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ビアンフェ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビアンフェ
第71回朝日杯フューチュリティステークス出走時
(2019年12月15日)
欧字表記 Bien Fait[1]
品種 サラブレッド
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2017年4月29日[1]
抹消日 2022年12月2日[2]
キズナ[1]
ルシュクル[1]
母の父 サクラバクシンオー[1]
生国 日本の旗 日本北海道新冠町[1]
生産者 ノースヒルズ[1]
馬主 前田幸貴[1]
調教師 中竹和也栗東[1]
競走成績
生涯成績 16戦4勝[1]
獲得賞金 1億5965万2000円[1]
勝ち鞍
GIII 函館2歳S 2019年
GIII 函館スプリントS 2021年
重賞 葵ステークス 2020年
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ビアンフェ(欧字名:Bien Fait2017年4月29日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2019年函館2歳ステークス2020年葵ステークス2021年函館スプリントステークス

馬名の意味は、フランス語で「上出来、かっこいい」[3]

経歴

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2歳(2019年)

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2019年6月16日函館競馬場芝1200メートルの新馬戦でデビューし、1番人気に支持されいったんは抜け出すも、最後はオータムレッドに差し切られて2着[4]。2週間後の6月30日、2走目の未勝利戦ではスタートもよく最後まで押し切り、初勝利を挙げる[5]

7月21日、世代最初の重賞函館2歳ステークスは4番人気で迎え、スタートは一息も先手を取り、最後まで粘ってタイセイビジョンの追い込みを1馬身4分の3差で退けて優勝[6]。姉・ブランボヌールに続く函館2歳ステークスの姉弟制覇であり、また2013年の日本ダービー優勝馬キズナに早くも産駒の重賞勝ちをもたらした[6]

間をおいて11月2日の京王杯2歳ステークスに出走。3番人気で出走して果敢に逃げたが、1番人気に押されていたタイセイビジョンに差されて2着に終わる[7]

更にG1朝日杯フューチュリティステークスに出走。5番人気での出走で、ここでも逃げを打つが直線で勝ったサリオス他数頭に抜かれて7着に終わる[8]

3歳(2020年)

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3歳初戦のファルコンステークスでは後にNHKマイルカップを制するラウダシオンに次ぐ2番人気に推されたが、重馬場で伸びを欠き9着に敗れた[9]

次走には重賞葵ステークスを選択、1番人気に推された。迎えたレース本番、好スタートから先手を奪うとそのまま逃げ切り勝利、重賞2勝目を飾った[10]

夏場の休養を経て、古馬と初対戦となるセントウルステークスに出走。3番人気に推され、レースではハナを切らず3番手を追走したが、そこから伸びきれず5着に敗れた[11]。それでも鞍上の藤岡佑介は「好位からでも初めてというぐらい折り合いました。」と収穫があった事を口にした[11]

続いてスプリンターズステークスに出走したが、ゲート入りを嫌がり発走時刻が遅れた[12]ほか、レースも最下位16着に敗退[13]。その結果、1ヶ月の出走停止と停止期間満了後の発走調教再審査が科されることになった[12]

その後、気性をよくするために去勢手術を行うこととなり、休養し騸馬となる[14]

4歳(2021年)

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去勢手術明け、5か月ぶりの実戦となったオーシャンステークスは果敢に逃げると直線でも粘り、3着を確保する。さらに3か月ぶりとなった函館スプリントステークス[注 1]はスタートから押してハナを主張すると、最後まで脚色衰えずに大接戦のゴール前をクビ差凌いで逃げ切り勝ち[15]。重賞3勝目を挙げた。次走はセントウルステークスを予定していたが馬房で寝違えてしまい、回避となった[16]。5か月ぶりの実戦となったスプリンターズステークスはモズスーパーフレアに先手を譲り2番手からの競馬となったが、直線で伸びず7着に敗れた。去年同様枠入りを嫌がり、発走時刻を2分遅らせたため、1か月間の出走停止処分となり、停止期間満了後にトレセンではなく、開催競馬場で発走調教再審査の制裁を受けた。

5歳(2022年)

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5歳初戦として1月30日に行われたGIIIシルクロードステークスに出走し、9着に敗れる。

3月5日に行われたGIIIオーシャンステークスに出走。5番人気で迎えたレースでは、スタート直後こそデトロイトテソーロにハナを奪われたが、スピードを上げてハナに立つ。その後も快ピッチで飛ばし、3着に粘り込んだ[17]

