ペンタクロロベンゼン
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ペンタクロロベンゼン | |
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1,2,3,4,5-Pentachlorobenzene | |
別称 PeCB | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 608-93-5 |
PubChem | 11855 |
EC番号 | 602-074-00-5 |
RTECS番号 | DA6640000 |
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特性 | |
化学式 | C6HCl5 |
モル質量 | 250.34 g mol−1 |
外観 | 白色ないし無色の結晶 |
密度 | 1.8 g/cm3[1] |
融点 |
86℃[1] |
沸点 |
275-277℃[1] |
水への溶解度 | 0.68 mg/L[2] |
危険性 | |
Rフレーズ | R11 R22 R50/53 |
Sフレーズ | (S2) S41 S46 S50 S60 S61 |
半数致死量 LD50 | ラット: 1080 mg/kg[3] マウス: 1175 mg/kg[3] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ペンタクロロベンゼン(英: Pentachlorobenzene)は、化学式C6HCl5で表される芳香族有機塩素化合物。ベンゼン環に5つの塩素原子が結合しており、PeCBとも略される。かつては工業的に大規模に使用されたが、そのために環境に影響が生じている[4]。
生成
[編集]ポリ塩化ビフェニルや染料、難燃剤、抗菌剤などの中間体となる他、農薬や溶剤の不純物として発生する。燃焼過程において、意図せず発生することがある[5][4]。
用途
[編集]農業用殺菌剤のペンタクロロニトロベンゼン(PCNB)の製造中間体として使用され[3]、また同剤の分解生成物として生じる。現在はPCNBはニトロベンゼンの塩素化によって製造され、PeCBは使用されなくなってきている[4]。ポリ塩化ビフェニルの粘度を下げるため、クロロベンゼンに混合し、添加された[4]。難燃剤としても使用された[3]。
安全性
[編集]残留性有機汚染物質であり、生物濃縮を起こす[1][4]。このため、2009年の残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約第4回締約国会議により、放出削減が定められた[6]。 条件によっては可燃性で、燃焼により塩化水素などを生じる。水生生物に対し非常に強い毒性を持ち、人体に対しては特に肝臓に影響を及ぼす[7]。
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 (化審法) 昭和四十八年 法律百十七号 第二条 2により第一種特定化学物質として指定されている[8]
脚注
[編集]- ^ a b c d Pentachlorobenzene Safety Card, International Programme on Chemical Safety
- ^ Shen, L., Wania, F., Lei, Y. D., Teixeira, C., Muir, D. C. G., Bidleman, T. F. (2005). “Compilation, evaluation, and selection of physical-chemical property data for organochlorine pesticides”. J. Chem Eng. Data 50 (3): 742–768. doi:10.1021/je049693f.
- ^ a b c d Pentachlorobenzene Fact Sheet, U.S. Environmental Protection Agency
- ^ a b c d e Pentachlorobenzene – Sources, environmental fate and risk characterization Archived 2008年12月27日, at the Wayback Machine., Robert E. Bailey, EuroChlor, July 2007
- ^ UNEP 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)第4回締約国会議(化学物質問題市民研究会)
- ^ 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(日本国外務省)
- ^ 国際化学物質安全性カード
- ^ 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令 昭和四十九年六月七日 政令第二百二号 第一条 十九[リンク切れ]