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ノート:殺人罪/過去ログ1

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過去ログ1 過去ログ2

要素整理(一部カット)の提案

えー、ちょっと某所で話題になって「わかりやすい百科事典的項目にするにはどうしたらいいか」を考えつつ手を入れてみたんですが、そんでですね。以下の要素については「殺人罪」の項目には不要だと思うのでカットorコメントアウトしたいんですけど、いかがでしょうか。

  • 人と胎児の区別(人の始期)

この項目については、「出生の時期をどこにするかによって、堕胎罪になるか殺人罪になるかが変わる可能性がある」という争点の指摘にとどめるべきだと思う。個別の始期をめぐる議論の紹介は、殺人罪の項目で行うのではなく、別項を立てて行った方がいいのではないだろうか。

  • 人と死者の区別(人の終期)

同様。「死期が前後することによって殺人罪と死体損壊罪になるかが変わる可能性がある」という争点の指摘にとどめるべきだろうと思う。

  • 各種の致死罪

殺人罪は故意犯であると上の方で言っていて(これは当然のことだけどおれが加筆する前から存在した)、しかし各種の致死罪が並んでいるというのは、かなり気持ちが悪い。致死罪の一覧はここにあるべきリストではないのじゃないかな。

--Nekosuki600 2005年7月26日 (火) 14:43 (UTC)

趣旨には賛成です。ただ、いずれもウィキペディアのどこかにはあったほうがいいと思うので、それを扱った記事ができるまではコメントアウト・削除は見合わせたほうがよいとおもいます。yhr 2005年7月26日 (火) 15:13 (UTC)
えーいひとを泥沼に導きやがってー(=・_・、=)(笑)。
とりあえずまず第一段階として、人の始期という項目を立てました。その部分について、これから削除および誘導を行いますです。なんか通説と判例という、ものすごく頭の痛い赤リンクを作ってしまったよーな・・・・誰かが面倒を見てくれることを祈ろう。
残り2項目については後日考えます。
--Nekosuki600 2005年7月26日 (火) 16:49 (UTC)
メモ。
通説と判例」については、「法源」にリダイレクトしておいて、そっちを必要に応じて加筆するのが簡単でいいと思った。しかしなんか「法源」の項目も、あまり分かりやすいとは言えないんだよなあ。
--Nekosuki600 2005年7月26日 (火) 17:03 (UTC)
第二段階。人の終期という項目を立て、その部分について削除と誘導を行いました。特則項目はいらんような気がしたのだが、認定死亡の項目が存在しないため(失踪宣告の項目はある)、とりあえず両方説明を入れておいた。認定死亡の項目を立てたらばっさり削る必要があるな。
--Nekosuki600 2005年7月27日 (水) 02:42 (UTC)
お疲れ様です。もっと長いスパンで考えていたんですがすばやい対応ありがとうございました。全体として気になった点が一つありまして、人の始期人の終期は現在は日本での実情に沿ってかかれているとの認識でよいのでしょうか?もしそうであるならば、本文中に断り書きがあってもいいかと思います。ほか、細かい点について気になったとこなどが出てきた場合にはそれぞれの記事のノートに書いておこうと思います。yhr 2005年7月27日 (水) 14:34 (UTC)
あ、すみません。外国法はちゃんとお勉強してこなかったので、書けるだけの材料がありません。日本法に基づく記述であるという注意書きを入れて起きます。フォローもよろしくお願いします。
ついでなんだけど、メモ。そういうわけで外国法については書けないんでメモを残すにとどめるわけですが(=^_^;=)、アメリカ合衆国における殺人罪の階層規定について、とあるテキストの中で「Murder in the First Degree」という表現を見掛けた記憶があります。「殺人罪」の中では「First-degree murder」と記されているのだが、どっちが正しいのか、あるいはどっちでもいいのか。どうなんだろーなー(論文で読んだのではないので、学生時代のほんの断片的な記憶に基づく思い出語りと受け止めるが相当)。
--Nekosuki600 2005年7月27日 (水) 15:39 (UTC)
致死罪関連ですが、もろもろ考えた結果「結果的加重犯」としてまとめるのがよかろうと思いました。ただ、結果的加重犯なんていうややこしい分野をいきなり表に書くのもなんだなあと思いまして、とりあえず下書きを作りました。利用者:Nekosuki600/下書き1にあります。お時間があるときにでもチェックをしていただけると幸いです。
なお、結果的加重犯の項目を立てる際には、履歴は引き継がず、そのまま持って行くつもりです。ですので、GFDL的にはちょっと微妙なので、「重大な問題があればノートで叩く」「軽微な問題については、結果的加重犯の項目を立てた後にそっちでやる」ということでお願いいたします。
ところで、「結果的加重犯」って、読みは「けっかてきかじゅうはん」だったっけ「けっかてきかちょうはん」だったっけ?(=^_^;=)
--Nekosuki600 2005年7月27日 (水) 22:13 (UTC)
週末を待とうかどうしようか迷ったんだけど、表で叩く方が前向きだべってことで、「結果的加重犯」の項目を立てることにしました。微妙に独自の研究になってる可能性もあるため、査読をお願いします。なお、これに伴い、殺人罪の項目からは結果的加重犯に関する記述をばっさりカットしました。Nekosuki600 2005年7月29日 (金) 06:59 (UTC)

胎児の殺害

ああそうか、胎児に着目していたもので見落としてたな。堕胎罪にあたらず母親への傷害罪が成立する場合もあるな。書き加えておいたのがいいのかも。Nekosuki600 2005年7月30日 (土) 17:19 (UTC)

殺人は普遍的な罪であるのか

現在の概説部は「他人を殺害することは、近代の社会において、おおむね普遍的に『好ましくないこと』とされている。そのため、殺人は、多くの国で犯罪として規定されており、殺人をした場合には殺人罪に問われる。近代社会では、人命は高い価値を持っているとされているため、殺人罪はほぼ例外なく重い犯罪として規定されている」という表現でスタートしているのですが、なんかたびたびこれが書き換えられるのですね。書き換えるひとは、「近代の社会において」「おおむね普遍的に」「ほぼ例外なく重い犯罪」というあたりがひっかかっているらしい。で、正直そこらへんにひっかかるのは殺人罪を論じるにあたりかなりばかばかしい初歩的な間違いだとは思うわけだが、まいどまいどRevertして説教するのも面倒なので、ノートに書いておく。

  • 「近代の社会において」について
これは、「殺人が重罪とされたのは近代の話であり、古代・中世には、そんな話はなかった」ということ。殺人を重罪と考えた古代法・中世法がないわけではないが、多くの国家ではそんなことは考えていなかった。「殺人の客体(被害者)の限定」や「殺人の主体(殺人者)の身分における取り扱いの違い」や「殺人が許されるケースの規定」などが着目点である。また、現代における「殺人」というのは、「なにはともあれ他人を殺すこと」と規定できるが、古代・中世においては「そもそも、生物としての人間が、すべて殺人の客体となるものとは思われていなかった」といった大きな違いがある。現代の視点から古代・中世を断罪することは、不可能である。現代の観点が立脚する基本的人権などという概念は、その頃存在しなかったのだ。
  • 「おおむね普遍的に」について
現代でも、「なにはともあれ他人を殺すこと」が殺人とされ、重罪とされる国は、皆無であるか、ごく少数である。たとえば兵士や死刑執行者が他人を殺すことは、それぞれの国の法規は殺人とはされないなどの事例がある。「普遍的に」ではなく「おおむね普遍的に」という記述には、そういった例外的ケースが存在することを確認する意味がある。
  • 「ほぼ例外なく重い犯罪」について
従って、他人を殺した場合であっても必ずしも殺人罪に問われるとは限らず、重い犯罪として処遇されると決まっているわけでもない。

近代社会的倫理観に基づいて素直に解釈するひとにとっては、当該概説冒頭部には違和感があることだろうと想像する。しかし、この「殺人罪」という項目は、「人を殺してはいけない」というモラルを訴える場ではなく、「殺人罪」という犯罪規定について説明をする場なのであり、モラルに基づいて歴史的事実や現実を無視した記述が許されるわけはない。