続いて、連覇を狙うGIII函館スプリントステークスに出走。3番人気で迎えたレースでは、スタートしてから押してハナへ。前年のこのレースと同じ前半3ハロン通過32秒8で逃げる。しかし、コーナーを回る前には外からレイハリアにかわされるなどして手応えが悪くなり、直線で後退して最下位16着に敗れた[18]

5か月間休養ののち、11月27日の京阪杯に出走するも16着としんがり負けに終わり、12月2日付けでJRA競走馬登録を抹消された。引退後は栗東トレーニングセンターで乗馬となる予定。

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.comの情報[19]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2019.06.16 函館 2歳新馬 芝1200m(稍) 10 2 2 002.80(1人) 02着 R1:10.9(35.0) -0.0 0藤岡佑介 54 オータムレッド 502
0000.06.30 函館 2歳未勝利 芝1200m(稍) 14 8 13 001.70(1人) 01着 R1:10.0(35.5) -0.0 0藤岡佑介 54 (ヴェスターヴァルト) 506
0000.07.21 函館 函館2歳S GIII 芝1200m(良) 15 1 1 007.00(4人) 01着 R1:09.2(35.6) -0.3 0藤岡佑介 54 タイセイビジョン 510
0000.11.02 東京 京王杯2歳S GII 芝1400m(良) 10 7 8 005.40(3人) 02着 R1:21.1(34.4) -0.3 0藤岡佑介 55 タイセイビジョン 534
0000.12.15 阪神 朝日杯FS GI 芝1600m(良) 16 1 2 012.60(5人) 07着 R1:33.9(36.7) -0.9 0藤岡佑介 55 サリオス 538
2020.03.14 中京 ファルコンS GIII 芝1400m(重) 18 7 13 005.20(2人) 09着 R1:22.6(36.6) -1.3 0藤岡佑介 57 シャインガーネット 550
0000.05.30 京都 葵S 重賞 芝1200m(良) 16 6 12 003.30(1人) 01着 R1:08.1(34.6) -0.0 0藤岡佑介 57 (レジェーロ) 558
0000.09.13 中京 セントウルS GII 芝1200m(良) 17 6 11 007.10(3人) 05着 R1:08.3(34.6) -0.4 0藤岡佑介 54 ダノンスマッシュ 560
0000.10.04 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 6 12 067.1(11人) 16着 R1:10.3(37.5) -2.0 0藤岡佑介 55 グランアレグリア 560
2021.03.06 中山 オーシャンS GIII 芝1200m(稍) 16 2 4 015.00(5人) 03着 R1:08.6(34.9) -0.2 0藤岡佑介 56 コントラチェック 548
0000.06.13 札幌 函館スプリントS GIII 芝1200m(良) 16 7 14 008.00(5人) 01着 R1:07.6(34.8) -0.0 0藤岡佑介 56 (カレンモエ) 560
0000.10.03 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 4 8 043.80(9人) 07着 R1:07.9(34.3) -0.8 0藤岡佑介 57 ピクシーナイト 564
2022.01.30 中京 シルクロードS GIII 芝1200m(良) 18 7 15 010.40(6人) 09着 R1:08.7(35.1) -0.6 0藤岡佑介 57.5 メイケイエール 562
0000.03.05 中山 オーシャンS GIII 芝1200m(良) 15 8 14 009.10(5人) 03着 R1:08.0(34.6) -0.1 0藤岡佑介 56 ジャンダルム 556
0000.06.12 函館 函館スプリントS GIII 芝1200m(良) 16 7 13 006.20(3人) 16着 R1:08.3(35.5) -1.1 0藤岡佑介 57 ナムラクレア 560
0000.11.27 阪神 京阪杯 GIII 芝1200m(良) 16 8 16 036.5(13人) 16着 R1:11.2(37.9) -4.0 0藤岡佑介 57 トウシンマカオ 570

血統表

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ビアンフェ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヘイロー系
[§ 2]

キズナ
2010 青鹿毛
北海道新冠町
父の父
ディープインパクト
2002 鹿毛
北海道早来町
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
父の母
*キャットクイル
Catequil
1990 鹿毛
カナダ
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Pacific Princess Damascus
Fiji

