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トレジャー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社トレジャー
TREASURE Co.,Ltd
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
165-0026
東京都中野区新井2-35-10
設立 1992年6月19日
業種 情報・通信業
法人番号 3011201003903 ウィキデータを編集
事業内容 コンピュータソフトウェアの企画、開発
代表者 代表取締役社長 前川 正人
資本金 30,000,000円
関係する人物 半沢紀雄(元社員)
菅波秀幸(元社員)
村田智(元社員)
井内ひろし(元社員)
鈴木康士(元社員)
輪くすさが(元社員)
山中季哉(元社員)
吉村功成(元社員)
外部リンク http://www.treasure-inc.co.jp/
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株式会社トレジャー: TREASURE Co.,Ltd)は、コンピュータソフトウェアの企画、開発を事業内容とする日本の企業。

歴史

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設立~16ビット機時代

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トレジャーの創業者であり社長でもある前川正人は、子供の頃からゲーム業界で働くことを夢見ており、中学生の時にプログラミングを覚え始めた。彼は大学でプログラムを学び、卒業後コナミに入社した。[1]コナミ時代の前川は、のちに彼とともにトレジャーを設立することになる同僚たちとともにアーケードゲーム『ザ・シンプソンズ』(1991年)、『バッキー・オヘア英語版』(1992年)、スーパーファミコン用ソフト『悪魔城ドラキュラ』(1991年)、『魂斗羅スピリッツ』(1992年)、『アクスレイ』(1992年)など様々のゲームを開発した。[2][3] 1991年、前川と複数名のコナミ従業員は、『ガンスターヒーローズ』(1993年)へと繋がるオリジナルゲームの企画を立案したが、[4][5]その提案は会社によって却下された。[2]前川と彼のチームは、コナミが『悪魔城ドラキュラ』や『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』といったすでに定評が固まったシリーズの続編に依存する傾向をみせていたことに不満をつのらせていた。[2]ユーザーはオリジナルのゲームを求めていると彼らは感じ、[2]1992年にコナミを離れてトレジャーを設立すると『ガンスターヒーローズ』の開発を続けた。[1]

In their first years, Treasure developed games for the Sega Genesis.

トレジャーは1992年6月19日に設立された。[6]社名には業界にとってのtreasure(宝物、大事なもの)になりたいという思いが込められている。[2]設立当時の従業員数は10名強だった。[7]コナミ時代はスーパーファミコン用のゲームを手掛けていたスタッフが多かったにもかかわらず、『ガンスターヒーローズ』をメガドライブ用に開発することに決めたのは、彼らが目指していたビジュアルやゲーム性には同ハードのMC68000マイクロプロセッサが必要であったためである。[2]パブリッシング契約をセガに持ちかけた当初、トレジャーには実績がなかったため企画は通らなかったが、代わりに『マクドナルド トレジャーランドアドベンチャー英語版』(1993年)の開発を請け負うことになった。[4][5]同作の開発開始から数カ月後、『ガンスターヒーローズ』の開発が承認された。[5]トレジャーのスタッフは2つのチームに分かれ、両作を並行して開発した。[2][5]スタッフはコナミよりもセガの下で働くほうが自由度が高いと感じていた。[2]

先に完成したのは『マクドナルド トレジャーランドアドベンチャー』だったが、トレジャーはオリジナルのゲームをデビュー作としてリリースしたかったので、『ガンスターヒーローズ』を最初に発売することにした。[5]北米のゲーム雑誌『GameFan』は同作に魅了され、同年トレジャーに初の英語インタビューを行った。[8]次にリリースされた『マクドナルド トレジャーランドアドベンチャー』は、トレジャーがライセンスを受けてゲームを開発する流れを作ることになった。小さなスタジオであるトレジャーは、ライセンスゲームで得られた収益をオリジナルプロジェクトの開発に充てていた[8]。16ビット機時代のトレジャーは、スプライトの動きが滑らかであることからその後もメガドライブ用ゲームの開発を続け、セガファンの間で人気を集めた。[8][9]『ガンスターヒーローズ』以降、トレジャーは4つの開発チームに分けられ、『ダイナマイトヘッディー』(1994年)、『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』(1994年)、『エイリアンソルジャー』(1995年)、『ライトクルセイダー』(1995年)を開発した。[5]