当該部分にひっかかったひとが無益な編集を行うことは食い止めたいし、そしてそれを見張っていていちいち戻すような手間もかけたくない。というわけなんで、もし当該部分にひっかかったひとが編集をしようと志したときに目に触れればと思って、これを書いておきます。ほんと、お願いしますよまったくもう。--Nekosuki600 2006年11月12日 (日) 17:08 (UTC)

刑法199条における「殺人罪」の説明を中心とする記事として位置づける提案

(※現在は提案内容が変更されています。長くて面倒かもしれませんが、順にお読みください。)--かんぴ 2010年8月20日 (金) 15:28 (UTC)

Category‐ノート:犯罪ノート:強姦罪が先行議論としてありますが、この「殺人罪」の項目を、基本的に日本の刑法199条における「殺人罪」について説明する項目として位置付けることを提案します。といっても、現在の内容も大部分は日本の殺人罪の説明に割かれているので、大幅に何かが変わるというわけではありませんが、冒頭の定義などが変わってくると思います。今あえて「日本の『殺人罪』を中心とする」ことを強調するのは、以下のような理由に基づきます。

犯罪類型は、各国・各地域が独自に(立法作業を経て)制定するものであって、普遍的な「殺人罪」という犯罪は存在しない
行為ないし社会現象としての「殺人」というものは普遍的に存在しますが、それは本項目ではなく「殺人」において説明されており、今後もそうすべきものです。他方、「殺人罪」というのは、各国・各地域の法律が定めているそれぞれ別個の犯罪類型に対する共通の呼称にすぎません。すなわち、同じ名前をした(正確には、訳せば同じ名前となる)似たような犯罪というだけで、日本の「殺人罪」(刑法199条)とドイツの「殺人罪」(StGB211条以下)では別個のものです。別の表現をすると、前者は日本の刑法典に記載された犯罪であり、後者はドイツの刑法典に記載された犯罪なのです。英米法における「殺人罪」と日本の「殺人罪」を比較すれば、その犯罪の射程すらも全く異なります。「訳せば『殺人罪』となる犯罪」や「殺人を内容とする犯罪」は世界各国にありますが、それぞれ沿革も内容も解釈も異なる別個の犯罪類型であって、全部同じ「殺人罪」として十把一絡げに説明することは(日常会話ならともかく)百科事典としては不適切です。
現状では、文中に出てくる用語が曖昧に使われている
例えば、冒頭には「人を殺すこと」とあり、「概説」部分にも「殺人」という語が出てきますが、これらは故意による殺人ではなく、「およそ人を死に至らしめる行為全て」を指すことは明らかです(そうでなければ、各国の法制の違いとして「故意の有無」について言及できませんし、Homicideを「殺人罪」として扱えません)。しかし、この定義を維持すれば、日本の犯罪に関しても刑法199条の「殺人罪」に限らず、過失致死罪強盗致死罪等も「殺人罪」の一種として説明しなければなりません。そうなっていないのは、途中から「殺人」は「故意による殺人」のみを意味するようになっているからです。逆に、この項目は「世界各国の故意の殺人のみを扱う」という方向で一貫させることは、故意の有無で類型を区別しない英米法系の法制を無視するわけで、WP:JPOVに反しますから、そういうわけにはいきません。これも、世界各国でそれぞれ異なる「殺人罪」を、同一のものとしてひとつの「殺人罪」の項目で説明しようとすることから生じる不都合です。
およそ「殺人を内容とする犯罪」をすべて説明すると膨大な量になる
上記の不都合性に目をつむり、この項目における「殺人罪」の定義を「世界各国の『殺人罪』と呼称される犯罪」としてしまい、殺人を内容とする犯罪をすべて扱うということも、絶対に不可能というわけではありません。しかしそうなると、「殺人罪」の中で、「日本の殺人罪」「ドイツの殺人罪」「フランスの殺人罪」「英米法の殺人罪」「中国の殺人罪」「韓国の殺人罪」…と、それぞれ内容の異なる「殺人罪」を個別に説明することになり、膨大な量をひとつの項目で扱うことになります。「殺人罪」の項目を、日本の刑法199条における「殺人罪」の項目ではなく、「およそ『殺人罪』と呼ばれる犯罪」と解すれば、WP:JPOVも意識しなければなりませんので、現在の日本の殺人罪に関する記述と同程度の記述が他国の「殺人罪」についても求められます。(たとえ共通項を括りだしたとしても、世界中にはありとあらゆる「殺人罪」が存在します)
結局は「殺人罪 (日本)」「殺人罪 (ドイツ)」「殺人罪 (フランス)」…といった感じに分割されることになるでしょう。それなら最初から、別個の「殺人罪」はそれぞれ別個独立した項目で解説すべきです。

以上の理由から、具体的に次のように改変したいと思います。

  1. 冒頭の定義部分を他の犯罪類型の項目(例えば、強盗罪とか詐欺罪とかみたいに)と同様に、「日本の刑法199条に規定された犯罪」という説明にする。
  2. 「概説」部分の説明は「殺人」に転記する。
  3. 「英米法」の説明は、比較法的観点から簡単に説明するにとどめ、「殺人罪 (コモン・ロー)」に分割するか、「殺人」に転記する。

なお、この提案は、この記事内で各国の「『殺人罪』と呼ばれる犯罪」ないし「人を死に至らしめることを内容とする犯罪」について、比較法的観点から言及することを妨げるものではありません。しかし、それはあくまでも「日本の199条との比較」という観点から言及するのであり、それらの犯罪をすべて網羅的に説明するべきではないと考えます。--かんぴ 2010年8月18日 (水) 18:09 (UTC)

