ハーロア
ハーロア(ハワイ語: Hāloa)はハワイ神話のハワイ創造物語で、神々から生まれたハワイ先住民の最初の祖先であり、またこの創造物語に関するチャントとして歌われている。
ハワイ諸島の誕生
[編集]大地の女神パパハナウモク(Papahānaumoku、略称:パパ)は天の父ワーケア(Wākea)と結ばれて、東から順に、ハワイ島、マウイ島、カホオラウェ島を産む。パパは元の地域(ポリネシアのタヒチ島など)に帰ったので、ワーケアは他の女神と結んで、さらにモロカイ島、ラナイ島を作る。
その後、パパは戻り、彼女は他の男神と結ばれてオアフ島を産む。また、パパとワーケアの間で一番西のカウアイ島、ニイハウ島を産む。こうして、ハワイ諸島が誕生した。
なお、別のハワイ伝説では、ハワイロアが初めてハワイへ定住した人で、各島の名称は彼自身と彼の子供たちの名前であるとしている[1]。
ハーロアの誕生
[編集]パパとワーケアは沢山の子供を産み、その中に娘ホオホクカラニ(Hoʻohokukalani)がいた。ワーケアは美しく育ったホオホクカラニと結んで最初の息子ハーロア(Hāloa)を身ごもらせたが、ハーロアは死産になった。その亡骸を大地に葬ったところ、そこからタロイモが生えて、これはハワイ人の主食として大切にされてきた。[2]
ワーケアはまたホオホクカラニと結んで、今度は息子が無事誕生して、これもハーロアと名付けられて、これがハワイ人の祖先である。
ハーロア・チャント
[編集]こうしたハワイ諸島、ハワイ人の誕生物語は長い間口承で伝えられてきたが、19世紀前半にハワイ語の文字が作られて、ハワイ王朝年代記『クムリポ』も書き物として記録されていた。しばらくして公開され、英語訳も作られた。
『クリムリポ』の冒頭部分はやはり「ハーロア」という名称でチャントにして歌われている[3]。
HĀLOA | ハーロア |
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ʻO Wākea noho lā Papahānaumoku |
ワーケアはパパハナウモクと結んで |
このチャントはひとりでも朗誦され、グループでリーダー(Alakaʻi)と参加者(Hui)の間でも交読されることもある[4]。
同様な内容のチャントは、「メレ・ア・パークイ」などとしても歌われている[5]。