ルシュクル
2006 芦毛
北海道新冠町
サクラバクシンオー
1989 鹿毛
北海道早来町
サクラユタカオー *テスコボーイ
アンジェリカ
サクラハゴロモ *ノーザンテースト
*クリアアンバー
母の母
*アジアンミーティア
2000 芦毛
アメリカ
Unbridled Fappiano
Gana Facil
Trolley Song Caro
Lucky Spell F-No.4
母系(F-No.) アジアンミーティア(USA)系(FN:F4-m) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern DancerS5×M5 [§ 4]
出典
  1. ^ [20]
  2. ^ [21]
  3. ^ [20]
  4. ^ [20][21]

母ルシュクルは現役時代15戦3勝。2009年ファルコンステークスで3着に入っている[22]。繁殖牝馬としてビアンフェ以外に2015年函館2歳ステークス2016年キーンランドカップの勝ち馬のブランボヌールを出した[21]。祖母アジアンミーティアの全兄にアメリカの大種牡馬 Unbridled's Song[23]、アジアンミーティアの仔に2015年新潟大賞典の勝ち馬ダコール[21](アジアンミーティア以前の系譜については Unbridled's Songの項目を参照。)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 2020年東京オリンピックによる変則開催伴い、札幌競馬場で開催

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n ビアンフェ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年12月2日閲覧。
  2. ^ “ビアンフェが競走馬登録を抹消”. 日本中央競馬会. https://www.jra.go.jp/news/202212/120208.html 2022年12月2日閲覧。 
  3. ^ ビアンフェ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年9月15日閲覧。
  4. ^ 【函館5R新馬戦】オータムレッドが差し切りV ワールドエース産駒初勝利/JRAレース結果”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2019年6月16日). 2019年10月31日閲覧。
  5. ^ 【2歳未勝利】(函館1R) ビアンフェが接戦を制して初勝利”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2019年6月30日). 2019年10月31日閲覧。
  6. ^ a b 【函館2歳S】ビアンフェが逃げ切りV 新種牡馬キズナの産駒が重賞制覇!/JRAレース結果”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2019年7月21日). 2019年10月31日閲覧。
  7. ^ 【第55回京王杯2歳ステークス(G2)”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年12月17日閲覧。
  8. ^ 第71回朝日フューチュリティ(G1)”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年12月17日閲覧。
  9. ^ 【ファルコンS】牝馬シャインガーネットが抜け出し重賞初制覇、ビアンフェは9着/JRAレース結果 | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2020年5月30日閲覧。
  10. ^ 【葵S結果】ビアンフェが逃げ切りV!キズナ産駒のワンツー! | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2020年5月30日閲覧。
  11. ^ a b 【産経賞セントウルS】ビアンフェは古馬の壁に阻まれ5着 藤岡佑「直線でも盛り返す姿勢を見せて収穫がありました」”. サンスポZBAT!競馬 (2020年9月13日). 2020年10月27日閲覧。
  12. ^ a b 【スプリンターズS】枠入り不良のビアンフェは1ヶ月出走停止、停止期間後に発走調教再審査 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年10月27日閲覧。
  13. ^ 【スプリンターズS・敗戦の弁】ゲート入りに手こずったビアンフェは最下位 藤岡佑「発走を遅らせてすいません」”. スポーツ報知 (2020年10月4日). 2020年10月27日閲覧。
  14. ^ ビアンフェ去勢して再ブレークへ/馬三郎のつぶやき | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年4月12日閲覧。
  15. ^ 【函館スプリントS】5番人気 ビアンフェが逃げ切りで重賞3勝目(競馬のおはなし)”. Yahoo!ニュース. 2021年9月28日閲覧。
  16. ^ 函館SS制したビアンフェ、寝違えのためセントウルSを回避|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 2021年9月28日閲覧。
  17. ^ “【オーシャンS】ビアンフェがしぶとさ発揮の3着 藤岡佑騎手「もう少しでしたけど、いいパフォーマンス」”. スポーツ報知. https://hochi.news/articles/20220305-OHT1T51185.html?page=1 2022年6月12日閲覧。 
  18. ^ “【函館スプリントS】連覇を狙ったビアンフェは最下位16着に沈没 藤岡佑「落ち着いていたし、いい雰囲気だと思っていましたけど…」”. 東スポ競馬. https://tospo-keiba.jp/breaking_news/15476 2022年6月12日閲覧。 
  19. ^ ビアンフェ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年8月5日閲覧。
  20. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ビアンフェ”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年7月23日閲覧。
  21. ^ a b c d ビアンフェの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月31日閲覧。
  22. ^ ルシュクル”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月13日閲覧。
  23. ^ アジアンミーティア(USA)”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月13日閲覧。

外部リンク

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