コメントこんにちは。コメント依頼から来ました。特に法律、法制史を専門としているわけではないことをあらかじめ断っておきます。本来は個別の記事ではなく、活発ではないですがWikipedia:ウィキプロジェクト 法学で包括的に話しあうのがよいのかもしれません。
いちおうは「訳せば同じ名前となる似たような犯罪」としての「殺人罪」というものはあるのですから、「殺人罪」を「刑法199条における殺人罪」とするのは、あまり好ましくないように思いました。「殺人罪 (日本)」「殺人罪 (ドイツ)」「殺人罪 (フランス)」…といった感じに分割、最初から、別個の「殺人罪」はそれぞれ別個独立した項目で解説するとしても、「刑法199条における殺人罪」は「殺人罪 (日本)」に対応すると考えられます。法律用語としての罪に留めるか、宗教用語としての罪なども含めるかは議論の余地があると思いますが、「殺人罪」は、比較法的観点から言及を含み、事実上曖昧さ回避として、国ごとへの案内をする項目として作成するのがよいのではないでしょうか。「殺人罪 (日本)」へのリンクの近くに、過失致死罪や強盗致死罪についての短いコメントと内部リンクを置くこともできるでしょう。そのような構造であっても、記述するうえでの支障は相当程度なくなりますし、かんぴさんが改変したいとして挙げる三つのうち1,3を満たすことができます。2.については、むしろ殺人の項目の「概説」を「殺人罪」に移すことを検討することになります。「殺人」の項目は、主に心理学や歴史の面から行為としての「殺人」、あるいは文学や演劇などの領域を扱う役割を持つことになるでしょう。--Ks aka 98 2010年8月18日 (水) 19:00 (UTC)
コメントありがとうございます。「殺人罪 (日本)」に分割すること自体は別に構わないと思いますし、将来的にはそうなるのが望ましいのかもしれません。ただ、そのように提案しなかった理由は、現状で日本以外の殺人罪の項目が存在しないことと、「殺人罪 (日本)」に分割後の「殺人罪」に何を残すのかが問題だからです。前者の理由は、「殺人罪 (コモン・ロー)」を同時に作成することで解決しますが、後者は難しい問題です。いくつか可能性が考えられますが、
  1. 一番わかりやすいのは、「(訳せば)殺人罪という名の犯罪」の曖昧さ回避ページないし一覧記事(+簡単な解説)とすることです。ただその場合、あくまで「(訳せば)殺人罪という名の犯罪」という括りなので、Ks aka 98様のおっしゃるように、「殺人」項目の「概説」をこちらに移すことはできませんし、現在の「殺人罪」項目の「概説」もやはり「殺人」のほうへ転記する必要があります。なぜなら、「殺人」「殺人罪」の「概説」は、いずれも「殺人罪という名の犯罪」についての概説ではなく、「人を死に至らしめる行為・犯罪」についての概説だからです。
  2. あるいは、「(訳せば)殺人罪という名の犯罪」ではなく、「人を死に至らしめる行為を内容とする犯罪」を概観するページにするという手もあります(その場合、現在の「殺人」「殺人罪」の概説は、ともに「殺人罪」の項目に記載することになります)。その場合、英米法でいう「Murder」及び「Manslaughter」を含む「Homicide」に対応する犯罪のページということになりますが、他方で、日本の犯罪類型でいえば、殺人罪のみならず、過失致死罪、傷害致死罪、強姦致死罪、強盗致死罪、遺棄致死罪…といった犯罪類型もここに含みます。ドイツ等の大陸法系の国や、それを継受した中国・韓国等の国でも同種の犯罪類型に分かれていますから、それらも全て含めて解説する(あるいはただ一覧にする)記事になります。そのような記事の有用性はさておき、少なくともそのようなページを「殺人罪」という項目名のもと存続させることは非常に違和感があります。あえて名付ければ、「殺人に関する犯罪」あたりに改名することになるでしょうが、「殺人」という項目が既に存在するのに、これをあえて作る必要があるのか疑問です。
以上より、仮に「殺人罪 (日本)」へ分割するのであれば、残った「殺人罪」の項目は、(1)案の“「(訳せば)殺人罪という名の犯罪」の曖昧さ回避ページないし一覧記事(+簡単な解説)”とし、やはり「概説」は「殺人」のほうへ転記(あちらに「殺人と犯罪」という節でも新設して)するべきだと思いますが、いかがでしょうか?--かんぴ 2010年8月19日 (木) 11:27 (UTC)
◆個人的には、反対だなあ。
殺人という行為は普遍的に存在するものであり、それを好ましくないものとして処罰しようという発想もまた普遍的なものです。にもかかわらずそれに対する対処にいろいろな違いがあるという比較法的なスタンスは、普段「あたりまえ」だと思っている感覚を裏切り知的な刺激を与えてくれるものであるように、わたしには思えます。殺人罪の枠組みの違いは、普遍的な「殺人という行為」に対する、そしてそれを処罰しようという普遍的な欲求に対する、人智を尽くしたアプローチの違いであるということもできましょう。
まあ大半の執筆者は日本に住んでいるのでしょうし、日本語版なのだから日本の事象についての説明が詳しくなりがちであるのは、いたしかたありません。しばしば「むにゃむにゃ」という項目を「『むにゃむにゃ (日本)』と『むにゃむにゃ』という曖昧回避に分割しようといった提案は出されるのですが、そういう発想はある意味素直な感想としてあり得るものだと思います。でも、そこには抵抗して、ひとまとめにしてた上でその両者の上から解説するといった方向性が望ましいのではないかと、おれは思います。--Nekosuki600 2010年8月19日 (木) 12:00 (UTC)
コメントありがとうございます。前述の通り、私も「比較法的なスタンス」を否定するものではありませんが、それを「どの項目で」「どういった枠組みにおいて」するのかが問題です。この点、「殺人罪」という項目でそれをやってしまうことは不適切だといえましょう。なぜならば、「殺人という行為を好ましくないものとして処罰しようという発想のもとに創設された犯罪類型」は必ずしも「殺人罪」に限らないからです。ご存じの通り、故意の有無や行為態様等によって「殺人」を処罰する犯罪類型が変わってきます。例えば大陸法系の「過失致死罪」も、「殺人を処罰する法規」のひとつなのです。すなわち、「普遍的な殺人という行為を処罰しようという普遍的な欲求に対する、人智を尽くしたアプローチ」は殺人罪のみに集約されているわけではないのです。そうであるならば、「両者の上から解説する」(「両者」が何と何なのかはわかりませんが、仮に「日本の殺人罪」と「海外の殺人罪」と解釈しておきます)というのは不十分であり、むしろ「もっと上」からの解説が必要です。
その「もっと上」からの解説をどこですべきか、ということになりますが、繰り返し申し上げた通り「殺人罪」の項目は不適切です。単独で項目を作るならば「殺人と刑罰法規」「殺人に関する犯罪」とでもなりそうですが、「殺人」の項目が既にあるので、わざわざ新設する必要もないかなと思います。(まあ、誰かが作るというなら反対はしませんが)
それから、本件は、一般論として「むにゃむにゃ」という項目を「『むにゃむにゃ (日本)』と『むにゃむにゃ』に分割」するのとは事情が異なります。これは最初に述べたとおりなのですが、今回は(というか、およそ法律関連の記事全般に言えるのですが)「ひとつの事象に関する日本の事例をその他から分割」するのではなく、「もともと別個の事象を、それぞれ分離」するものだからです。象徴的にいえば、「『刑法199条』と『英米法におけるHomicideに関する規定』は本来的に別個のものだから分離する」のであり、あるいは、「『刑法199条が規定する内容』と『およそ殺人という行為に対する法規制の在り方』」とは別の話だから分離するのです。「殺人罪 (日本)」を分割するのではなく、「殺人罪 (日本の刑法199条の規定)」を分離するというのがより正確な表現なのかもしれません。
長くなりましたが、まとめ。Nekosuki600様は、
>殺人という行為は普遍的に存在するものであり、それを好ましくないものとして処罰しようという発想もまた普遍的なものです。にもかかわらずそれに対する対処にいろいろな違いがある
という点を解説する場は必要だと考えておられるようです。私もそれは否定しません。しかし、「対処にいろいろな違いがある」からこそ、「いろいろな対処」のうちの一つにすぎない「殺人罪」の項目でそれを解説することの妥当性に欠けると思うわけです。「上から」の解説は、殺人に関して(故意の殺人も過失の殺人も)全般的に扱う「殺人」の項目、あるいは新規の「殺人と刑法(仮)」でやるべきです。それに対し、「殺人罪」は「殺人罪(という罪名の犯罪)」を扱うべきです。いかがですか?--かんぴ 2010年8月19日 (木) 15:00 (UTC)
んー。申し訳ない、同意できません。なんで同意できないかをどう説明すればいいかしばらく考えていたんですが。
なんていうかな。生煮えな説明だが、「あるメタな概念があり、それが日本語に転写されたとき『殺人罪』という文字列になる」と理解するのか、「『殺人罪』という文字列は日本語に固有のものであり、であるがゆえにその文字列は日本語における厳密な意味での殺人罪を意味する」と理解するのか、という観点からの結論の相違ではないだろうかと、おれは思います。おれは前者の立場に立つ。かんぴさんは後者の立場に立つ。であるがゆえに結論が異なるってことなのではないか。
おれは、「『殺人罪』という日本語文字列は、あるメタな概念の日本語転写である」と思います。なんせその元の概念はかなりメタなものなんで、特定の言語で厳密に定義できるものではありません(定義できたらそもそも「メタな概念」ではあり得ない)。しかし、少なくとも人間社会においては、そのメタな概念はかなりの部分まで普遍的に共有されている(もちろん、全面的に共有されているわけではない。地理的にも時代的にも変遷はあるし、現代日本においても限定的に殺人は容認されている。しかし、かなりの部分までは普遍的に共有されているといっていいでしょう)。処罰が必要だ、という考え方まで含めて。
「殺人罪」が説明すべきは、そういう「メタな部分」をひっくるめての、人類の思想であり、その思想の経緯ではないでしょうか。そういう部分が優先されるべきであり、刑法199条の詳説はかなり優先順位が下がるのではないかと、おれは思う。
以前に、殺人罪の項目に「人命はなによりも尊い価値であり、殺人罪はそれを犯した重罪である(大意)」といった編集が行われ、編集合戦気味な状況に陥ったことがあります。殺人罪は、現代の先進国ではほほぼ例外なく重罪として扱われていますが、近代以前には人命なんてそんなに重要なものとは受け止められていなかったし、殺人罪もそういった歴史的変遷を受けて変容してきた概念です。「刑法199条の詳説にすべき」ということは、言い換えれば「殺人という行為に対する社会的評価の歴史的変遷や地理的偏在についての説明を軽視する」ことにほかならないと、おれは思います。
結論として、やっぱしこの提案には同意できません。--Nekosuki600 2010年8月19日 (木) 16:01 (UTC)
