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デカヒドロキシシクロペンタン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デカヒドロキシシクロペンタン
Decahydroxycyclopentane
識別情報
CAS登録番号 595-03-9
ChemSpider 21477367 チェック
特性
化学式 C5H10O10
モル質量 230.13 g mol−1
外観 無色の結晶
沸点

160℃(分解)

への溶解度 可溶
関連する物質
関連物質 シクロペンタンペントン
クロコン酸
ドデカヒドロキシシクロヘキサン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

デカヒドロキシシクロペンタン: Decahydroxycyclopentane)は、化学式C5O10H10(または C5(OH)10)で表される有機化合物である。シクロペンタンの各位にヒドロキシ基が2つずつジェミナル結合している。

この化合物は、シクロペンタンペントンの五水和物(C5O5·5H2O)であると考えられてきた[1][2]

デカヒドロキシシクロペンタンは、クロコン酸(C5O3(OH)2)を硝酸で酸化することにより調製できる[3]。水に可溶な無色の結晶で、115℃で脱水し単離できる。約160℃まで加熱すると徐々に分解する[4]。ハインリッヒウィルにより1861年に合成され、長い間シクロペンタンペントンの水和物であると考えられてきた。

関連項目

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脚注

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  1. ^ Gunther Seitz; Peter Imming (1992). “Oxocarbons and pseudooxocarbons”. Chemical Reviews 92 (6): 1227–1260. doi:10.1021/cr00014a004. http://admin.pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/cr00014a004. [リンク切れ]
  2. ^ Willis B. Person and Dale G. Williams (1957), "Infrared spectra and the structures of leuconic acid and triquinoyl". J. Phys. Chem., 61 (7), 1017-1018. doi:10.1021/j150553a047
  3. ^ Will, H. (1861). “Beitrag zur Kenntniss der Krokonsäure”. Justus Liebigs Annalen der Chemie 118 (2): 177–187. doi:10.1002/jlac.18611180204. 
  4. ^ Fatiadi, Alexander J.; Horace S. Isbell, William F. Sager (1963-03). “Cyclic Polyhydroxy Ketones. I. Oxidation Products of Hexahydroxybenzene (Benzenehexol)”. Journal of Research of the National Bureau of Standards A: Physics and Chemistry 67A (2): 153–162. http://nvl.nist.gov/pub/nistpubs/jres/067/2/V67.N02.A06.pdf.