映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史
映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史 | |
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監督 | 腰繁男 |
脚本 | 真保裕一 |
原作 | 藤子・F・不二雄 |
出演者 |
水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 櫻井智 佐久間レイ 香里奈 アヤカ・ウィルソン 大塚明夫 大川透 チュートリアル 若田光一 |
音楽 | 沢田完 |
主題歌 | 柴咲コウ「大切にするよ」 |
制作会社 | シンエイ動画 |
製作会社 | 映画ドラえもん制作委員会 |
配給 | 東宝 |
公開 |
2009年3月7日 2009年6月11日 (DVD) 2010年11月3日 (DVD) |
上映時間 | 102分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 24.5億円 |
前作 | 映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝 |
次作 | 映画ドラえもん のび太の人魚大海戦 |
『映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』(えいがドラえもん しんのびたのうちゅうかいたくし)は、2009年3月公開の日本のアニメ映画。藤子不二雄の藤本弘が執筆した大長編作品『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』を原作とし、腰繁男が監督、真保裕一が脚本を務めた、映画「ドラえもん」長編シリーズの第29作目である。
テレビ朝日開局50周年、テレビアニメ30周年記念作品。 第33回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した。
概要
[編集]『ドラえもん』の長編映画シリーズ通算29作目で、テレビアニメ第2作2期の声優陣による映画としては4作目。1981年に公開された『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』(以下旧作)のリメイク作品。ドラえもん (2005年のテレビアニメ)のスタッフにより制作された。
原作漫画や旧作とは異なり、ドラミ、出木杉、ジャイアンの母ちゃん[注 1]といった原作キャラクターに加え、新キャラクターも登場。さらに本作だけの場面や展開が複数追加されており、クライマックスシーンの流れも異なるものになっている。
『新・のび太の宇宙開拓史超まんが外伝』が岡田康則によって執筆され、『月刊コロコロコミック』2009年3月号から2009年4月号まで連載された(この作品は未単行本化である)。
映画満足度ランキング(ぴあ出口調査隊調べ、3月9日付)第1位を獲得、観客動員ランキング(興行通信社調べ、3月7日・8日調査)初登場第2位という好評価を得ている。ただし同時期に公開された『ヤッターマン』の影響もあり、ドラえもんアニメ第2期(2005年4月以降)の作品としてははじめて興行収入が30億を下回った(2023年7月現在の最低額)。2009年第32回日本アカデミー賞では、『アニメーション作品賞』の『優秀賞』を受賞した[1]。
本作ではアバンタイトルで、のび太が「ドラえも〜ん」と叫ぶシーンが『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』以来2年ぶりに描かれた。
映画のエンドロールが終わった後には、『ドラえもん のび太の恐竜2006』から恒例となったおまけ映像があり、内容は海の中でドラえもんが2010年の映画公開の告知をし、その後ろを人魚のシルエットが通り過ぎるというものだった。他にも、次作は漫画原作40周年および映画30周年であることが紹介される。2009年7月17日のテレビアニメの放送で正式に映画『ドラえもん のび太の人魚大海戦』と発表された。
『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』公開時に引き続き、テレビで「公開直前スペシャル」と称した1時間特番が、公開1日前の3月6日に放送された(内容は長編「天の川鉄道の夜」)。
ストーリー
[編集]この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
舞台
[編集]- コーヤコーヤ星
- ドラえもん達が住む地球とは遠く離れている開拓星。今作ではコーヤコーヤ星の時間の流れでいう7年前にロップル達が移民し、星を開拓していった設定になっている。重力が地球よりも小さいため、地球人はスーパーマンのような力を発揮できる。豊かな自然に恵まれているが、星そのものが反重力エネルギーを発生させるガルタイトという鉱石でできているため、ガルタイト鉱業に狙われている。