なんとなく言わんとしていることは理解できるのですが、前提となっている、その冒頭の区分は間違っています。Nekosuki600様ご自身の立場(「『殺人罪』という日本語文字列は、あるメタな概念の日本語転写である」)はそれでいいとして、私の立場は、「『殺人罪』という文字列は日本語に固有のものであり、であるがゆえにその文字列は日本語における厳密な意味での殺人罪を意味する」ではありません。なぜなら、私は「(訳せば)殺人罪という名の犯罪」の存在を最初から認めていますから、そこでは、日本語における「殺人罪」の定義に該当しない「殺人罪」の存在を認めているわけです。具体的にいえば、例えば英米法の「Homicide」などは殺人罪と訳されますが、日本語の殺人罪とは全く内容が異なります。しかし、これはこれで英米法における「殺人罪」であることに違いはない。要するに、私の立場は「『殺人罪』という文字列は、各国において殺人罪(=当然だが、日本語に訳せば…の話)として規定された犯罪を意味する」なのです。
仮に「あるメタな概念の日本語転写」としての「殺人罪」というものが存在するとしても、実際に現実の問題に適用される「殺人罪」とは、抽象的な(メタな概念から導かれる)「殺人罪」なるものではなく、それとはまた別に“具体的な犯罪類型”として厳密に定義された「刑法199条が定義する殺人罪」や「StGB211条以下が定義する殺人罪」という「殺人罪」です。この意味での「日本の国会で制定され、日本の裁判所において解釈が定まっているところの刑法199条でいう『殺人罪』」はそれ単独で定義可能であり、それ単独でひとつの項目として存立しうる(他の犯罪類型の記事参照)ものであるということは言うまでもありません。
ところで、さっきから何かかみ合わないような気がしてるのですが、私が既に述べたこと(例えば、Ks aka 98様への返答として述べたこと等)を色々と読み飛ばしておられませんか?例えば、「殺人という行為に対する社会的評価の歴史的変遷や地理的偏在についての説明を軽視する」とありますが、私は、そういう説明は「刑法199条にいう殺人罪」とは“定義が異なるのだから”一応、分離して論ずべきだと述べているのであって、「そういう説明は軽くてよい」とか「どっちかを主にして、どっちかを従にすべき」等と言っているわけではありません(あ、最初の提案の最後に、そう誤解されそうな表現もしていますが、あくまで「そういう説明は『殺人』の項目で詳しくやる」ことが前提なのです。「刑法199条を詳しく説明するから、それ以外は軽く触れる程度にしよう」と言っているわけではありません。)。要するに、私は項目の「すみ分け」について提案しているのであって、殺人や殺人罪についての解説「内容」を何かに限定しようとか、こういう方向にしようとか、ましてやNekosuki600様が重視しておられる歴史的変遷や社会的評価は軽く扱うべきとかいう提案をしているわけではありません。概念上区別されるべきものを区別することさえ出来れば、あとは、どの内容をどれくらい詳しく書くかは、のちの執筆者の自由です。
いまさらですが確認しておくと、私の当初の提案は、
  • 「殺人罪」の項目は「刑法199条の記事」とし、「殺人に対する刑法的規制(Nekosuki600様のいう「メタな概念」から導かれる諸類型)」は「殺人」にまとめる
というものです。つまり、歴史的変遷や社会的評価等は「殺人」で詳しく書かれるわけです。そして、次にKs aka 98様への返答として出した提案は、
  • 「殺人罪」の項目は何らかの用途に使い、「刑法199条の記事」は「殺人罪 (日本)」にまとめる
というものです。いずれにしろ、「殺人という行為に対する社会的評価の歴史的変遷や地理的偏在についての説明」は必ずどこかで解説されるわけですし、刑法199条の解説を“重視”し、「殺人という行為に対する社会的評価の歴史的変遷や地理的偏在についての説明」を“軽視”するという関係には立ちません。両方重視し、どちらも詳しく書けばいいのです。
どうもNekosuki600様は「殺人という行為に対する社会的評価の歴史的変遷や地理的偏在についての説明」が軽視されるという意味で反対なさっているようなのですが、私は最初から、その説明を軽視する結果になるような提案は一切していないので、反対される理由がないように思えてなりません。
確認したついでに、今までの議論をもとに改めて提案しますが、
  • 殺人罪 (日本)を分割し、「刑法199条でいうところの殺人罪」の詳しい解説はそこでする。
  • 殺人罪 (コモン・ロー)を分割し、「英米法でいうところの殺人罪(Homicide)」の詳しい解説はそこでする。
  • 殺人罪」の項目では、「殺人」項目の「概説」から一部転記することを含め、「殺人という行為に対する社会的評価の歴史的変遷や地理的偏在についての説明」や、「殺人罪(およそ人を死に至らしめる行為を内容とする犯罪をいうものとする)」の比較法的な解説等、殺人罪の包括的な説明をする。当然のことだが、その説明の中で日本の殺人罪や英米法の殺人罪に言及することも妨げるものではない。
というすみ分けはどうでしょうか?要するに、普遍的・一般的・抽象的な意味での「殺人罪」の解説(歴史的観点、社会学的観点、比較法的観点、など色々ありますが)は「殺人罪」の項目で行い、局地的・具体的意味での殺人罪の解説(主として刑法解釈学的観点)は、「殺人罪 (日本)」とか「殺人罪 (コモン・ロー)」とか、「殺人罪 (ドイツ)」とかで説明するということです。このすみ分けであれば、Nekosuki600様が説明したい内容を記述することも可能です。--かんぴ 2010年8月19日 (木) 17:53 (UTC)
書いている間にかんぴさんの書き込みがあった。せっかくなので、投稿しておきますが、当面は、そのすみわけでいいと思います。以下で書きましたが、日本の歴史上の「人を死に至らしめる行為に対する社会的規制」を書こうという人が現れたときに、多少衝突があるかもしれません。
もうちょっと考えてみました。求められているコメントには、複数の論点がある。
まず、「殺人罪」に「日本の刑法199条」を置くことには、強い違和感があります。ウィキペディアは多言語で展開される百科事典であり、わたしたちが参加しているのは「日本版」なのです。「日本国憲法の改正手続に関する法律」のように、相当する罪名が他国、他言語で存在しないならば、「殺人罪」すなわち「日本の刑法199条」として、「殺人罪」の項目でこれのみを扱うということもできるかもしれませんが、全世界において「殺人罪」とは「日本の刑法199条」を指すわけではない。なので、「殺人罪」は各国への曖昧さ回避にして「殺人罪(日本)」を作ることが好ましい。
国内で限定するとして、「刑法199条」と、その他の「人を死に至らしめる行為を内容とする犯罪」の関係をどうするか、という問題があります。それから、「過去の殺人に関する制度」との関係もあります。徳川幕府時代、公事方御定書下巻では「人を殺し候もの」の規定があり、故意かどうかは問われていなかったようですし、主や親を殺す「逆罪」もありました。
もうひとつは、「殺人」との関わりです。「人を死に至らしめる行為」と、「人を死に至らしめる行為を内容とする犯罪」あるいは「人を死に至らしめる行為に対する社会的規制」では自ずから内容は異なります。「殺人と刑罰法規」「殺人に関する犯罪」を「殺人」に吸収するよりは、「殺人罪」に置くほうが自然だと感じます。「人を死に至らしめる行為に対する罪や穢れの意識」は、いずれにも含まれうると思いますが。
で、ありていに言ってしまえば、「殺人罪」という言葉を、ぼくはある程度広がりがある言葉として考えているのに対して、かんぴさんは現代の法律を中心とした用語として捉えているのだと思います。百科事典の読者としては、「殺人罪」すなわち「刑法199条」と理解しているわけではありません。たとえば堕胎だとか脳死の問題との関係で、人を殺す罪について調べ、「殺人罪」の項目に辿りつくようなことも考えられます。歴史に関心をもつ人が、江戸なり室町なりの時代に人を殺した人物の処罰について調べるということもあるでしょう。そうした読者に対して、適切な案内を与えるような構造が好ましいと思うのです。
たとえば、「殺人罪(日本)」の冒頭で、古い論文ですが時武 英男「<論説>アメリカ刑法における殺人罪について : 序説」[1]のような整理をし、「殺人罪の歴史(日本)」への案内をした上で、主に「刑法199条」の詳説をするという形なら、それでもいいと思います。「殺人罪(刑法199条)」への案内をして、「殺人罪(日本)」では日本の「人を死に至らしめる行為に対する社会的規制」の概観を書くのでもいいと思います。
ただ、刑法199条なら書きやすいけど、上で書いたような「殺人罪(日本)」を書くのは難しい。比較法的に「殺人罪」をまとめるのも難しい。そういうことはあると思います。つまり、理想と、発展途中の執筆者のやりやすさのどっちをとるか、という問題も別にあって、かんぴさんが書きやすいなら、書きやすいように書いちゃってもいいとも思うんですよ。ただ、それは便宜的に、であって、「べき論」としては、最初の提案には肯きにく。--Ks aka 98 2010年8月19日 (木) 18:02 (UTC)
感覚の違いと言ってしまえば、まあ、そういうことなのでしょう。「殺人の罪」だったらまだ許せる(?)のですが、どうも「殺人罪」に殺人罪以外のものが含まれるのは気持ち悪いところです。まあ、それで気持ち悪くない人がいる(むしろ一般人は気持ち悪くない)というなら、それで行こうと思います。「殺人罪」の項目で「殺人という行為に対する社会的評価の歴史的変遷や地理的偏在についての説明」とか「比較法的観点からの説明」をするということなら、Nekosuki600様も日本の刑法199条の記事を分割することに反対する理由もないはずですので。
項目名ですが、「日本の歴史上の『人を死に至らしめる行為に対する社会的規制』」はもちろん「殺人罪 (日本)」に含まれない(「殺人罪」における「歴史的変遷(日本編)」にでも書くことになるでしょう)のですが、この問題は単純に項目名の付け方の問題ですね。この点は、法律の条文を知っている人にとっては「殺人罪 (刑法199条)」とすれば一番わかりやすいのですが、逆に、現行刑法の199条が殺人罪であることを知らない一般の人にとってはむしろ全くわけがわからない項目名になってしまいます(それに、諸外国で199条が殺人罪になっている国もあったら大変)。そうなると、やはり「殺人罪 (日本)」のほうがベターかと。あとは冒頭で日本の刑法199条に規定された罪であることを明記することで混乱を回避するしかありません。日本国憲法のように、刑法の正式名称が「日本国刑法」だったら「殺人罪 (日本国刑法)」としたところなのですが、残念ながら日本の刑法の正式な題名は「刑法」なんですよね。
ともかく、最後の提案が、「刑法199条の記事は独立させるべき」という私の意見と、「『殺人罪』を199条の項目とすべきでない」というKs aka 98様の意見と、「『殺人罪』では殺人という行為に対する社会的評価の歴史的変遷や地理的偏在についての説明をメインにすべき」というNekosuki600様の意見をすべて満たすものになっていると思います。--かんぴ 2010年8月19日 (木) 18:46 (UTC)

