年5月20日閲覧。
  5. ^ ポルトフィーノが骨折、オークスは回避”. netkeiba.com. 2008年5月14日閲覧。
  6. ^ 【秋華賞】(19日・京都)~出走18頭決定、ポルトフィーノ除外でユキチャンに武豊 | 競馬実況web | ラジオNIKKEI”. keiba.radionikkei.jp. 2022年5月20日閲覧。
  7. ^ 【清水S】(京都)~エアグルーヴの娘ポルトフィーノが復帰戦で勝利 | 競馬実況web | ラジオNIKKEI”. keiba.radionikkei.jp. 2022年5月20日閲覧。
  8. ^ 有吉正徳. “スポーツ_馬事当風/有吉正徳_ポルトフィーノの落馬”. アスパラクラブ. 2010年11月5日閲覧。
  9. ^ 1993年の京阪杯でワイドバトルがカラ馬で先頭ゴールしている。オープン特別では、1985年の札幌日経賞で、のちにG1を2勝するギャロップダイナがカラ馬のまま先頭でゴールした事例が有名。なお、ルール上はゴールまで到達しなかったとみなされ、入線順位などの記録はなされない。
  10. ^ [1] - サンデーサラブレッドクラブ 2012年度募集馬リスト
  11. ^ “【阪神新馬戦】祖母はグルーヴ ポルトドートウィユ初陣Vへ”. スポーツニッポン. (2014年6月20日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/20/kiji/K20140620008400870.html 2014年12月30日閲覧。 
  12. ^ a b c 血統情報: 5代血統表|ポルトフィーノ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2018年11月5日閲覧。

外部リンク

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