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トリプタミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トリプタミン
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識別情報
CAS登録番号 61-54-1 チェック
PubChem 1150
KEGG C00398
125
特性
化学式 C10H12N2
モル質量 160.22 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

トリプタミンインドール誘導体で、トリプトファンから脱炭酸した構造を持つ有機化合物である。様々な生理活性物質の母骨格となっており、この骨格を持つ分子はトリプタミン類として知られている。

解説

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神経伝達物質であるセロトニン、睡眠を制御するホルモンであるメラトニンなどが、トリプタミン類としてよく知られている。また細菌、植物、動物に分布しているトリプタミンアルカロイドは、精神作用効果があることで知られている。この例としてマジックマッシュルームに含まれるシロシビンや、様々な植物に含まれるジメチルトリプタミンなどが挙げられる。化学合成法も多数知られており、片頭痛の薬であるスマトリプタン及びその誘導体などが合成されている。トリプタミン骨格はLSDイボガインヨヒンビンのようなエルゴリンアルカロイドの一部にも見られる。

トリプタミン骨格を持つ多くの幻覚作用を持つ分子を詳細に解説した本も出版されている[1]

トリプタミン類の一般的な構造式
トリプタミン類、構造による分類
略称 Rα R4 R5 RN1 RN2 正式名
AET CH2CH3 H H H H α-エチルトリプタミン
AMT CH3 H H H H α-メチルトリプタミン
セロトニン H H OH H H 5-ヒドロキシトリプタミン
DET H H H CH2CH3 CH2CH3 N,N-ジエチルトリプタミン
DiPT H H H CH(CH3)2 CH(CH3)2 N,N-ジイソプロピルトリプタミン
DMT H H H CH3 CH3 N,N-ジメチルトリプタミン
DPT H H H CH2CH2CH3 CH2CH2CH3 N,N-ジプロピルトリプタミン
メラトニン H H OCH3 C(=O)-CH3 H 5-メトキシ-N-アセチルトリプタミン
5-MeO-AMT CH3 H OCH3 H H 5-メトキシ-α-メチルトリプタミン
ブホテニン H H OH CH3 CH3 5-ヒドロキシ-N,N-ジメチルトリプタミン
エトシン (ethocin) H OH H CH2CH3 CH2CH3 4-ヒドロキシ-N,N-ジエチルトリプタミン
イプロシン (iprocin) H OH H CH(CH3)2 CH(CH3)2 4-ヒドロキシ-N,N-ジイソプロピルトリプタミン
5-MeO-DIPT H H OCH3 CH(CH3)2 CH(CH3)2 5-メトキシ-N,N-ジイソプロピルトリプタミン
5-MeO-DMT H H OCH3 CH3 CH3 5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン
ミプロシン (Miprocin) H OH H CH(CH3)2 CH3 4-ヒドロキシ-N-イソプロピル-N-メチルトリプタミン
サイロシン H OH H CH3 CH3 4-ヒドロキシ-N,N-ジメチルトリプタミン
シロシビン H OPO3H2 H CH3 CH3 4-ホスホリルオキシ-N,N-ジメチルトリプタミン
スマトリプタン H H SO2NHCH3 CH3 CH3 5-メチルアミノスルホニル-N,N-ジメチルトリプタミン

出典

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  1. ^ Ann Shulgin, Alexander Shulgin (1997). TiHKAL: The Continuation. United States: Transform Press. ISBN 0-9630096-9-9 


関連項目

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