(インデント戻す)ああ、なんか誤解を生んでいる理由にもう一つ気づきました。この節のタイトルが依頼当初のままだったのですね。失礼しました。今回の提案の主題は、「刑法199条の詳論」や「コモンローのHomicide規定の詳論」(あるいは将来的には「StGB211条以下の詳論」など)はそれぞれ別個の内容があるのだから、別個独立させて書くべきだという点にありますので、「殺人罪」に書くべきこと(例えば、Nekosuki600様が思い描いているような内容)があるというなら、「殺人罪」の項目をそれを中心としたページと位置付けるという方向でも別によいのです。--かんぴ 2010年8月20日 (金) 15:28 (UTC)

◆うーん。おれ思うんだけど(なんでこういう議論になっているのかについていろいろ想像してみた結果を書いてます)。
個人的には、逐条的解釈でいくのは、百科事典的には、あんまし賢くない方法論のような気がするんよ。
法律的には「殺人罪」というと「日本国刑法199条あたり(尊属殺あたりを含む)」を意味する場合が多いんだけれども、社会的・世間的にはそういう枠組みで「殺人罪」という言葉に意味を与えていないような印象も強くあり、さあそのあたりをどう解決しましょうか、みたいなことを念頭に置いた方がよくはないか。世間的には「殺人罪」って「とにかく他人を殺してしまった場合」という包括的かつアバウトな認識であるように思われ、そこには強姦致死も強盗致死もへたすりゃ過失致死も業過致死も含まれてしまったりする。テレビドラマとか見てて「それ正当防衛が成立する可能性あるだろ、死体遺棄は成立するけど」とかおれしばしばつっこんでるし。また、そのあたりの枠組みどう理解するかというあたりも歴史上あるいは地域別に食い違いがある。
「殺人罪」は「刑法199条」に特化して説明するのではなく、そのあたりを広く包括的に説明すべき項目名なんじゃないのかなあ。
その上で「刑法199条」のような項目を設けてそっちで狭義の殺人罪について詳説するのは止めないけど、その場合も「逐条解釈」でいくのが正しいかどうかは疑問。対象法益別に大枠を作って説明をしてそれから逐条の解説にいくとかいうような構造を作らないと(個人的には「対象法益別に項目を作りその中で逐条解説をする」くらいの方がいいような気がする。つまり、刑法の教科書なんかによくある構成です)、素人さんには理解しにくくなっちゃうんじゃないかなあ。--Nekosuki600 2010年8月21日 (土) 14:20 (UTC)
「殺人罪」は「刑法199条」に特化して説明するのではなく、そのあたりを広く包括的に説明すべき項目名なんじゃないのかなあ…という点に関しては、お二方のご意見を聞いて、そういう考え方もあるのだろう(むしろそっちのほうが一般的?)ということで、「殺人罪」については、Nekosuki600様のおっしゃるような方向性で行こうと思います。もっとも、その辺のことはあまり詳しくないので、編集の大部分はお任せすることになるでしょうが…。
そして、「殺人罪 (日本)」のほうですが、もちろん、Wikipediaをコンメンタール化するつもりはないので、刑法199条の「解釈論」のみの記事にするわけではありません。余談ですが、私の個人的な方針で、特に刑法関係で詳細な解釈論を執筆しないことにしています。ひとつの理由として「Wikipediaは教科書じゃない」っていうのもあります。最初はそういう解釈論の概説から入ることになるでしょう(というか、現状がそうなっているので、分割したらそれが残る)けども、ゆくゆくは立法過程とか、改正歴とか、あるいは運用状況だとか、そういう情報が百科事典にふさわしいのかな、と思いますのでそういう方向で発展させていくつもりです。それに、現状で他の犯罪類型については既に存在しており、それと統一するという意味もあります。また、例えば「日本大百科全書」のように、Wikipedia以外の百科事典でも各犯罪類型で一項目存在しておりまして、犯罪類型ごとの項目を作ることが、必ずしも「百科事典的ではない」とはいえないとも思います(「日本大百科全書」の「殺人罪」の項目は、刑法199条周辺の解説です)。
対象法益別の項目…というのも、項目名をどうするのか(「生命侵害を内容とする犯罪」…とか?)とか、対象犯罪をどうするのか(結果的加重犯は含めるのか?とか)とか、いろいろ準備してから作ることになるでしょうが、将来的な課題として検討する価値はあると思います。そういう記事を新規作成するときは、またどこかでコメント募集します。
そういうわけで、特に「止めない」とのことですので、私が現時点で最善だと思う方向で改めて上記とおり分割提案を出そうと思います。お二方とも、貴重なご意見をありがとうございました。--かんぴ 2010年8月21日 (土) 17:15 (UTC)

