トゥ・ザ・ワンダー
トゥ・ザ・ワンダー | |
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To the Wonder | |
監督 | テレンス・マリック |
脚本 | テレンス・マリック |
製作 | ニコラス・ゴンダ |
製作総指揮 | グレン・バスナー |
出演者 |
ベン・アフレック オルガ・キュリレンコ ハビエル・バルデム レイチェル・マクアダムス |
音楽 | ハナン・タウンゼンド |
撮影 | エマニュエル・ルベツキ |
編集 | A・J・エドワーズ |
製作会社 | レッドバッド・ピクチャーズ |
配給 |
マグノリア・ピクチャーズ ロングライド |
公開 |
2012年9月2日(VIFF) 2013年4月12日 2013年8月9日 |
上映時間 | 112分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | $154,880[1] |
『トゥ・ザ・ワンダー』(To the Wonder)は、テレンス・マリック監督、オルガ・キュリレンコ、ベン・アフレック主演の2012年公開のアメリカの映画。モン・サン・ミシェルで出会った男女の恋愛を描いた恋愛ドラマ映画。第69回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で上映された[2]。
ストーリー
[編集]フランス西海岸のノルマンディー地方。作家志望のニールは、故郷アメリカを離れてフランスへ渡り、モン・サン・ミシェルの美しい海岸でマリーナと出会い恋に落ちる。またマリーナの娘タチアナも、ニールを実の父のように慕うようになる。
2年後、3人はアメリカへ渡りオクラホマの小さな町バードルズルで暮らしていた。作家への夢を諦めたニールは、環境保護の調査官として働き、マリーナ、タチアナとの関係も良好で、3人は穏やかで幸せな生活を送っていた。
しかし、永遠に続くと思われた幸福な時間は、長続きはしなかった。友達が出来ないタチアナは、フランスへ帰りたいと言い出す。やがてマリーナとの擦れ違いが増え、タチアナからも"父親気取り"を嫌がられるようになると、ニールの気持ちは冷めてゆく。 悩んだマリーナは町の教会でクインターナ神父に相談するが、ビザの期限が切れるため娘を連れてフランスへ帰ることにする。
マリーナの帰国後、ニールは幼なじみのジェーンと関係を深めてゆく。一方フランスでは、タチアナが離婚した夫の下へ行ってしまい、マリーナは一人での生活に耐え切れなくなる。そしてマリーナが再びアメリカへ戻ると、ニールは責任感からマリーナと結婚する。マリーナとの結婚を機にジェーンは去って行く。
やがてマリーナはニールを愛し過ぎるあまり、ニールの自分に対する愛を信用できなくなり、行きずりの男と関係を持ったあげく妊娠してしまう。このことを知ったニールは激怒し、そして愛とは何か?深く考え始める。 一方、クインターナも同様に、神はどこにいるのか? と深く悩むようになり、二人の男はそれぞれの選択をすることになる。
キャスト
[編集]- ニール - ベン・アフレック
- マリーナ - オルガ・キュリレンコ
- ジェーン - レイチェル・マクアダムス
- クインターナ神父 - ハビエル・バルデム
- タチアナ - タチアナ・シラン
- アンナ - ロミーナ・モンデロ
- 大工 - チャールズ・ベイカー
- ボブ - マーシャル・ベル
スタッフ
[編集]『ニュー・ワールド』『ツリー・オブ・ライフ』などのマリック監督作品に携わってきた、エマニュエル・ルベツキはじめ多くのスタッフが本作でも製作に加わった。
- 監督・脚本:テレンス・マリック
- 製作:ニコラス・ゴンダ、サラ・グリーン
- 製作総指揮:グレン・バスナー、ジェイソン・クリークスフェルト、ジョセフ・クリークスフェルト
- 音楽:ハナン・タウンゼンド
- 撮影:エマニュエル・ルベツキ
- 編集:A・J・エドワーズ、キース・フレイズ、シェーン・ハゼン、クリストファー・ロルダン、マーク・ヨシカワ
- 美術:ジャック・フィスク
- 衣装デザイン:ジャクリーン・ウェスト
製作
[編集]2010年2月に告知され、クリスチャン・ベール出演が予定されたが[3]、最終的にベールは降板し、ベン・アフレックに代わることとなった[4]。映画はタイトル未決定のまま製作が開始され、スタッフからは『Project D』と呼ばれた[5]。撮影は主にオクラホマ州のバートルズヒルとパフスカで行われ、2010年9月より開始された[6][7]。2011年初頭にはバートルズビルとフランスのパリで追加撮影が行われた[8][9]。マリックと彼のスタッフは実験的なアプローチを採用した。役者は脚本やライトを使用せずに作業を説明した[8][10]。エマニュエル・ルベツキは本作を「抽象的」だと述べ、より少ない演劇の規則に縛られ、マリック監督の以前の作品よりも、純粋に映画のようなものとしてそれを説明した[5]。
ジェシカ・チャステイン、レイチェル・ワイズ、アマンダ・ピート、バリー・ペッパー、マイケル・シーンの出演箇所は最終的にカットされた[11]。