32ビット機時代

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トレジャーは、1994年にセガがリリースしたセガサターンが大量のスプライトを処理できることを歓迎した。また同社のファン層がセガのゲーマーばかりであることも認識していたため、32ビット機時代になると、サターン用ゲームの開発に移行した。[9]サターンは3Dグラフィックスにも対応していたが、トレジャーは2Dスプライトのノウハウを蓄積していたため、2Dゲームの開発を続けた。彼らは3Dゲームとの競合については心配していなかったという。[9]最初のサターン用ゲーム『ガーディアンヒーローズ』(1996年)は、ベルトスクロールアクションゲームに格闘ゲームとRPGの要素を盛り込んだゲームだった。[8]続いてリリースした『ゆけゆけ!!トラブルメーカーズ』(1997年)と『シルエットミラージュ』(1997年)という2つの横スクロールアクションゲームは並行して開発された。[8]NINTENDO64用ソフトとしてエニックスより発売された『ゆけゆけ!!トラブルメーカーズ』は、トレジャーにとって初めてセガ以外が発売元となりセガハード以外で発売されたゲームである。[8]『シルエットミラージュ』は当初サターン用にリリースされたが、1998年にPlayStationに移植された。[8]

中野区で1998年[10]から2010年代[11]までの本社

1998年、トレジャーは同社にとって初のアーケードゲームとなる縦スクロールシューティングゲーム『レイディアントシルバーガン』をリリースした。トレジャーは長年、商業的実現可能性への懸念からアーケードゲームの開発を躊躇していたが、スタッフは『レイディアントシルバーガン』のポテンシャルを信じ、開発に熱望していた。[12]同作はリリースされた年の後半にサターンに移植された。[8]次にエニックスよりPlayStation用の格闘ゲーム『ラクガキショータイム』(1999年)を発売したが、キャラクターの所有権をめぐってエニックスとトレジャーの間で法的な問題が起きたため、同作は発売直後に店頭から撤去された。[8][11]続いて多方向シューティングゲーム『爆裂無敵 バンガイオー』(1999年)をまずNINTENDO64で、その後修正を施してドリームキャストで発売した。[8]1999年時点において、トレジャーの設立スタッフのほとんどはまだ同社に在籍していた。[13]

2000年代

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2000年代初頭、トレジャーはいくつかのトラブルに見舞われていた。[8]NAOMI基板用に開発していたアーケード用レースゲーム『ガンビート英語版』は、殆ど説明のないまま発売中止になった。[14]PlayStation 2用の『シルフィード ザ・ロストプラネット英語版』(2000年)と『ひっぱリンダ英語版』(2001年)は、いずれも酷評を受けた。[8][11]しかしその一方で、任天堂と共同開発したNINTENDO64用レールシューター『罪と罰 〜地球の継承者〜』(2000年)は成功をおさめた。[8]同作は欧米では発売されなかったものの、輸入ゲーマーのあいだではカルトな人気を博した。[15]『罪と罰』の開発中に、トレジャーは『レイディアントシルバーガン』の精神的続編となる『斑鳩』(2001年)の開発を始めた。[16]このアーケードシューティングゲームはグレフと共同開発され、[11]ドリームキャストへの移植を経て、ニンテンドーゲームキューブにおいて世界的にリリースされた。[8]

その後、トレジャーは一連のライセンスゲームのプロジェクトに着手した。[8]そのうちの2つは、『タイニー・トゥーンズ』を原作としたゲームボーイアドバンス用ゲーム『Tiny Toon Adventures: Buster's Bad Dream英語版』(2002年)と未発売に終わったPlayStation 2用ゲーム『Tiny Toon Adventures: Defenders of the Universe英語版』である。[8]この時期にライセンスされた他のゲームには、 『はじめの一歩 THE FIGHTING!』(2003年)、『ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密-』(2003年)、『ワリオワールド』(2003年)、『ドラゴンドライブ ディマスターズショット英語版』がある。[8]『ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密-』はセガの開発子会社ヒットメーカーとの共同開発で、[17]近年のタイトルには欠けていたトレジャーのクラシックな横スクロールアクションスタイルに立ち戻ったことが評価された。[8][11]次いで手掛けた『グラディウスV(2004年)は、『斑鳩』と同様にグレフと共同で開発された。[11]両者はコナミとの契約のもとに働き、同作は平凡なライセンスゲームが続いていたトレジャーの業績回復に貢献した。[8]