「殺人罪 (日本)」と「殺人罪 (コモン・ロー)」に分割する提案

上記の議論により、この「殺人罪」の項目は、「殺人という行為に対する社会的評価の歴史的変遷や地理的偏在についての説明」のような、現在・過去、あるいは各国・各地域を含め、殺人(人を死に至らしめる行為全般)に対する法制度について包括的に解説する記事にするのが妥当だということになりました(したがって、上記の提案は取り下げということになります)。そして、その場合、この項目においてあまり詳しく書かれることのなくなる「各国の刑法に規定された『殺人罪』」に特化した項目が必要だと考えられます(※他の犯罪類型については、概ね、ひとつの犯罪でひとつの項目が存在します。Category:犯罪類型参照)。そこで、現在この「殺人罪」にある「日本の殺人罪」と、「英米法の殺人罪」を分割することを提案します。そして、

  • 「殺人罪」…上述の通り、殺人に関する犯罪について、包括的な解説をする記事
  • 殺人罪 (日本)」…刑法199条やその周辺(旧200条や201条など)に関する記事
  • 殺人罪 (コモン・ロー)」…コモン・ローにおける殺人罪(Homicide)に関する記事

にすみ分けをします(具体的な分割範囲は、セクションごとということになります)。そうすると、分割直後は一時的に「殺人罪」の内容が大幅に減りますが、後ほど「殺人」から法制度に関する記述を一部転記し、「殺人」とのすみ分けも図ることになります。また、私もできる範囲で加筆するつもりです(日米独中における現行法のごく簡単な説明くらいなら何とかできると思いますので…)。--かんぴ 2010年8月21日 (土) 17:41 (UTC)

