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フジタイゲキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フジタイゲキ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類 I
eurosids I
: キントラノオ目 Malpighiales
: トウダイグサ科 Euphorbiaceae
亜科 : トウダイグサ亜科Euphorbioideae
: トウダイグサ属 Euphorbia
: フジタイゲキ
E. watanabei
学名
Euphorbia watanabei Makino
シノニム

Galarhoeus watanabei (Makino) H.Hara[1]

和名
フジタイゲキ
(富士大戟)

フジタイゲキ(富士大戟、学名: Euphorbia watanabei)は、トウダイグサ科トウダイグサ属の大型の多年草である。静岡県内の低山地の茶草場として、定期的に草刈り管理が行われたため、現在まで自生していると考えられている。

特徴

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フジタイゲキは、牧野富太郎により、富士山麓産の標本を基に1920年、新種として記載された[2][3]。高さは0.7-1.5メートル程あり、夏に開花し、山地または低山地の草原に見られる。

タカトウダイ (E. lasiocaula Boiss.) とは、苞葉輪生葉が黄色い点、さらに果実と種子がより大きく、茎が無毛またはほとんど無毛である点でも異なる。また、イワタイゲキ (E. jolkinii Boiss.) とは、葉が細く腺体の表面のくぼみが不明瞭で山地に生える点で異なり、さらに花期が夏、果実の突起がまばらである点でも異なる。

ヒュウガタイゲキ (E. watanabei subsp. minamitanii T.Kurosawa, Seriz.et H.Ohashi) は、宮崎県の丘陵地に自生し、花部および果実の形態がフジタイゲキとよく似るが、輪生葉がより長く、種子表面にしわ状の模様があり、フジタイゲキの亜種と考えられている。

保全状況評価

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静岡県版レッドデータブックにおいては、絶滅危惧IB類 (EN) に指定されている。掛川市でも独自に、生息地でもある粟ヶ岳中腹の東山地区と地権者との3者による「指定希少野生動植物種東山保護地区協定」[5] を締結し、保護に努めている。

化学成分

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この節の出典[7]

注意点

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根茎は、中国の生薬大戟(ターチ、dà jǐ)の1種である。内服用途として、利尿峻下剤等あるが、ある種のオイホルビンは、発がんプロモーターであるため、猛毒とされ、一般に使用禁止となっている[8]漢方薬として、腎臓病のむくみ緩和などのため外用のみに用いるなどがある[9]。大戟の取り扱いには、専門家の注意を要する。

アメリカ食品医薬局 (FDA) に認可された日光角化症の治療薬インゲノール 3-アンゲラート(商品名 Picato (R) gel ピケイトー・ゲル) については、チャボタイゲキ (Euphorbia peplus) 参照のこと。 

脚注

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Galarhoeus watanabei (Makino) H.Hara”. BG Plants 和名-学名インデックス(YList). 2013年6月27日閲覧。
  2. ^ 山田辰美・杉野孝雄 (2013年3月). “再発見種フジタイゲキの繁殖戦略と保護対策”.  日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨. 2013年6月27日閲覧。
  3. ^ GKZ植物事典 ヒュウガタイゲキ”. 2013年6月27日閲覧。
  4. ^ レッドリスト(植物I)維管束植物”. 環境省 (2012年8月28日). 2013年6月27日閲覧。
  5. ^ 掛川市指定希少野生動植物種東山保護地区協定”. 掛川市ホームページ (2013年5月31日). 2013年7月8日閲覧。
  6. ^ Amakura, Y.; Yoshida, T. (1996). “Tannins and Related Polyphenols of Euphorbiaceous Plants. XIV. Euphorbin I, a New Dimeric Hydrolyzable Tannin from Euphorbia watanabei”. Chem. Pharm. Bull. 44 (7): 1293-1297. doi:10.1248/cpb.44.1293. 
  7. ^  竹本常松、石黒敏弘  (1966). “フジタイゲキの成分 その1 ”. 藥學雜誌 86 (6): 530-533. NAID 110003653250. 
  8. ^ フジタイゲキ_データ”. 静岡県立大学薬学部・薬学研究院. 2013年6月27日閲覧。
  9. ^ タカトウダイ”. e-yakusou.com. 2013年6月27日閲覧。

参考文献

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  • Kurosawa, T.; Serizawa, S.; Ohashi, H. (1996). “A Taxonomical Note on Euphorbia watanabei Makino (Euphorbiaceae)”. Acta Phytotax. Geobot. 47 (1): 11-17. NAID 110003758846. 

関連項目

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