トレジャーは成功した以前の作品の続編となる『アドバンスガーディアンヒーローズ英語版』(2004年)と『ガンスタースーパーヒーローズ』(2005年)を開発した。[8]それに続いて一連のBLEACHライセンスゲームをニンテンドーDS用の開発を担当した。[11]前川は、トレジャーは『BLEACH』のようなライセンスゲームを開発する上での課題について、スタッフはオリジナリティを求めているが、原作から逸脱してファンを失望させることはできないと説明している。[18]2009年時点でトレジャーの従業員数は20~30名にのぼる。[18]

2010年代

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2011年の時点でトレジャーの従業員数は16名に減少している。[11]前川は2011年のインタビューのなかで、現在のゲーム開発にはミドルウェアを使用しており、ハードウェアの性能を限界にまで引き出すためのカスタムプログラミングは用いていないと語っている。[11]また同社はバーチャルコンソールPlayStation NetworkXbox Liveでの過去作のダウンロード販売の充実に力を入れていた。[11]トレジャーは2014年以降、『斑鳩』などの再リリース作を除き、新作をリリースしていない。[19]

開発タイトル

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名前の後に「*」がついているものは2015年以降に日本国内でリリースされたゲーム機及びSteamでも新規購入・プレイ可能(かつてはWiiバーチャルコンソールを通しての購入が可能だったが、現在は終了している)。

発売/配信日 タイトル プラットフォーム 発売/配信元 備考
1993年9月10日 ガンスターヒーローズ* MD セガ メガドライブ ミニに収録
1993年9月23日 マクドナルド トレジャーランドアドベンチャー MD セガ
1994年8月5日 ダイナマイトヘッディー* MD セガ メガドライブ ミニに収録
1994年9月30日 幽☆遊☆白書 魔強統一戦* MD セガ メガドライブ ミニに収録(国内版のみ)
1995年2月24日 エイリアンソルジャー MD セガ メガドライブミニ・アジア版、メガドライブ ミニ2に収録

(MDミニアジア版は後に国内でも限定発売。現在は販売終了)

1995年5月26日 ライトクルセイダー MD セガ メガドライブミニ・北米版、欧州版に収録
1996年1月26日 ガーディアンヒーローズ SS セガ
1997年6月27日 ゆけゆけ!!トラブルメーカーズ N64 エニックス
1997年9月11日 シルエットミラージュ SS ESP
1998年5月 レイディアントシルバーガン AC セガ
1998年7月23日 レイディアントシルバーガン SS ESP
1998年7月23日 シルエットミラージュ ~リプログラムド ホープ~   PS ESP 初代PSアーカイブスで配信中
1999年7月29日 ラクガキショータイム PS エニックス 初代PSアーカイブスで配信中
1999年9月3日 爆裂無敵 バンガイオー N64 ESP
2000年9月21日 シルフィード ザ・ロスト・プラネット PS2 カプコン ゲームアーツとの共同開発
2000年11月21日 罪と罰 〜地球の継承者〜* N64 任天堂 NINTENDO 64 Nintendo Switch Onlineで配信中
2001年7月27日 ひっぱリンダ PS2 角川書店
2001年12月20日 斑鳩 AC トレジャー グレフとの共同開発
2002年9月5日 斑鳩 DC ESP
2002年11月12日 はじめの一歩 THE FIGHTING! GBA ESP
2003年8月8日 ドラゴンドライブ ディマスターズショット GC バンダイ
2003年12月18日 ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密- GBA セガ ヒットメーカーとの共同開発
2004年5月27日 ワリオワールド GC 任天堂
2004年7月22日 グラディウスV PS2 コナミ グレフとの共同開発