  • 大枠では賛成気味なんだけども、現時点では全面的な賛成とまでは言いにくいので、賛成側コメントという感じで。
    個人的には、殺人の項目では「人を殺すことそのものの行為について」、殺人罪の項目では「人を殺したことの評価、特に法的評価について」、殺人罪 (日本)では項目名はとにかくとして「日本の法制度における他者を殺害した場合の法的取り扱いについて(これには逐条解釈的解説を含んでも良い)」というあたりの区分が望ましいと思う。殺人罪 (コモン・ロー)については、現段階では深く考えていませんが、「故殺」と「謀殺」の区分やその原因と評価結果の差異について、などを詳述する必要があり、かつ「故殺」と「謀殺」の項目からリダイレクトで誘導するなどの整備が必要であるように思います。そのあたりの体系的整備をふまえて、大枠としては賛成、ただ細かい詰めが明示されるまで全面的に賛成とは言いがたい感じ(別に反対してるわけじゃないから、うまくやってくれ)。
    このあたりでひとつ思い出すことがある。「国家の承認」という項目があるんだけども、これはとある削除依頼で「こんなくだらない削除依頼でぐだぐだやる前におまえら『国家承認』や『政府承認』といった基本事項がないことをなんとかしやがれ(大意)」という要求があり、それは確かにそのとおりだと思ったんで起草した項目なんすよ。もともとのリクエストは「国家承認と政府承認を書け」というものだったのですが、しかしその2つの項目を別立てにしたら絶対に将来、片方しか見ていない馬鹿が破壊的編集をやるだろうと思ったものですから、術語ではない「国家の承認」という項目名で、その両者をまとめて説明することにしたんです。おれは基本的に大項目主義であるってこともあるんだろうけど、「細分化すると、一部しか見ないで馬鹿編集をやる視野が狭いやつが出る。確実に、出る」というのも経験則なわけで、上手にまとめてなるべく少ない数の記事にまとめる、というあたりも検討してもらえるとありがたい。
    ということで、ではでは。--Nekosuki600 2010年8月23日 (月) 14:29 (UTC)
  • (反対)大陸法の対概念がコモン・ローとされますので併記されるものが、殺人罪(日本)ではつりあわないでしょう。また、大陸法の下に日本法のそれをつけても、これは欧米の方の淵源を考えた場合で、世界的な法体系で考えれば、イスラム法など独特の法系もあり、この分類には欠落が生じるので賛成できません。つまり、今以上のメリットがありません。そもそも、コモン・ローはゲルマン法を基点に陪審制と判例法を中心に発展し、大陸法が教会法をもとに身分制の中で恢復的発展してきたということ自体を、大半の人(それぞれの法系の国民)が相互に知らないから記事を分割しても理解を助けることにはならないでしょう。また、コモン・ロー自体が何を指すのか明確でないといえます。つまり、いわゆるイギリス法なのか、それともアングロアメリカ法なのか、あるいはイングランドを基点にアメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの国のイギリス連邦系の判例法を指すのか。例えばアメリカ合衆国でさえ、罪となる事実の類型とその刑罰の類型が各州で違うことを考えると、コモン・ローでは曖昧ではないでしょうか。先々に大きな行き詰まりが予想されるわけでもないし、現状に大きな矛盾や肥大化が著しいともいえず不要な分割であると考えます。分割提案の理由は理解できますが、反対します。先に殺人罪の項目を充実させるべきでしょう。--T34-76 2010年8月27日 (金) 18:03 (UTC)
「日本の『殺人罪』」は存在します。「ドイツの『殺人罪』」も存在します。しかし、「大陸法の『殺人罪』」なるものは存在しません。大陸法系の国に関しては、各国の「殺人罪」ごとに論ずる意外に方法はありません。他方で、英米法系の国では、「イギリスの『殺人罪』」や「アメリカ合衆国の『殺人罪』」が存在するのと同時に、「コモン・ローの『殺人罪』」という概念(Homicide)も存在します。ですから、それを解説する項目です。イギリスもアメリカの各州も、基本的にコモン・ローの修正・補完という形で制定法を作りますので、これらの国の殺人罪は、「コモン・ローの『殺人罪』」を中心とした項目で解説が可能なのです。大陸法と英米法が対概念だからと言って、「『コモン・ロー』があるなら『大陸法』もなければならない」あるいは「常にセットでなければならない」というのは早計でしょう。
また、このほかに「イスラム法の『殺人罪』」という項目が必要なら、新規作成すればよいのです。今回の「分割提案」の中に「イスラム法」の分割が入っていないのは、ただ単に、「現状でイスラム法の記述は存在しないから」というだけの話です。フランスの殺人罪も台湾の殺人罪もありませんが、同じく、現状でそれらの国の記述が存在しないから「分割提案」に入っていないのです。必要なら作ればよいのです。
それから「コモン・ロー」が多義的であることは否定できませんが、「殺人罪 (イギリス)」でも「殺人罪 (アメリカ)」でも、「殺人罪 (カリフォルニア州)」でもなく、あえて「殺人罪 (コモン・ロー)」としてあるのに、この項目名から「コモン・ロー(普通法・慣習法・判例法)における一般的な殺人罪の記事」ではなく、「どこか特定の国の制定法で規定された殺人罪の記事」である可能性を考える必要があるのでしょうか?
「先々に大きな行き詰まりが予想されるわけでもない」とおっしゃっていますが、現状を維持することによる「行き詰まり」は上記の議論から十分に予想可能です。「殺人罪の項目を充実」させるため、例えば、ひとつの方向性としては、刑法199条の構成要件、他罪との関係等の解釈論、関連する判例、運用状況、過去の改正、その他の詳しい説明を加筆していきます。この場合、「殺人罪」ではない「人を殺して成立しうる犯罪」については、「殺人罪」ではないので大幅に削っていくでしょう。刑法199条は「殺人罪」に違いはないのですから、この方向で編集することは何も「間違い」ではありません。しかし、上記の議論におけるNekosuki600様のような「刑法199条の詳説はかなり優先順位が下がる」という立場からすれば、刑法199条の詳論はすべて蛇足であり、そういう解説は(現状の記事よりも)大幅に削減すべきです。また、「殺人罪」以外の犯罪についても大幅に加筆していくことになるでしょう。どちらの立場をとるかにより、相手の重視する情報は互いに「過剰な情報」なのですから、「充実」させようがありません。
これは、「殺人罪」とは何なのかが定まっていないから生じる問題です。現状は「殺人罪」が複数の意味で使われているのです。すなわち、冒頭では「およそ人を殺すことを内容とする犯罪全て」の意味での「殺人罪」で始まっていながら、実質は「刑法199条」の意味での「殺人罪」の解説がメインとなっているのです。先ほどの例でいえば、199条の内容を充実させる方向で編集するのは、「殺人罪」を後者の意味で捉え、逆に199条の解説を削る方向で編集するのは、「殺人罪」を前者の意味で捉えているからです。
そこで、最初は「殺人罪」の項目を後者の意味に絞ろうと提案をしましたが、前者の意味での記述にも発展が見込まれる(Nekosuki600様によれば、むしろそちらを重視すべき)ということなのでそれはやめました。そして、この「殺人罪」の項目を前者の意味での殺人罪の項目にすることにし、その代わりに、後者の意味での殺人罪はまた別の独立した「殺人罪 (日本)」の項目で詳しく解説しようというのが、今回の分割の趣旨です。すなわち、現状ですでに「大きな矛盾」を孕んでおり、そのまま「充実」させると必ず「行き詰まる」ことになりますので、先に分割して各記事のすみ分けを明確にさせてしまったほうが、心おきなく記事を充実させることが可能なのです。
以上より、既に「大きな矛盾」が存在し「行き詰まり」が予想されるという現状を踏まえれば、記事を充実させるための前提として必要な分割であると考えます。したがって、反対されるのであれば、「不要」というにとどまらず「すべきでない」という積極的な理由を提示していただきたいと思います。--かんぴ 2010年8月27日 (金) 20:55 (UTC)
いろいろ外国法については分ってると思うので、結論的意見を述べます。基本的に反対理由は現時点では不要だからです。既述のとおり、現在分割するほどの分量はなく、物理的に分割する意義がありません。さらに、一番のデメリットは分割とは複数のタイレンに分けることで、分離されたところの対立あるいは並存する概念(例えばコモンロー的観点)は当然消失することになりますが、それはなんら殺人罪の理解を、日本人や大陸法系の人、つまりこの日本語版のほんどの利用者の理解を助けるものではないからです。分離とは、その項目について書くこと、しかし他の項目については書かないことという意味だと思います。
それから、反論の一つをあげておけば、「殺人罪 (コモン・ロー)」なら、「どこか特定の国の制定法(刑法典・クリミナルコード)で規定された殺人罪の記事」であるかの可能性を考える必要がないというのは、宣言説的な見解です。例えばアメリカ合衆国の、各州でCriminal Code(Penal Code)制定後でも、何時の時代のCommon Law Crimeかは考えねばならないでしょう。つまり、イギリスのコモンローといわれるものも、制定法と判例法が絡み合って存在しているので、もし純粋にコモンローという観点でみるなら、議会の制定した法律による先例の変更がない、二世紀前にさかのぼらねばならないと思います。
ところで、ふと思うのですがアメリカで言うところのコモン・ローを思い浮かべてませんか?なんとなく議論がかみ合っていないのは、あなたがコモン・ローを継受された「権威的書物」として考えているような気がします(これも時代によっては価値が違うのですが)。
まあ、私とあなたが対立論争しても仕方ないと思いますが、私は上記意見で「分割」に反対してるだけでなんで、別項立てる分には全く問題ないと思いますよ。どういうのを書かれるのかはちょっと興味があるので、がんばって書いてみてください。--T34-76 2010年8月29日 (日) 09:29 (UTC)
(インデント戻す)「分離とは、その項目について書くこと、しかし他の項目については書かないことという意味だと思います。」というのは、必ずしもそうではないと思います。要は、記事ごとに何を重視して(あるいは、何を中心として)書くかという違いからすみ分けるのであって、その中心的な事項の理解を助けるために、それ以外の(周辺的な)事項について書くことは当然だと思います。つまり、分離後のこの「殺人罪」の項目から「日本法やコモン・ローに関する記述を全部排除する」ということにはなりません。それらは、歴史的変遷ないし比較法的観点から必要な範囲において記述されるでしょう。
「殺人罪」の項目に書かれなくなるのは、例えば刑法199条の構成要件の詳しい解説などの、「刑法199条プロパーの詳説」(これは、「殺人罪」の項目においては優先順位が下がるもの)です。「殺人罪」の項目を上記の議論を踏まえて加筆していくならば、過失致死罪や傷害致死罪、強姦致死罪、強盗致死罪、遺棄致死罪等の「人を殺すことによって成立しうる犯罪」の総称としての「殺人罪」の項目なので、刑法199条について殊更に詳しく書くべきではないということになります(199条は、「数ある殺人罪のひとつ」にすぎないため)。要するに、現在でも199条について詳しい説明がなされていますが、これらはむしろ減らしていかなければなりません。刑法199条以外の犯罪類型であれば、既にそれぞれ過失致死罪傷害致死罪等の項目が存在するので、それらの犯罪類型の詳細はそちらの項目で解説されているので別に問題はありません。ただ、刑法199条でいう「殺人罪」だけは、詳細を解説する項目が存在しないのです(なぜなら、現在この「殺人罪」の項目が「刑法199条」の詳説をする項目の役割を果たしているため)。
今ある記述はそのままにして、「殺人罪 (日本)」「殺人罪 (コモン・ロー)」を新設するというのも、「殺人罪 (コモン・ロー)」程度の分量であればそれでも可能でしょうが、「殺人罪 (日本)」のほうは、既に多くの記述が存在し、独立した項目として十分な分量がありますので、これを「分割」ではなく「新設」するのは、無駄というか、非常にもったいない気がします(せっかく書かれている項目を、転記することなく編集によって削っていくことになるため)。
反対論をみていると、どうやらコモン・ローについての反論がメイン(というか、それ以外の反論がない)のようですが、では例えば、現時点では「殺人罪 (日本)」についてのみ分割するというのはどうでしょうか?T34-76様の提案通り、「殺人罪 (日本)」を私が新規作成して、一から記述し直すという方法でもいい(時間さえかければできなくもない)のですが、先の議論を踏まえれば、たとえ「分割」をしなくても、今ある199条の詳しい解説は「殺人罪」の項目からは削られることになります(その代わりに、過失致死罪やら傷害致死罪についての言及を大幅に増やしていくことになる)。つまり、一方で「殺人罪」の内容を削っていき、他方で(それを転記することなく)新しく同じ内容を一から記述していくということになります。それは二度手間であるばかりか、今までの執筆者の労力を無駄にすることにもなります。
つまり、「削る分を分割して残す」か、あるいは「分割して残さずに、別に新規作成する」かのどちらかだということになります。私は、少なくとも「殺人罪 (日本)」に関しては「分割」という手段をとったほうが合理的だと思うのですが、いかがでしょうか。--かんぴ 2010年8月29日 (日) 12:46 (UTC)
(追記)本当はややこしくならないよう分割後にしたかったのですが、とりあえず「殺人罪」の項目について加筆しておきました(こちら[2])。199条の部分に関しても、とりあえず簡単に加筆。今後、「殺人」からの大幅な転記(上記議論参照)もあるので、「分割するほどの分量はない」ということもないと思います。--かんぴ 2010年8月29日 (日) 15:52 (UTC)
>例えば刑法199条の構成要件の詳しい解説などの、「刑法199条プロパーの詳説」(これは、「殺人罪」の項目においては優先順位が下がるもの)です。「殺人罪」の項目を上記の議論を踏まえて加筆していくならば、過失致死罪や傷害致死罪、強姦致死罪、強盗致死罪、遺棄致死罪等の「人を殺すことによって成立しうる犯罪」の総称としての「殺人罪」の項目なので、刑法199条について殊更に詳しく書くべきではないということになります(199条は、「数ある殺人罪のひとつ」にすぎないため)。はどうなんだろうか。
法に無意味な分類は無く、殺人の罪の類別の目的は処罰の差を法定するためです。旧刑法の謀殺、故殺、毒殺、惨酷殺、便利殺、誘導殺、誤殺、尊属殺を、現在は普通殺と同意殺にのみ分けているのも、その犯情を法廷の適切な判断にまかせて適切な刑罰に処するという目的があるわけです。日本の刑法各論には「生命及び身体に対する罪」という分類があり、その中の一つの罪が「殺人罪」です。他の犯罪と混同していろいろ書いてきてる人もいるようですが、ここは日本の刑法典とその解釈にそった解説で、さらに付け加えて外国法での比較でいいと思います。私は市民的感覚と分けて存在するのも法の一つの役目だし、それを解説するのも百科事典の役目だと思います。だから、殺人罪の場合は普通殺のみでなく同意殺の記載は必要、殺意なきものは殺人でないので、それらの犯罪は罪数(結果的加重犯の観念的競合か併合罪かという問題)の区別を書けばよいでしょう。強姦と殺人は殺人と強姦罪の観念的競合で強姦致死と殺人の競合じゃないけど判例は違うという議論なども。法律の説明だから、法律知らない人の意見を元に書くと、法律の解説としては奇妙なものにならないかな?と危惧しますが。つまり、保護法益を基準に三分説によって書いてゆくのが良いだろうという意見です。自信があるなら誰かに遠慮などせずに書かれればよいと思います(私には荷が重過ぎて無理です)。これで私の意見は終わりです。--T34-76 2010年8月31日 (火) 17:17 (UTC)
(インデント戻す)おっしゃる意味はよくわかります。というか、上記議論の出発点を見てもらえるとわかると思いますが、「殺人罪」というものに対する認識は、おそらく私とT34-76様は一致していると思います。ただ、どうもそれではまとまらない。「自信があるなら誰かに遠慮などせずに書かれればよい」とはいえ、おそらく、「殺人罪」というものに対する認識が決定的に異なる状況なわけで、遠慮せず書いてしまえば必ず編集合戦になって、延々と膠着状態になってしまうでしょう。記事の充実という観点からは望ましいとはいえません。いつまでたっても議論は平行線をたどると思い、折衷案として、「記事を分離する」という方向で決着をつけようというのが、今の分割提案なのです。法律の解説として奇妙なものとならないよう、冒頭で最大限の説明を尽くす努力はしてみようと思います。--かんぴ 2010年9月3日 (金) 14:39 (UTC)

