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マイケル・シーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マイケル・シーン
Michael Sheen
Michael Sheen
2010年
生年月日 (1969-02-05) 1969年2月5日(55歳)
出生地 ウェールズの旗 ウェールズ ニューポート
国籍 イギリスの旗 イギリス
職業 俳優
ジャンル 映画・テレビ・舞台
活動期間 1993年 -
主な作品
映画
アンダーワールド』シリーズ
クィーン
フロスト×ニクソン
トワイライト』シリーズ
パッセンジャー
テレビドラマ
マスターズ・オブ・セックス
グッド・オーメンズ
受賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞
助演男優賞
2006年クィーン
その他の賞
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マイケル・シーンMichael Sheen, 1969年2月5日 - )は、イギリス俳優

来歴

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生い立ち

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ニューポート出身[1]。両親は共に人事労務管理[2][3]。ジョアンという妹がいる[3]。5歳の時にリバプールに引っ越し、その3年後にはウェールズのポルト・タルボットに落ち着く[4][5]。少年時代はサッカーに熱中し、12歳の時にアーセナルのユース・チームにスカウトされるが、家族でロンドンに引っ越すことになるため、両親はためらい結局それを受けることはなかった[5][6]。結局シーンは10代のはじめにサッカーへの興味を失う[5]。両親ともに地元のアマチュア劇団やオペラに関わっていた[7]。16歳の時にウェールズのナショナル・ユース・シアターに参加[7][8]。その後、王立演劇学校で演技を学んだ[7]

キャリア

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1993年にルース・レンデル(バーバラ・ヴァイン名義)原作の『哀しきギャロウグラス』でテレビに初出演。以後、映画やテレビなどに出演しているが、1999年に舞台『アマデウス』でモーツァルトを演じてローレンス・オリヴィエ賞にノミネートされ、高い評価を得るなど、舞台俳優としても有名。

2003年放送のテレビシリーズ『The Deal』と2006年公開の『クィーン』で、当時のイギリス首相、トニー・ブレアを演じ、後者の作品でロサンゼルス映画批評家協会賞 助演男優賞を受賞、英国アカデミー賞 助演男優賞にノミネートされた。ブレアの首相辞任後の2010年にも、テレビドラマとしてアメリカとイギリスで放映された『The Special Relationship』でブレアを演じている。

舞台俳優としては、2006年から英米で上演された『フロスト/ニクソン』デヴィッド・フロストを演じ、オリヴィエ賞にノミネートされるなど非常に高く評価され、同戯曲が映画化(2008年公開)された際にも同役に起用された。

両親がブリティッシュ・スティールの従業員であったように、ウェールズの鉄鋼産業を背景に生まれ育ったシーンは、俳優として成功し、拠点をアメリカに移してからも、出身地ウェールズのためのチャリティ活動や映画産業振興活動に積極的に取り組んできた。子ども時代を過ごした町、ポート・タルボットの製鉄所が経営難のため閉鎖される可能性が浮上したときには、BBCのドキュメンタリーの案内役を務めている[9]。日ごろから政治的発言も行なっていたシーンは、2016年12月、ウェールズに戻って、極右ポピュリズムに対抗するための活動と俳優業を両立させていくと発言した。[10]

私生活

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イギリスの女優ケイト・ベッキンセイルと交際し、1999年1月31日に娘リリー・モー・シーンが誕生した[11]が、『アンダーワールド』撮影後に破局(その後ベッキンセイルは同作品の監督レン・ワイズマンと結婚)。それに伴い、娘がロサンゼルスに移ったため、シーン自身もロサンゼルスに移っている[12]。『ミッドナイト・イン・パリ』で共演したレイチェル・マクアダムスと交際していたが2013年に破局[13]。2014年からアメリカ人コメディアンで女優のサラ・シルバーマンと交際するも2018年に破局[14]

2019年7月、交際中のスウェーデン人女優Anna Lundbergの妊娠を発表[15]、9月に女児(Lyra)が生まれた[16]。2022年3月、Lundbergが再度妊娠中だと発表した[17]