- なお、旧作に登場したトカイトカイ星は今作では登場せず、コーヤコーヤ星に街がある設定に変更されている。
声の出演
[編集]- ドラえもん - 水田わさび
- 野比のび太 - 大原めぐみ
- 源静香(しずか) - かかずゆみ
- 剛田武(ジャイアン) - 木村昴
- 骨川スネ夫 - 関智一
- 野比玉子(のび太のママ) - 三石琴乃
- 野比のび助(のび太のパパ) - 松本保典
- ドラミ - 千秋
- 出木杉英才 - 萩野志保子(テレビ朝日アナウンサー)
- ジャイアンの母ちゃん - 竹内都子
- 警備員 - 渋谷茂、高戸靖広
- 警察官 - 後藤史彦
- 市民 - まるたまり
- 宇宙船操舵員 - 若田光一
ゲストキャラクター
[編集]- ロップル
- 声 - 櫻井智
- コーヤコーヤ星に住む開拓移民の少年。
- チャミー
- 声 - 佐久間レイ
- ロップルの親友の宇宙生物。外見が原作漫画に忠実になった。
- クレム
- 声 - アヤカ・ウィルソン
- ロップルの妹。コーヤコーヤ星の英雄であるのび太を尊敬している。
- ライザ
- 声 - 渡辺菜生子
- ロップルとクレムの母。原作漫画および旧作では名前は付いていなかったが本作で名前が付けられた。
- ライザの夫
- 声 - なし
- ロップルとクレムの父。写真のみの登場。故人。
- モリーナ
- 声 - 香里奈 / 堀江由衣(10歳)
- ロップルの姉貴分のような幼なじみ。本作のオリジナルキャラクター。
- コーヤコーヤ星に彼女やロップルたちが移民したのが7年前なので現在は17歳ということになる。7年前に磁気嵐に巻き込まれた父であるバーンズ博士を誰も助けようとしなかったことから、他の移民とは確執があり、それに加えて本来ならば関係のないのび太たちのことをヒーローとして崇拝し依存していく彼らを懐疑の目で見ている。しかし、ロップルのことは弟のように大事に思っている。
- ロップル以外の移民との確執をギラーミンに利用され、超空間ゲートのことを教えてしまうも騙されたことを知った後はドラえもんたちに協力し、ギラーミンの攻撃からのび太を庇う姿も見せた。生きていたバーンズとの再会を果たした後、バーンズが生き延びた星の開拓のために活動する。
- 前々作に登場した美夜子同様、のび太たちより年上の女性ゲストキャラクターである。
- バーンズ博士
- 声 - 堀内賢雄
- モリーナの父。本作のオリジナルキャラクター。
- モリーナが10歳の頃、磁気嵐の中で移民船の修理を行い直すことに成功するが磁気嵐に巻き込まれて行方不明となる。
- 実は小惑星に不時着して生存していたことが明らかになり、モリーナと再会する。
- 船長 / 市長
- 声 - 佐藤正治
- 名称不明の移民団のリーダー。
- 移民船では船長を務め、現在は市長となっている。
- バーンズ博士を犠牲にしてしまったことに心を痛めている。
- カモラン
- 声 - 茶風林
- ロップルの隣人(ただし、家はとても離れている)で移民団の団長だった。
- ブブ
- 声 - 峰あつ子
- カモランの息子。
- 旧作ではのび太やドラえもんに良い感情を持っていなかったが、本作では逆にのび太たちに憧れを抱いており、終盤ものび太たちの役に立つ為、積極的な行動を見せる。
- ギラーミン
- 声 - 大塚明夫
- ガルタイト鉱業本社から派遣された男。旧作ではあくまでも金で雇われた用心棒だったが、本作ではガルタイト鉱業の社員となっており、主任であるバカラよりも立場は上で彼らに指示を下すことから職制は課長又は係長とみられる。
- 旧作よりも残忍で狡猾な性格になっており、モリーナに「自分はバーンズ博士の仲間でバーンズ博士の事故は仕組まれたものだった」と語ることでモリーナから超空間ゲートの場所を聞き出し、コア破壊装置の使用もギラーミンが決めた。
- のび太との一騎討ちの撃ち合いに敗れながらもすぐに立ち上がり、のび太を狙うもモリーナが庇ったことで失敗。コア破壊装置を起動させた後、ダウトとウーノと共に離脱するも宇宙警察に逮捕される。牢屋に入れられた直後、自分たちを倒したのび太を尊重するような発言をした。
- バカラ
- 声 - 大川透
- ガルタイト鉱業主任。旧作におけるボーガントに当たるキャラクター。
- ボーガントに比べると気弱でギラーミンに対しては終始腰を低くしていた。最後はギラーミンや部下共々逮捕される。
- 「のび太と星を流すクジラ」ではホシナガスクジラの子供をリッチリッチ星の人に売り飛ばそうとする。また、つぶらな瞳であることが判明した。
- 名前はバカラからきており、「パカラ」と誤記されることもある。
- ダウト
- 声 - 徳井義実
- ガルタイト鉱業の一員。二人組のうち痩せている方。旧作におけるメスに当たるキャラクター。
- 名前はトランプゲームの「ダウト」からきている。
- ウーノ
- 声 - 福田充徳
- ガルタイト鉱業の一員。二人組のうち太っている方。旧作におけるゴスに当たるキャラクター。
- 名前はカードゲームの「UNO」からきている。
スタッフ
[編集]- 原作 - 藤子・F・不二雄
- 脚本 - 真保裕一
- 演出 - 宮下新平
- 総作画監督 - 金子志津枝
- 美術 - 土橋誠
- 3DCGスーパーバイザー - 木船徳光
- 撮影監督 - 岸克芳