PlayStation 2アーカイブスで配信中

2004年9月22日 アドバンスガーディアンヒーローズ GBA トレジャー
2005年10月6日 ガンスタースーパーヒーローズ GBA セガ
2006年1月26日 BLEACH DS 蒼天に駆ける運命 DS セガ
2007年2月15日 BLEACH DS 2nd 黒衣ひらめく鎮魂歌 DS セガ
2008年3月19日 バンガイオー魂 DS ESP
2008年4月9日 斑鳩* Xbox Live Arcade トレジャー
2008年12月18日 BLEACH バーサス・クルセイド Wii セガ
2009年6月10日 ガンスターヒーローズ* Xbox Live Arcade セガ
2009年10月29日 罪と罰 〜宇宙の後継者〜 Wii 任天堂
2011年9月14日 レイディアントシルバーガン* Xbox Live Arcade Microsoft Studios
2011年5月4日 BANGAI-O HD Missile Fury Xbox Live Arcade ディースリー・パブリッシャー
2011年10月12日 ガーディアンヒーローズ* Xbox Live Arcade セガ
2012年12月12日 斑鳩 Android GMOゲームセンター
2013年12月5日 ガイストクラッシャー* 3DS カプコン
2014年2月19日 斑鳩* Steam トレジャー
2014年9月4日 ガイストクラッシャー ゴッド* 3DS カプコン ガイストクラッシャーのアッパーバージョン

脚注

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  1. ^ a b Stuart, Keith. Sega Mega Drive/Collected Works. p. 291. ISBN 9780957576810 
  2. ^ a b c d e f g h “An Interview With: Treasure”. GameFan 1 (11): 60. (October 1993). https://archive.org/details/Gamefan_Vol_1_Issue_11/page/n59. 
  3. ^ “Prescreen - Treasure”. Edge (Future plc) (44): 46-48. (April 1997). https://archive.org/stream/edgeuk044#page/n41/mode/2up. 
  4. ^ a b Davies, Jonti (April 2008). “The Making Of: Gunstar Heroes”. Retro Gamer (50): 56-61. 
  5. ^ a b c d e f 前川正人「ガンスターヒーローズ」スーパーバイザー”. Sega. 2017年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ2018年12月22日閲覧。 (Abridged translation Archived December 1, 2018, at the Wayback Machine.)
  6. ^ Treasure - Company” (Japanese). 2019年8月12日閲覧。
  7. ^ “Treasure Trove”. Retro Gamer (Imagine Publishing) (8): 43–50. (September 28, 2004). https://archive.org/stream/RetroGamerIssue006-010/Retro_Gamer_Issue_008#page/n39/mode/2up. 
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Treasure Mania”. 1Up (2005年). October 26, 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月10日閲覧。
  9. ^ a b c “The Treasure Interview”. Maximum: The Video Game Magazine (Emap International Limited) (7): 108-9. (June 1996). 
  10. ^ “Gamings Treasure: An interview with company president Mr. Meagawa about Treasure past, present & future”. Gamers' Republic (3). (August 1998). https://archive.org/details/Gamers_Republic_Issue_03/page/n89/mode/2up. 
  11. ^ a b c d e f g h i j “From the Archives: Treasure”. Retro Gamer (Imagine Publishing) (91): 68-75. (June 23, 2011). https://archive.org/details/RetroGamerIssue091-095/page/n69. 
  12. ^ “Interview with Masato Maegawa”. Sega Saturn Magazine (UK) (34): 25. (August 1998). オリジナルの7 April 2016時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160407092532/https://archive.org/stream/Official_Sega_Saturn_Magazine_034/Official_Sega_Saturn_Magazine_034_-_august_1998_UK#page/n23/mode/2up. 
  13. ^ “Treasure”. Gamers' Republic 2 (4): 14-18, 124. (September 1999). 
  14. ^ Treasure Issues a Statement on Gunbeat”. IGN (22 May 2000). 21 April 2018時点のオリジナルよりアーカイブ2019年9月26日閲覧。
  15. ^ Bozon (1 October 2007). “VC Monday: 10/1/2007” (英語). IGN. 5 November 2017時点のオリジナルよりアーカイブ4 November 2017閲覧。
  16. ^ Ikaruga – 2001/2002 Developer Interviews” (英語). shmuplations.com. 6 April 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月12日閲覧。
  17. ^ Provo, Frank (August 13, 2004). “Astro Boy: Omega Factor Review”. GameSpot. May 27, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ2019年9月26日閲覧。
  18. ^ a b Games The Way They Want: Catching Up With Treasure”. Gamasutra (January 5, 2009). 2019年8月12日閲覧。
  19. ^ “25 Years of Treasure”. Wireframe (1): 50-53. (November 2018). https://wireframe.raspberrypi.org/issues/1. 

関連項目

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外部リンク

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