主な出演作品

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映画

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公開年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
1995 オセロ
Othello
ロドヴィコ 江原正士
1996 ジキル&ハイド
Mary Reilly
ブラッドショー 高木渉
1997 オスカー・ワイルド
Wilde
ロビー・ロス 村治学
2002 サハラに舞う羽根
The Four Feathers
ウィリアム・トレンチ 桐本拓哉(ソフト版)
落合弘治(テレビ東京版)
2003 アンダーワールド
Underworld
ルシアン 大塚芳忠
ブライト・ヤング・シングス
Bright Young Things
マイルズ・メイトランド 日本劇場未公開
タイムライン
Timeline
オリヴァー卿 井上和彦
2005 キングダム・オブ・ヘブン
Kingdom of Heaven
司祭
2006 アンダーワールド: エボリューション
Underworld: Evolution
ルシアン 台詞なし
クィーン
The Queen
トニー・ブレア 咲野俊介
ブラッド・ダイヤモンド
Blood Diamond
シモンズ 家中宏
2008 フロスト×ニクソン
Frost/Nixon
デヴィッド・フロスト 内田直哉
2009 アンダーワールド ビギンズ
Underworld: Rise of the Lycans
ルシアン 大塚芳忠
くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-
The Damned United
ブライアン・クラフ
ニュームーン/トワイライト・サーガ
New Moon
アロ 家中宏(ソフト版、日本テレビ版)
2010 アリス・イン・ワンダーランド
Alice in Wonderland
白ウサギ 声の出演 塩屋浩三(ソフト版)
佐々木睦(フジテレビ版)
トロン: レガシー
Tron: Legacy
キャスター 桐本拓哉
4デイズ
Unthinkable
スティーブン・アーサー・ヤンガー 家中宏
2011 ミッドナイト・イン・パリ
Midnight in Paris
ポール 山本兼平
トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part1
The Twilight Saga: Breaking Dawn - Part 1
アロ 家中宏
2012 ヘンリー・アンド・ザ・ファミリー
Jesus Henry Christ
スラヴキン・オハラ博士 牛山茂
トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2
The Twilight Saga: Breaking Dawn - Part 2
アロ 家中宏
2013 アドミッション -親たちの入学試験-
Admission
マーク 大塚芳忠
マライアと失われた秘宝の謎
The Adventurer: The Curse of the Midas Box
ウィル 中根徹
2014
Kill the Messenger
フレッド・ウェイル 日本劇場未公開
2016 アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅
Alice Through the Looking Glass
白ウサギ 声の出演 塩屋浩三
ノクターナル・アニマルズ
Nocturnal Animals
カルロス
嘘はフィクサーのはじまり
Norman: The Moderate Rise and Tragic Fall of a New York Fixer
フィリップ・コーエン 岡井カツノリ
パッセンジャー
Passengers
アーサー 村治学
2017 ホーム・アゲイン
Home Again
オースティン
47歳 人生のステータス
Brad's Status
クレイグ・フィッシャー
2018 アポストル 復讐の掟
Apostle
マルコム・ハウ 家中宏
スローターハウス・ルールズ
Slaughterhouse Rulez
バット 日本劇場未公開 志村知幸
2019 ビルド・ア・ガール
How to Build a Girl
ジークムント・フロイト (吹き替え版なし)
2020 ドクター・ドリトル
Dolittle
ブレア・マッドフライ 大塚芳忠

テレビ

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放映年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
2006 ザ・ローマ 帝国の興亡
Ancient Rome: The Rise and Fall of an Empire
ネロ
2013 マスターズ・オブ・セックス
MastersOfSex
ウィリアム・マスターズ博士 メイン
2019 グッド・ファイト
The Good Fight
ローランド・ブラム 第3シーズン
計7話出演
宮内敦士
2019- グッド・オーメンズ
Good Omens
アジラフェル メイン 山本兼平
2020 プロディガル・サン 殺人鬼の系譜
prodigal son
マーティン・ウィットリー メイン 高木渉
2020-2022 ステージド
Staged
本人 メイン 飛田展男
2020 クイズ〜100万ポンドを夢見た男〜
Quiz
チャールズ・イングラム 主演、計3話出演[18] 関智一

舞台

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上演年 邦題
原題
役名 演出 上演劇場 備考
1991 When She Danced アレクサンドル・エリオポロス ロバート・アラン・アッカーマン グローブ座、ロンドン
1992 ロミオとジュリエット
Romeo and Juliet
ロミオ Greg Hersov ロイヤル・エクスチェンジ、マンチェスター
橋からの眺め
A View From The Bridge
Greg Hersov ロイヤル・エクスチェンジ、マンチェスター
1993 The Blind Men Declan Donnellan ドンマー・ウエアハウス、ロンドン
Don't Fool With Love Declan Donnellan ドンマー・ウエアハウス、ロンドン
Moonlight フレッド デヴィッド・ルヴォー アルメイダ・シアター、ロンドン
1994 ペール・ギュント
Peer Gynt
ペール・ギュント 蜷川幸雄 バービカン・センター、ロンドン
のんきな叔母さん
Charley's Aunt
エミール・ウォルク ロイヤル・エクスチェンジ、マンチェスター
1995 怒りを込めて振り返れ
Look Back In Anger
ジミー・ポーター Greg Hersov ロイヤル・エクスチェンジ、マンチェスター
かもめ
The Seagull
コンスタンティン ロベルト・ストゥルア シアター・ロイヤル、バース
The Dresser ノーマン シーン本人による演出 ドラム・シアター、プリマス
1996 The Ends of the Earth ダニエル アンドレイ・サーバン ロイヤル・ナショナル・シアター、ロンドン
1997 The Homecoming レニー ロジャー・ミッシェル ロイヤル・ナショナル・シアター、ロンドン
Badfinger シーン本人による演出 ドンマー・ウエアハウス、ロンドン
ヘンリー五世
Henry V
ヘンリー五世 ロン・ダニエルズ ロイヤル・シェイクスピア・シアターストラトフォード・アポン・エイヴォン
1998–1999 アマデウス
Amadeus
モーツァルト ピーター・ホール オールド・ヴィック・シアター、ロンドン
アーマンソン・シアター、ロサンゼルス
ミュージックボックス・シアター、ブロードウェイ
1999 怒りを込めて振り返れ
Look Back In Anger
ジミー・ポーター Greg Hersov ロイヤル・ナショナル・シアター、ロンドン
2003 カリギュラ
Caligula
カリギュラ マイケル・グランデージ ドンマー・ウエアハウス、ロンドン イヴニング・スタンダード賞 男優賞 受賞
2005 The UN Inspector マーティン・ギャモン デヴィッド・ファー ロイヤル・ナショナル・シアター、ロンドン
2006–2007 フロスト×ニクソン
Frost/Nixon
デヴィッド・フロスト マイケル・グランデージ ドンマー・ウエアハウス、ロンドン
ギルグード・シアター、ロンドン
バーナード・B・ジェイコブ・シアター、ブロードウェイ
2011 The Passion 教師 シーン本人による演出 ナショナル・シアター・ウェールズ
2011–2012 ハムレット
Hamlet
ハムレット イアン・リクソン ヤング・ヴィック、ロンドン
2024 ナイ
Nye
アナイリン”ナイ”べヴァン ティム・プライス ロイヤル・ナショナル・シアター