最後の(私の)コメントから一週間経過したわけですが、まだ反対意見はありますか?--かんぴ 2010年9月10日 (金) 17:46 (UTC)

細部の詰め

上記の提案で特に反対もなさそうなので(分割の実施は提案期間の経過後にしますが)細部についてもう少し言及しておきます。

殺人」の項目について
行為としての「殺人」につき、法学的観点以外の観点(人間行動学的な観点等?)から記述する項目とします。ただ、具体的にどういうことが書かれるかはわかりません。現在の「殺人の起源説」のようなものが中心になるのでしょうが、出典がないので、今後あれがどう広がっていくのかはわかりません。あるいは、宗教的・文学的な観点からの記述が(意外にも)どこにもないので、その方向での記事の充実も見込めるでしょう。逆に、現在ある法制度に関する記述は、「殺人罪」の項目へ一部転記します。(また別に分割提案を出します)
殺人罪」の項目について
殺人に関する法制度(犯罪)について、包括的な解説をする項目とします。これは、およそ人を死に至らしめる行為を内容とする犯罪全てを含みますので、コモン・ローでいうところの「Homicide」の範囲にほぼ合致すると思いますが、日本やドイツ等においては殺人罪、過失致死罪、その他、主要な結果的加重犯に及びます。この項目では、これらの犯罪類型の構成要件を詳論するのではなく、殺人に対する法制度の歴史的な変遷(過去の法制度を含む)、各国における犯罪類型の区分の違い等の比較法的な説明(この国では、こういう場合に○○罪が成立し、こういう場合は△△罪が成立する等の説明)等を記載します。
殺人罪 (日本)」の項目について
基本的に199条でいうところの「殺人罪」という犯罪および、その周辺(旧200条や201条)について説明します。現在の記事は解釈論が中心となっていますが、今後は立法過程や過去の改正、運用状況等、犯罪学・刑事政策学的な観点からの加筆が望まれます。なお、項目名はこれ以上適切なものが浮かばないのでこれで行きます。
日本において人を殺害することで成立しうる犯罪類型についての包括的・横断的な解説ですが、「殺人罪以外の殺人・致死の罪」の節をもう少し拡張し、「日本における殺人を内容とする犯罪」みたいな節名で再編しなおすことにします。ここでいう「殺人」には過失による殺人も含みます(節の冒頭でそう宣言する)。
殺人罪 (コモン・ロー)」の項目について
コモン・ローにおける一般的な殺人罪(Homicide)の区分や解釈について解説し、付随して各国・各地域の制定法における具体的な要件や修正について解説します。
なお、上で指摘された「故殺」「謀殺」からのリダイレクトですが、「故殺」「謀殺」の区別はコモン・ロー独自のものではなく、ドイツ刑法等にも存在します(しかも、全く内容が異なる)。なので、この項目へではなく、「殺人罪」へのリダイレクトとするのが妥当だと考えます。(その辺の事情の説明も、「殺人罪」で行う)
その他の国の「殺人罪」について
その国の殺人に関する制度を概観するという形の記述は、もちろん「殺人罪」で解説されますが、今後、その国の「殺人罪という名の犯罪類型」について独立した項目が作れるようになれば、「殺人罪 (○○国)」みたいな感じの記事を作成することになります。

たぶんこれで、「殺人」に関する事項はもれなくどこかの記事に振り分けられることになると思います。--かんぴ 2010年8月24日 (火) 15:15 (UTC)

卑属殺への言及に関して

あどうも。謀殺故殺関連でスイスとかもに立法例があるようで頭を抱えている猫が好き♪です。さて、とり急ぎ。

卑属殺なんだけどさあ。現状「尊属殺と同様、卑属に対する殺人についても加重類型が存在することもある」としか説明されていないんだけど、故意が認定できる殺人ではない他人を殺す行為として、懲罰権の行使として、容認されるという傾向があったことにも言及しないとバランス取れないんじゃないだろうかと。卑属殺が加重されるというケースをちゃんと知らないのですが、卑属殺が減免されるケースはそれなりにあることを知っていて、今の記述では誤解を招くんじゃないかという気がする。

調査が甘いんでおれは加筆修正をしませんが、ひとこと上手に付け加えていただけるとありがたいっす。よろしくどうぞ。--Nekosuki600 2010年8月30日 (月) 13:22 (UTC)

スイスの法律は知りませんが、系統的にドイツに近いのではないかと勝手に推測しています。さて、卑属殺ですが、おそらく減軽類型としても存在すると思うのですが、いかんせん具体的にどこの立法例として存在するのか出典が示せないので記述しませんでした。Nekosuki600様が、「卑属殺が加重されるというケースをちゃんと知らないのですが、卑属殺が減免されるケースはそれなりにあることを知って」いるのと同様、私は逆に、「卑属殺が減軽されるというケースをちゃんと知らないのですが、卑属殺が加重されるケースはそれなりにあることを知って」いるという感じです。詳しくは、比較法に詳しい人が加筆してくれることを期待して、とりあえずぼかした感じで加筆してみます。--かんぴ 2010年9月3日 (金) 14:33 (UTC)

報告とりあえず、「殺人罪 (日本)」への分割のみ実施しました。コモン・ローに関しては、反対意見も尊重し、しばらく様子を見て、単独で存続可能な程度に加筆された時点で再度分割を検討するということにします。--かんぴ 2010年9月17日 (金) 18:51 (UTC)

殺人からの一部転記提案

上記の議論の続きです。第一段階として、「殺人罪」の方向性は一応確定し、人を死に至らしめる行為(殺人)に対する法制度一般について解説する項目ということになりました(それに伴い、「“殺人罪”という名の犯罪」である刑法199条に関する詳論については「殺人罪 (日本)」へ分割を完了)。引き続き、第二段階として「殺人」から、殺人に関する法制度の記述を「殺人罪」へ一部転記し、「殺人」と「殺人罪」のすみ分けを行おうと思います(詳細は上記「細部の詰め」を参照)。具体的には、「殺人」の概説部分が、ほとんど殺人罪に関する説明になっているので、この部分を転記することになります。同時に、「殺人犯」のリダイレクト先も「殺人罪」に変更するのが妥当と考えます。--かんぴ 2010年9月17日 (金) 18:51 (UTC)

実行しました。ひとまずこれですみ分けに関する作業は終了なので、上記議論を踏まえて各項目の充実にご協力お願いします。--かんぴ 2010年9月24日 (金) 17:33 (UTC)