- 編集 - 小島俊彦
- 録音監督 - 田中章喜
- 効果 - 糸川幸良
- 音楽 - 沢田完
- 総監督 - 楠葉宏三
- チーフプロデューサー - 増子相二郎、杉山登
- 監督 - 腰繁男
- 絵コンテ - 腰繁男 / 楠葉宏三、やすみ哲夫
- 演出助手 - 八鍬新之介
- メカデザイン - 渡辺歩
- 作画監督 - 千葉ゆみ、大杉宜弘、浅野直之
- 動画検査 - 遠藤良恵
- 色彩設計 - 松谷早苗
- 色指定・検査 - 吉田晴絵、高橋めぐみ
- 色彩設計補佐 - 堀越智子
- 仕上担当 - 野中幸子
- 3DCG監督 - 奥村優子
- 特殊効果 - 干場豊
- アニメーション協力 - ベガエンタテイメント
- おまけ映像 - 楠葉宏三 / 杉崎聡、増泉路子
- 制作事務 - 杉野友紀、服部高弘、宮澤英太郎
- 制作進行 - 長田美香、河西麻利子 / 廣川浩二、岡田麻衣子、横田一平、岡野孝規、中島進、永田雄一、菊地達也、伊藤貴徳
- 制作デスク - 荒木元道
- プロデューサー - 小倉久美、吉川大祐、藤森匠、山崎立士、大倉俊輔
- 制作 - 「映画ドラえもん」制作委員会(藤子プロ、小学館、テレビ朝日、ADK、ShoPro、シンエイ動画)
主題歌
[編集]- オープニングテーマ「夢をかなえてドラえもん」[注 2]
- 作詞・作曲 - 黒須克彦 / 編曲 - 大久保薫 / コーラス - ひまわりキッズ
- 歌 - mao(コロムビアミュージックエンタテインメント)
- エンディングテーマ「大切にするよ」
- 作曲・編曲 - 市川淳 / 作詞・歌 - 柴咲コウ(NAYUTAWAVE RECORDS/ユニバーサルミュージック)
- 挿入歌「キミが笑う世界」
- 作詞 - マイクスギヤマ / 作曲・編曲 - 沢田完 / 歌 - アヤカ・ウィルソン、ひばり児童合唱団
関連作品
[編集]漫画
[編集]ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史 超まんが外伝
[編集]岡田康則作画。『月刊コロコロコミック』2009年3月号別冊付録『コロコロコミック ギャグコロDX』に前編[2]、『月刊コロコロコミック』2009年4月号本誌に後編が掲載された[3]。映画『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』の外伝的内容となっている。
テレビアニメ
[編集]のび太と星を流すクジラ
[編集]2009年3月20日放送の『ドラえもん30周年スペシャル 〜決定!心に残るお話30〜』で「さようならドラえもん」とともに放映された映画の外伝エピソード。この話がきっかけでバカラはギラーミンを呼び寄せることを決意する。ゲストキャラクターは以下のとおり。
- ゴス
- 声 - 渋谷茂
- ガルタイト鉱業の一人。ホシナガスクジラの子供を捕らえ、リッチリッチ星の人に売り飛ばそうとした。旧作と違い、痩せている。
- メス
- 声 - 後藤史彦
- ガルタイト鉱業の一人。ゴスを「アニキ」と呼び慕っている。こちらでは、太っている。
- ホシナガスクジラ(親)
- 声 - まるたまり
- 子供がいなくなったことから子供を探そうと暴れる。普段は東の湖に住んでいる。
キャンペーン
[編集]2008年に、小学館の児童誌連合企画としてコーヤコーヤ星の動物を考えて応募する「宇宙の仲間コンテスト」が行われた。DVDスペシャル版の映像特典「コーヤコーヤ星動物図鑑」で紹介されている[4]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ドラミは定期検診をサボっているドラえもんを未来に連れて行くために登場。その後、定期検診の結果(異常なし)を報告に来た際、ママの頼みでしずかと共にのび太のお目付け役を担うもしずか、ジャイアン、スネ夫と共にのび太やドラえもんの救援に向かう。出木杉は地球での野球関連のシーン、ジャイアンの母はエピローグにそれぞれ登場。
- ^ 前作『のび太と緑の巨人伝』から引き続き、今作も歌詞がアニメーションの一部として組み込まれている。
出典
[編集]- ^ 日本アカデミー賞公式サイト
- ^ “月刊 コロコロコミック 3月号:BOOK SHOP 小学館(2009年)”. 小学館. 2011年2月23日閲覧。
- ^ “月刊 コロコロコミック 4月号:BOOK SHOP 小学館(2009年)”. 小学館. 2011年2月23日閲覧。
- ^ Amazon.co.jp 映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史 スペシャル版DVD
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]
- 漫 - 原作漫画、大長編漫画等の執筆者の頭の1文字または略記号。藤=藤子不二雄。F=藤子・F・不二雄。1987年の独立前のみ「藤」と記載した(ただし『ドラえもん』は連載開始時から藤本単独作)。FP=藤子プロ。それ以外は作画者を記載。括弧付きは藤本以外が執筆した外伝、短編など。詳細は大長編ドラえもん#作品一覧(併映作品は各作品のページ)を参照。