参照

[編集]
  1. ^ BBC Wales profile”. BBC. 24 October 2010閲覧。
  2. ^ Nigel Dempster (18 July 2001). “He's all right, Jack”. The Daily Mail. オリジナルの2012年11月6日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121106121929/http://www.highbeam.com/doc/1G1-76608070.html 18 September 2011閲覧。 
  3. ^ a b Gavin Allen (21 February 2009). “Portrait of the artist as a young man”. The Western Mail. http://www.thefreelibrary.com/Portrait+of+the+artist+as+a+young+man%3B+Michael+Sheen+will+be+at+the...-a0194199675 20 September 2011閲覧。 
  4. ^ Simon Hattenstone (20 March 2009). “That's all I play – me”. The Guardian. http://www.guardian.co.uk/film/2009/mar/20/michael-sheen-interview-damned-united 20 September 2010閲覧。 
  5. ^ a b c Jon Wilde (7 March 2009). “After 40, not wearing pants turns sinister”. The Daily Mail. http://www.dailymail.co.uk/home/moslive/article-1160026/After-40-wearing-pants-turns-sinister-Michael-Sheen-style.html 21 August 2011閲覧。 
  6. ^ Darren Franich (26 February 2010). “Michael Sheen on vampires, politicians, and soccer”. Entertainment Weekly. http://popwatch.ew.com/2010/02/26/michael-sheen/ 18 September 2011閲覧。 
  7. ^ a b c Michael Sheen – This Is Who I Am”. Empire Online. 2009年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月24日閲覧。
  8. ^ Owain Arwel Hughes and Michael Sheen recognised in New Year's Honours List”. WJEC. 2011年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月21日閲覧。
  9. ^ Andy Maguire (8 June 2016). “Michael Sheen's return to Port Talbot to fight for steel town”. BBC News. http://www.bbc.com/news/uk-wales-36469174 18 December 2016閲覧。 
  10. ^ Heather Saul (17 December 2016). “Michael Sheen will quit acting to become a full-time activist over fears of far-right populism”. The Independent. http://www.independent.co.uk/news/people/michael-sheen-will-quit-acting-to-become-a-full-time-activist-a7481151.html 18 December 2016閲覧。 
  11. ^ Kate Beckinsale Biography”. People. 22 August 2011閲覧。
  12. ^ Elaine Lipworth (18 December 2010). “Michael Sheen: My family values”. The Guardian. http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2010/dec/18/michael-sheen-my-family-values 18 September 2011閲覧。 
  13. ^ Michael Sheen & Rachel McAdams Confirm They Are Dating”. People. 20 September 2011閲覧。
  14. ^ 交際4年で破局…マイケル・シーン&サラ・シルヴァーマン - ライブドアニュース
  15. ^ July 17, Jen Juneau. “Baby on the Way for Michael Sheen and Girlfriend Anna Lundberg: 'Expecting a Little Angel'” (英語). PEOPLE.com. 2022年3月3日閲覧。
  16. ^ Juneau, Jen. “Michael Sheen and Girlfriend Anna Lundberg Welcome Daughter Lyra: 'A Wonderful, Bleary-Eyed Week'” (英語). PEOPLE.com. 2022年3月3日閲覧。
  17. ^ March 02, Georgia Slater. “Michael Sheen and Girlfriend Anna Lundberg Expecting Second Baby Together” (英語). PEOPLE.com. 2022年3月3日閲覧。
  18. ^ クイズ~100万ポンドを夢見た男~ | ドラマ | WOWOWオンライン

外部リンク

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