公開
[編集]MPAAにより映画のタイトルは『To the Wonder』であると明かされた[12]。ワールド・プレミアは2012年9月2日に第69回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で行われ、さらに第37回トロント国際映画祭でも上映された[13][14]。
アメリカ合衆国では2013年4月12日に劇場公開された。
評価
[編集]批評家の反応
[編集]Rotten Tomatoesでは121件のレビューで支持率は41%となった[15]。
『シカゴ・サンタイムズ』のロジャー・イーバートは4ツ星満点で3ツ星半を与えた。2013年4月4日に亡くなったイーバートにとっては最後のレビューであり、2日後の4月6日に公開された[16]。
受賞とノミネート
[編集]映画祭・賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
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ヴェネツィア国際映画祭 | 金獅子賞 | テレンス・マリック | ノミネート |
サンディエゴ映画批評家協会賞 | 撮影賞 | エマニュエル・ルベツキ | 受賞 |
参考文献
[編集]- ^ “To the Wonder”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年4月21日閲覧。
- ^ “2012 Official Selection”. La Biennale di Venezia. 2012年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月26日閲覧。
- ^ “Terrence Malick to shoot romantic drama”. Film Nation Entertainment (2010年2月3日). 2012年5月14日閲覧。
- ^ Sneider, Jeff (2010年8月12日). “Exclusive: Ben Affleck, Rachel Weisz Join Terrence Malick's Next Movie”. The Wrap. 2012年5月14日閲覧。
- ^ a b Macnab, Geoffrey; Lubezki, Emmanuel (July 2011). “The Light Fantastic”. Sight & Sound (BFI) 21 (7): 22-23.
- ^ “Malick Movie Confirmed for Oklahoma, Shooting Begins”. Rockville Music Magazine (2010年9月17日). 2012年7月26日閲覧。
- ^ Polacca, Benny (2010年10月19日). “Untitled film starring Ben Affleck shot in downtown Pawhuska”. Osage News. 2012年7月26日閲覧。
- ^ a b Smith, Michael (2011年3月25日). “Tulsa stockbroker lucks into acting role with Ben Affleck”. Tulsa World. 2012年7月26日閲覧。
- ^ Chitwood, Adam (2011年5月28日). “New Details on Terrence Malick's Romantic Drama Starring Ben Affleck”. Collider. 2012年7月26日閲覧。
- ^ Weintraub, Steve (2011年1月5日). “Barry Pepper Exclusive Interview”. Collider. 2012年7月26日閲覧。
- ^ “Barry Pepper, Michael Sheen & Amanda Peet Also Cut From Terrence Malick's 'To The Wonder'”. The Playlist (2012年8月29日). 2012年8月30日閲覧。
- ^ “To the Wonder”. Film Ratings. 2012年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年5月14日閲覧。
- ^ “2 September”. La Biennale di Venezia. 2012年8月9日閲覧。
- ^ “To the Wonder”. TIFF. 2012年7月26日閲覧。
- ^ “To the Wonder”. Rotten Tomatoes. 2013年4月21日閲覧。
- ^ Ebert, Roger (6 April 2013). “To the Wonder”. Chicago Sun-Times. 7 April 2013閲覧。